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中国側からは首相の靖国参拝中止が、首脳会談の条件のようにも伝えられました。
問題がどんどん大きくなってしまいますが、本書は、評論家の宮崎哲弥氏が、多くの靖国問題を扱っている書物の中で本書が最も読む価値があるというような主旨のことを言っていたので、読んでみました。
なるほど、そう推薦するだけあって、かなりの力作です。エッセーというより論文ですね。筆者が1946年当時の内務大臣三土忠造の孫にあたるそうで、どうしてもこの問題を整理したかったようです。
ここまで問題がこじれてしまっているいきさつが、時系列を追って丁寧に解説されます。各訴訟などの論点も整理しています。結局、政教分離で反対派が責めてもダメ、賛成派の主張にも無理がある。不毛な議論に終始している原因が靖国神社自身にかなりあるという分析です。
詳しい経緯は本書をお読みになっていただきたいのですが、GHQとしては日本の軍国主義を根絶するために、その象徴になるようなものは潰したかったが、政府としては戦没者を慰霊するものとして、戦後も残したかった。そこでGHQを懐柔し、靖国は公のものではないものとして生き残らせたが、占領を終えると、再び、まるで公の性質を持つがごとく、政治的に天皇の為の死をたたえ、A級戦犯をたたえるような神社に戻してしまったというのです。政府は飼い犬に手をかまれたようなもんだと。
伊勢神宮や全国にある護国神社の類はどんどん性質を変えて、平和な時代にふさわしいものになっているが、靖国はまるで大昔から生き残っているシーラカンスのような状態だという意見です。筆者は首相参拝はやめた方が良いという意見です。
中国がこういう姿勢であれば、日本はますます引けないでしょうし、小沢氏が取り上げれば、大きくマスコミで報じられてしまいます。一民間宗教団体に政府は手も出せず、いまだ解決の糸口は見えませんし、日本の世論が割れれば中国の思うツボだという指摘もあります。
筆者は何十年もかかってこじれたのだから、落ち着くのに何十年もかかると述べており、首相が参拝をやめる以外の解決策は提示されませんでした。その点でやや不満が残りました。
http://tokkun.net/jump.htm
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靖国神社側が、A級戦犯を今後も祀るのだと言えば、いつまで経っても諸外国(中国、韓国)と平行線だと思います。
小林よしのりの『靖国論』や『戦争論』ですが。
それのお陰で、すごくこのことに興味を持つようになりました。
紹介されてる本も、興味有るので探してみます。