去る八月七日、若狭勝衆議院議員が「日本ファーストの会」という政治団体を設立したと発表があったが、これには違和感を禁じ得ない。小池都知事との連携を図るべく「都民ファーストの会」の国政版として自民党に代わる受け皿づくりという使命感に燃えてのことと思われるが、それならなぜ「国民ファースト」でなく、「日本ファースト」なのか?
単に「日本」というと、我々がまず想起するのは「日本国」もしくは「日本という国家」であり、「国民」はファーストでなくセカンドということになり、これでは自民党の理念と変わらず、国粋政党のイメージになってしまうのではないか?
かつて太平洋戦争では、「日本国」を守るという美名のもとにどれだけの無垢の「国民」が犠牲になったことか?
一方、「国民ファースト」は米国のトランプ大統領のモットーである「アメリカ・ファースト」と同様に解釈される恐れもあり、他国の信頼も失いかねない。国民あっての国家であり、国家があっての国民ではない。都知事選で「都民ファーストの会」が圧勝したのは真に国民目線で第一とすることをモットーとしたからであり、これがもし「東京都ファーストの会」というネーミングだったら、あそこまで躍進はできなかったであろう。
単にネーミングだけの問題というなかれ、名は体を表すというではないか。今からでも遅くない、新党結成の暁には「国民ファーストの会」の名のもとに真に国民本位の政党として、自民党にとって代わる勢力に育ってほしいものである。
以上