とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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翼を持ったお巡りさん

2005年07月08日 05時59分52秒 | 書評
小学生の時、学校から冬になると耐寒訓練ということで大阪、奈良、和歌山の府県境にある金剛山に登山させられた。
大阪府最高峰といってもたかだか標高千メートル。
この千メートルの山へ登らされるのが面倒くさく「登山なんか大嫌いだ」と思っていた私は「なんで山にはエレベータがないんだ」と勝手な不満を感じていた。

昨今、この登山がブームになっており、経験もなく、訓練もしていないような団塊世代の中高年が「お上りさん感覚」で標高2000メートル以上の山へ登山し、遭難しては世間を騒がせていることを度々目にする。
その都度、動けなくなった遭難者の救出に活躍するのがヘリコプターだ。

本書は富山県警察航空隊の活躍を綴ったドキュメンタリーだ。
ヘリコプターでの救出活動は古くから行われてたと思っていたが、実際、多くの場所へそのままヘリコプターで救助に向かうことができるようになったのは、つい最近であることを本書によって知ることになった。
大ざっぱに言うと、昭和の時代は救助用ヘリコプターに標高の高い山岳地帯で縦横無尽に活躍できるに十分な性能を持ったヘリコプターはなかったということだ。
これは意外だった。
平成8年に富山県に導入されたイタリア製のA109K2という機種が導入されて初めて、ほとんどの地点への救難活動が可能になったのだ。

本書には多くの救出事例と、救出された人々の感謝の言葉が掲載されている。
黒部の深い谷の下で、身動きできなくなり「死」を意識したとき、遥か彼方からやって来るヘリコプター。
それが驚くべきことに果敢にも狭い谷底に降りてきて遭難者を救出するとき、それこそ人はその救助隊を「神の翼」と呼ぶのだろう。

もし私がテレビのプロデューサーだったら、本書を10回ほどのテレビシリーズにするだろう。
県警察航空隊の活躍はきっとスリルと人間味にあふれた素晴らしいドラマになるに違いないと、思ったからだ。

~「翼を持ったお巡りさん」谷口凱夫著 山と渓谷社刊~

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1 コメント

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Unknown (みんなのプロフィール)
2005-07-08 08:34:55
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