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スポーツの話 プロ野球 その3 球団をより豊かにするために

2017-01-06 16:21:14 | 日記
スポーツの話 プロ野球 その3 球団をより豊かにするために

 日本でもアメリカでもフロントやGMが有能であると、球団に所属する選手はもちろんコーチや監督、そしてスタッフは充実した役割を果たすことができます。悲しいことですが、ドラフトで上位に指名された選手が、一度も1軍に登場することなく球界を去る姿が後を絶ちません。今日は、良い球団のあり方を嘉納さんからトット記者が話を聞きました。

記者「ドラフトで1億の契約をし、1千万円の給料を支払う選手が、十分に活躍するために優秀なコーチが採用されています。コーチの心構えなどを教えて頂けますか」
嘉納「向上しようと意欲を持つ選手を、援助する専門職がコーチです。選手に向上心がなければ、コーチがどんなに親身に指導しても成果はでません。コーチは選手の欠点を長所に変える目を持って、選手に接することが大切になります。間違っても、昔の人と比較したり、昔の自分のやり方だけを教えることだけは避けたいものです。昔のやり方だけで、選手が育つ時代ではないのです」

記者「選手の個性を重視する指導を心がけるということですね。具体的にどのような指導をすることになるのでしょうか」
嘉納「選手のスキルを成熟させながら、自分や相手、そしてデータの意味を段階的に教えていくことになります。コーチはある程度時間がかかっても、辛抱強く段階を踏んで指導していきます。重要なことは、選手に自信をつけさせ、それを確信のレベルまで高めることです。効果のある指導を長く継続させるためには、選手自身のモチベーションに深く根付いたところを、よりどころにして指導することになります。優れたコーチに共通することは、心に響く話を短く上手にすることのようです」

記者「新人とレギュラー選手では、指導は異なるのですか」
嘉納「段階がありますから、選手の経験に応じた指導になります。特にレギュラー選手やベテランに対しては、慣れによる停滞を取り除き、チームの利益になるプレイをするように指導していきます。新人には、できることをできるまで努力することを求めます。できるようになったら、その確率を高める工夫をしていきます。高い確率でできるようになれば、さらにその質を高めていきます。技能を、らせん状に高めて行くわけです。相手がいる以上、相手も工夫します。その工夫に負けない工夫をする姿勢が求められるのです。工夫する姿勢を、選手自身で身につけることを支援することが、コーチの役割になります」

記者「例えば、投手コーチの場合、どんな点に指導の重点がおかれるのでしょうか」
嘉納「コンディションを整え、常に6回を自責点3点以内に抑える投球術が求められます。その中で、考慮されることがあります。巨人やヤクルト、そしてDeNAの球場は、ホームウランが出やすいのです。これらの球場で投げる投手は、不利な立場になります。特に、巨人の杉内や楽天の則本はフライの比率が多いので、これらの球場ではホームランが多くなります。一般に、フライを揚げて討ち取る投手には、不利な球場ともいえるわけです。逆にいえば、ゴロを打たせることができる投手が、この球場では活躍できることになります。投手もフライで討ち取る投球術に加えて、ゴロで討ち取る投球術をマスターすることが望まれます。コーチは、この点の指導をしていくわけです」

記者「確かに、近年ではゴロを打たせることのできる投手の評価が高まり、年俸もあがっていると聞いたことがあります。球場と投手の投球に関係していたのですね。ところで、監督の仕事はどういうものになるのでしょうか」
嘉納「チームを勝ちに導く指導者が、監督です。監督は現状の戦力をどう生かすかが、仕事になります。人材が動く時代になり、以前よりチームの選手層も幅が出てきています。監督からすると、戦術の組合せが増えることを意味します。持っている選手を臨機応変に使いながら、有効な戦術を組み立てることになるわけです」

記者「優れた監督とは、どういう采配をするものですか」
嘉納「千差万別ですね。一般にプロ野球の世界では、強い選手の集合体が強力なチームになります。でも、強い選手だけが理想的な形で揃うことはありません。どうしても少数の有力選手に頼ることが多くなります。ところが有力な選手による勝利によって、チーム内の競争心や自立心が低下して行くことが生じることがあります。これはチームにとって、最も危険なことなのです。強力な選手がいなくなった時、突然チームが崩壊する現象が現れるからです。有力選手がケガをしても、コンスタントな成績を残す監督は優れているといえますね」

記者「監督が注意することは、どんなことでしょうか」
嘉納「何でも自分でやらなければ気の済まないで、動き回る監督は失敗するようです。一定の権限を、コーチに与えることも大切なことです。コーチと違い、個々の選手の力を伸ばすよりも、チームが勝つことを大切にします。勝つためには、能力主義に徹する意志の強さも必要ですね。特定の選手だけを重視する起用方法は、危険です。有力選手がケガをした場合、チームにとって致命的な痛手になります。一定の場面で、できる選手とできない選手を考慮しながら、起用していきます。チームが勝つためには、選手集団全体が進化していくことが必要になります。進化の先頭に立つのが、監督と考えても良いでしょう」

記者「全てのスタッフの頂点にたつフロントやGMは、どのような姿勢で運営をどうするのでしょうか」
嘉納「有能なGMがいるチームは、良い成績を出しています。また、球団の経営も黒字にしていきます。資金の余裕があれば、有望な選手のスカウトやスタッフの補充なども可能になります。でも、選手の活躍が契約金に見合わない契約をすると、GMは批判を受けるようです」

記者「日本では、メジャーに近い経営をしている球団はありますか」
嘉納「楽天ですね。この球団はコスト意識にも敏感で、一般企業の経営感覚を色濃く持っています。メジャーの球団経営を良く研究している球団と言えます」
記者「少しだけ、球団という組織が分かったような気持ちになりました。今日はありがとうございました」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。