ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

高齢者の資産を利用して生き生きした町に

2017-01-04 11:59:10 | 日記
高齢者の資産を利用して生き生きした町に

 人口密度と一人当たりの可処分所得とは、比例関係にあります。ヒトもモノもカネも低生産性の部門から、高生産性の部門へ移動していきます。人口の集中するところには、スーパーや専門店などのさまざまな施設が集まってきます。人口密度が高まることにより、情報の高度化が進み、生産性はより高まります。情報集積地には、新しいアイデアが生まれ、新しいビジネスが生まれます。高齢者の人口密集地を核にしたファンタジアランドの町の様子を、藤堂さんにトット記者が話を聞きました。

記者「町に若者が多く集まり、そこから地域の活性化が始まると思うのですが。なぜ、この町は高齢者が核になって、活気がでてきたのですか」
藤堂「高齢者は、莫大な資産を持っています。資産をもつ高齢者の関心事は、老後をいかに豊かに、快適に、そして幸福に暮らせるかです。良い病院、良い食事、良い住居が大切になります。高齢者にとって大きな家は、必要ありません。ワンLDKのマンションで十分です。マンションの1階に診療所があれば、通院は心配ありません。医療が充実し、住むところが整備され、食材が正しく流通していれば、高齢者にとっては望外の地となるのです」

記者「そんなマンションや地域があるのですか」
藤堂「日本では、四国の高松市の丸亀地区がこれに該当します。私どもの町も同じような開発を行い、高齢者用のマンションを建設しています。マンションは常に完売で、新設物件にも予約が入っています。入居の大きな理由は、医療介護施設の完備にあります。診療所と高度医療機関との連携も円滑に行われており、緊急時には大学病院等への搬入も遅滞なく行われます。町全体が、病院・介護施設という感覚で生活を安心して楽しんでもらっています」

記者「前向きに、自分らしく生きることができれば、幸せになります。さらに、ひととひととの繋がりがあれば、豊かな生活を送ることができます。ここに住んでいる高齢者は、幸せと感じているのでしょうか」
藤堂「はい、安心して暮らせ、自分の足で全ての生活が成り立つ、高齢者用のマンションに満足されているようです。先日、転んで大腿部頸部骨折された女性の高齢者がいました。このような場合、一般的には、歩行が困難になり、寝たっきりになることが多いようです。生活の質(QOL)が低下し、不満のある生活を送る方が少なくありません。でも、ファンタジアランドの診療所から高度医療完備の大学病院に運ばれ、すぐに手術をしています。術後、マンション内にあるリハビリセンターでトレーニングをした結果、生活に不自由なく歩けるようになるにまで回復しています。旅行なども、普通にできるようになり、充実した生活を楽しんでいますよ」

記者「すばらしいですね。普通高齢者が、骨折すると動けなくなり、認知症へ進むと言われています。でも、手術を的確に行い、手術後のリハビリを行えば良くなるのですね」
藤堂「高齢者にとっても、良い医療環境です。それ以上に、医者にとってもこの町は、良い町なのです。診療所の上は、高齢者というお客さんがいます。これらのお客さんを下の診療所で見るのではなく、往診とか回診をして見ていただくようにしています。現在の医療制度では、往診とか回診のほうが点数が高いのです。医者から見れば、マンションは病室なのです。当然、医者の収入は増えます。高齢者はいつでも、安心と安全を手にしていることになります。マンションの評価価値は高くなっていくだけのようです」

記者「高齢者が豊かに暮らしている町には、どんな変化が生まれるのですか」
藤堂「高齢者は、車の必要な郊外から、町の中心部に移動してきています。車に依存しない生活をするわけです。すると、中心部に出店するお店は、駐車場がいらない小型店になります。これらの店は、高齢者が必要とするサービスを事細かに提供することになります。付加価値の高い商品やサービスを提供するアイデアの豊富な店が、生き残ることになるのです。規模ではなく、店の数に注目しています。パンの販売でも、目の前で焼かれたものを即食べれる場を設けておくのは常識です。パンと合う飲み物を工夫する店もあります。パンや飲み物を囲んで、歓談する高齢者の姿は好ましいものですよ」

記者「高齢者の好みとか要望には、まだまだ未開拓なものがあるようですね」
藤堂「はい、大量の高齢者を受け入れた経験のある社会は、有史以来ありません。高齢者の生態を調べる研究は、始まったばかりです。高齢者が地味なものという考えは、捨てることです。抗がん剤治療などで、脱毛の悩みはよくあります。その高齢者の方を、メイクする専門家がいます。これが人気のある店になっています」

記者「抗がん剤には、副作用がありますね。脱毛や肌が黒ずんだりすることは辛いと聞いたことがあります。でも、治療が優先されることが一般的ですよ」
藤堂「人間は、病気が治るだけでは満足しないのです。脱毛していけば、心理的に落ち込みます。でもカツラやメイクをすることで心理的な満足をもたらすことが分かってきました。高齢者が求めるサービスの種類が、明らかになってきているのです。そこに、ビジネスチャンスがあるのです。感覚の鋭い起業家は、それを具体的なものにしていくでしょう。豊かな生き方は、狭く薄いちゃちなモノではなく、多様で奥行きの深いモノですよ」

記者「そのほかで、注意していることはありますか」
藤堂「人口密集地域には、防災や防犯に関する配慮が必要になります。これらの安全対策に関する備えが、生活の質を保証するものになります。商店街には、耐震化の強化や防犯カメラの設置も必要になってきます。安全安心が保障された地域には、当然若者も移住してきます。若者は、高齢者を豊かにするビジネスを開発していきます。これが、ファンタジアランドでの一つの姿です」
記者「高齢者密集地の楽しく豊かな生活を支えるビジネスが、開発されていることが分かりました。このノウハウが世界に発信されて、世界の高齢者のモデルになる可能性を感じました。今日はありがとうございました」

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。