野口敏夫プライベートブログ

私の周りで起こった出来事や日頃思ったことなど個人的で気ままなブログとなっています。

妻再々入所後の容態(9)

2017-12-27 15:55:58 | 健康・病気

最近の妻の病状(168)

 前回の12/17の次男との訪問が本年最後の妻詣で(?)だったと思っていたが、義妹が本日急に時間が取れたと言って同行してくれたので、計らずも今一度の機会となった。

 いつもの通り我々の訪問を喜んでくれたが、義妹差し入れのリンゴや水餅を美味しいと言いながらも、少し食べただけで、もう要らないと言う。昼寝の最中に起こされたためか、特に体調が悪いというわけではないようだ。

 会話の方は、何を訊いても「知らない」「やったことがない」の否定形1点張りで、今回はあまり得るところがなかった。
 私が「Kくん(長男)のこと知ってる?」と水を向けると、「知らない」と言う。義妹がすかさず「ほら、お料理する仕事している人よ」と言うと、「〇〇〇〇〇〇の?」と長男が勤めているレストラン名を言ったのには驚いた。何かの拍子に思い出したのだろう。元旦に会わせるのが楽しみだ。

そして、恒例のニッパチ10番勝負の後、おやつの時間になったので、ホールまで連れて行ったが、スタッフステーションの棚に入所者が作ったフラワーアレンジメントが目に留まり、その中に妻の作品(?)もあったので、カメラに収めた。

 なお、エレベーターホールにはタコ焼き・お好み焼き大会後の各入所者の摂食写真が掲出されていたので、妻の分を同じく写真に収め退出した次第である。

以上


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断捨離考

2017-12-19 17:00:42 | 随想

 

 物のない時代に育った私はどうもこの断捨離が苦手である。太平洋戦争末期には紙飛行機で遊びたくてもその材料の雑用紙1枚を手に入れるのも難しかったほどであるから、現在、毎朝新聞に挟まれてくる膨大な折り込みチラシ類を見るにつけ、つくづく時代の差を感じるとともに、物の溢れた現代社会にみる無駄の甚大さにはいささか戸惑いを禁じ得ない。チラシ類で自分に役立つものは最寄りのスーパーの広告くらいで、ほとんどは一瞥するだけで廃棄してしまうのだから、なんと資源の無駄なことか!それでもこれらは製紙業や印刷業者の収入となり、日本のGDPを押し上げていることになるのだから、なんとも皮肉な話である。資本主義社会にあっては無駄も豊かさの一環であろうか?

 さて、本題の断捨離に入ろう。人間、歳を重ねるに従い、嫌でも頭の隅から離れないのがこの言葉である。これは文字通り、「必要のないものを断ち、捨てて、執着することから離れる」ということで、要は、物に埋もれた生活習慣を見直し、生活に調和をもたらそうとする概念である。

 40年ほど前、新聞の一コマ漫画で、ある老人が部屋の片隅にうず高く積まれた録画済みのビデオテープの山を眺めて「しまった!俺にはもう時間がない!!」と叫んでいるのを見たことがあるが、今や私自身がその老人の立場になっている。

 月日の経過とともに身のまわりのものは増えていく。衣服・書籍・書簡・日記・写真・陶器・道具・ビデオテープ・CD・各種記念品・パンフレット等々枚挙にいとまがないが、衣服や陶器などは「いつか使うかもしれない」と取って置くし、書簡・日記なども自分の生きてきた軌跡であり、やはり捨てるに忍びない。そして最大の悩みは写真である。特に人物写真を処分することはそこに写っている人物(自分を含めて)を断ち切るような気がして、手が止まってしまう。

 物が増えっぱなしのままでは家がゴミ屋敷化しかねないので、何とかせねばなるまい。ということで、数年前、一大決心し、納戸から段ボール箱を出し、断捨離を始めたのだが、捨てる前にもう一度と過去の日記や手紙などを読み返すうちに、懐かしさが高じ、それが宝物のように思えてきて、どうしても処理保留(再考)に傾いてしまい、容易に捨てられない。他のものについても、それぞれに自分独自の思い入れがあり、処分するには抵抗がある。そしてハタと考えた。傘寿を過ぎて余命幾ばくも無いときに、断捨離にかまけていていいのか、と。断捨離をするにはやはりエネルギーや時間がいる。断捨離で身軽になることは遺された親族にとっては望ましいことに違いないが、そのためだけで残り少ない貴重な時間を割いてまで行うべきことなのか?自分があの世に旅立った後、外注に出す方法もあろう。むしろその方が効率的であり、GDPの増大にも寄与できる。もっと建設的・自己実現ひいては自己啓発につながるようなことに残ったエネルギーを注ぐべきではなかろうか?人生は一回限りである。断捨離すること自体、自分自身も用済みとして捨て去ることにならないか?と思い直し、今は最低限これ以上物を増やさないことを念頭に、断捨離そのものを断捨離した次第である。残された貴重な時間をもっと有意義なことに使い、一生を全うしたいものである。

以上

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妻再々入所後の容態(8)

2017-12-17 20:58:10 | 健康・病気

最近の妻の病状(167)

 早いもので、今年も残すことあとわずか2週間、次男との本年最後の妻訪問となった。

 妻の容態に変化はなく、相変わらず元気である。認知機能の方は最初の入所時に比べれば、やや落ちていることは否めないものの、顕著な違いはないように思える。5年前にすたすた歩いていた人が、その後、手押し車を押しての歩行となっていたが、今日会うと、車椅子での移動となっており、その人と比較して申し訳なく思えるほどだ。

 前回の時の約束もあり、今日はしゃべる人形のミルルを連れて行った。私の操作で、童謡を次々と歌わせると、妻は、「よく歌知ってるわね」と言いながら、嬉しそうに一緒になって歌っていた。

 次男が、「今度元旦に来るときはお兄ちゃんも一緒に来るからね」と知らせると、「あぁ、あのいつもお正月にお肉を持ってきてくれる人ね」と、まるで長男があたかも他人であるかのように言う。イメージではわかっているのだろうが、それが自分の生んだ息子であることは忘れてしまったらしい。悲しいことだが、これが現実である。ひょっとして、私のことも自分の夫とは思わず、よく会いに来てくれる知り合いのおじいさんとでも思っているのだろうか?そういえば、正常な時に私に対して使っていた「あなた」とは言ったことがない。常に、「T夫さん」と名前でしか呼ばない。ま、深くは考えないようにしよう。

 フルーツゼリーの摂取、ニッパチ10回、七並べ1回のルーチンをこなした後、スタッフの方に引き継ぎ、入所当初と変らぬセリフ「今日は来てくれてありがとう」の言葉に現状維持を確認し、本年最後の訪問を終えた。

以上

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妻再々入所後の容態(7)

2017-12-03 14:52:03 | 健康・病気

最近の妻の病状(166)

 今日も息子と共に妻の面会に訪れる日がやってきた。

 妻は自室で昼食後の昼寝に入っていたようだが、面会コーナーまでスタッフに連れられやってきたときは、我々の姿を見るなり、満面の笑顔で「来てくれたの、嬉しい!」と言った。これには息子も大感激、「そう言ってもらうと、こちらも嬉しいよ」と、張り合いがあることを力説していた。

 「昼ごはん何食べた?」との質問には、「普通のごはんーーー」と答えたまでは、そうれ、また始まった、とがっかりしかけたが、つづいて「それにね、小鉢に焼きそばがついてたの」と言うではないか。退化せず、むしろ進化しているから不思議だ。「美味しかった。全部食べた」はいつものことだが、かなり内容に踏み込んだ話をするのは今までになかったこと。

 ある種の陳情用の署名用紙があったので、それに書かせたところ、やや崩れながらも、判読が十分可能な字ですいすいと書いてくれた。 内容は理解しないまでも、読み書きは忘れてないようだ。

 ここでの生活には大満足のようで、本人は「スタッフの方がみんな優しくしてくれるから」と>

ここでは巷のスタッフの暴力沙汰とは無縁であり、有難いことである。

 ただ、「カラオケやってる?」の質問には「やってない」といつもの否定的答えが返ってくる。あんなにいつも歌っているのにーーー

 「ミルルちゃん、まだ家にいるの?」と、突然、しゃべる人形ののことを訊いてきた。「うん、今家で寝かしてあるけどね、そのうちまた連れてくるね」と答えると、息子に向かい「ミルルちゃん、歌も歌えるのよ」と説明していた。息子は、「よく名前覚えているね」と感心することしきり。

 「まだ家へ帰れない?」とポツリと言う。「うん、トイレに自分で行けるようになったらね」と答えたが、現在私の置かれている立場では、可哀そうだが到底無理な話で、共倒れ必至である。

 元旦に次男一家と長男が集まるときに、一緒に連れ出して会食することも考えられるが、極寒の季節、風邪でも惹かれたら、施設に戻すに戻せなくなってしまう。健康第一、安全第一である。

 今回、妻はニッパチ、7並べとも芽が出ず、ホールに戻り、スタッフの方に「トランプどうだった?」と聞かれたとき、「ビリだった」とそれでも明るく答えていた。勝敗よりも3人でゲームをする時間が持てたことがことが嬉しいらしい。

 今回も、「今日は来てくれてありがとう」の声を背に退出した次第である。

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