ファンタジアランドのアイデア

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服装における男女の相克時代の次にくるスタイル アイデア広場 その273 

2017-11-18 11:33:07 | 日記
 

 20世紀は、男性モードがまず優位という形で始まりました。続いて、女性の社会進出に伴い、女性モードが浸透する経過をたどります。各時代時代にふさわしいジェンダーの美意識が、20世紀を謳歌してきたわけです。女性の男性服着用は、男性に限定された社会的役割を女性が担うという表現でもありました。時代の流れは、女性の社会進出を後押ししてきたのです。服装の変化には、恋愛やエロスのエネルギーが潜んでいました。アパレル企業は、このエネルギーを陰に陽に使い分けてきました。でも、この恋愛やエロスを利用する路線は、狂いはじめました。草食系や肉食系の表現に見られるように、男性はマッチョで女性は繊細という概念が崩れつつあります。
 そこで、これからの服装の流れを考えてみました。オリンピックの種目を見るまでもなく、男女は平等化の方向に収束しつつあります。男子だけの種目だったものが、そこに女子の種目も採用されるようになりました。繊細で細身化した男性モデルが、コレクションで採用されるようになっています。マッチョであるよりも、ほっそりとした肉体を持つ男性モデルの多用化は、時代の一つの象徴です。女性の場合、少女の衣服を借用して大人の服となったミニスカートに始まり、両性化や中性化を目指すものになっています。最近のファッションは、性的魅力を控えめにして、性から距離を置く流れがあるようです。その行く先には、「未成熟」やアンチエイジングという流れが鮮明になってきています。
 多くのデザイナーは、この課題に立ち向かっています。彼らは、新しいモードを生み出し、古いものを破壊するという作業を繰り返してきました。そして、過去に解体された服装を組みあわせることで、リミックスという再生も行ってきました。その彼らが、「未成熟」やアンチエイジングのコンセプトに立ち向かっているわけです。現代の40代、50代、60代は、確実に10年前や20年前の世代と違い若返っています。「40代に合った服装」という観念を捨て去っています。母親は娘と同じようなおそろいの服を求め、親子ではなく姉妹関係を装います。アンチエイジングの核は、若さなのです。行動的で機能的な装いをまず求めます。
 ミラーニューロンが、近年注目されています。この神経細胞は、他人の感情、行動、身体的感覚などを模倣するための特別の脳細胞です。幸福感を感じている人のそばにいると、その人の行動を模倣し、幸福になるというものです。逆もあります。針を刺されれば、痛いと感じます。針の刺す光景を見ると、人は触られてらいないのに針の痛みをかすかに感じる現象が生じます。この現象は、親密な関係にある人ほど強くなります。ミラーニューロンは運動ニューロンのすぐそばにあるので、行動もまた伝染しやすいのです。美しく装うことは、幸せなことです。母と娘が同じ服装で、幸せを演じます。その時に、ミラーニューロンが活発に働きます。そして、その隣にある運動ニューロンも行動を起こします。速い動きや優雅な動き、そして自然な動きを演じます。その動きをスムーズに導く機能的服装が求められるわけです。ナイキやミズノなどのウエアやシューズは、一つの選択肢になります。