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「“受験英語” の本質」 コラム (灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編)

2008年01月11日 | コラム・備忘録



本の紹介でなくても近況を報告してという暖かいお言葉をいただき、さっそく先日ご紹介しました、灘高キムタツこと灘高の英語教師、木村達哉先生の 『国立大学英語リーディング(超難関大学編)』 に寄稿したコラムを記事にしてみました。


よろしければ、お読み下さい。


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えば、一人の 「元気で活発な女の子」 のことは、違う見方をする人からは、「でしゃばりのオテンバ娘」 と呼ばれたりします。また 「思慮深く慎重な男の子」 なら単に 「ノリの悪いヤツ」 と決め付けられてしまったりします。

そのような、一つのものに対するまったく違った見方というのが “受験英語” についてもなされます。

日本の受験英語は、実はとてもうまく組み立てられており、それが理解できれば、勉強時間に比例して英語力は飛躍的に伸びるものなのです。英文解釈や読解、暗記をすればするほど力を蓄え、まるで巨木のように成長し、大学入学後には高級英字新聞までも自然に読めるようになる生徒は珍しくありません。

ところが文法を軽視して、辞書に載っている単語の意味とカンだけを頼りに英語をやってしまうと、やっかいな暗記科目に早代わり。試験前の苦労むなしく、詰め込み知識はすぐに雲散霧消。結局、数年にわたって英語に費やした膨大な時間が無駄になってしまいます。

英語の成績が上がらないという人は例外なくこのパターンでしょう。

そうなると受験英語は激しい批判にさらされます。「中学・高校・大学と10年間英語をやって、多少読めるかもしれないけど、ちっともしゃべれない。アメリカなら5歳の子でも流暢に話すのに…」と。

会話重視の英語教育やゆとり教育の指導要領改定は、こういった批判に応えるためのものでしょうが、その批判も対策も的外れ。

日本の受験英語の勉強はいうなれば漢文学習のようなやり方です。日本人はあの難解な漢字だけでできている文章に、勝手に“返り点、一・二点”などを付けて、中国人にはまったく伝わらない『子いわく…』というような読み方で、正確に“読解”してしまいました。

ところが英語と違って 「漢文を読めてもしゃべれない」 などという批判は出てきませんね。

江戸時代までは漢文を、明治以降は英語を解読することによって、他国の優れた文明を吸収し驚異的な発展を遂げてきたのが翻訳大国、日本です。現代でも、日本語で世界中の言語の本が読めると言われるほどで、読解好きは日本人のDNAと言っても良いくらい。

そもそもなぜ入試に英語があるのかといえば、経済や法律、医学や建築などの高度な専門書を英語で理解するために必要だからです。当然、そこで求められるのは、会話能力というより英文読解力です。

日本のトップレベルの生徒なら、欧米の標準的な18歳よりもずっと難しい英語をなんなく読むことができます。実際、外国人に日本の難関大学の入試問題を見せると一様に驚いて、「本当に日本の18歳はこの英語を理解できるのか」 と聞かれたりします。(そういう時には「当然だ。それほど難しくない」などと答えることにしていますが…。)

もうひとつ。 まるで神話のように、英語専門家の中にも蔓延しているひどい誤解は、「日本人は文法ができても会話ができない」 というものです。

TOEICなどの国際比較を分析すれば、日本人の点数がアジアの最低レベルにまで落ちてしまったのは、会話ではなく、読解や文法ができなくなってしまったからだと簡単にわかります。現代の日本人はすでに会話問題はそこそこできているのです。

ですから本書のようなテキストで、しっかり文法の確認と読解をして下さい。

英語が世界中こんなに広まっているのは、きっと英語が他の言葉よりずっと簡単で誰でも、読んだり話したりできるからでしょう。どんなに難解で長い英文だって、文型はたったの5つ、アルファベットはわずか26字!

東大であれ、ハーバード大学であれ、“ウルトラスーパー英文法”なんてやっているわけじゃあありません。大統領から生まれたばかりの赤ん坊まで、みんな “you” の一語で呼べんるんです。日本語よりずっと単純な英語のしくみ、きちんと理解してください。

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実は昨日もキムタツ先生から、お電話をいただきました。

次は関東なら早慶上智、関西なら関関同立などの名門大学受験生用のリーディングテキストを書かれる (公表してもいいですよねぇ) ということで “生徒の役に立つテキストとはどんなもんだろうか”  と、相変わらず、熱心に教材研究されているご様子です。


 “困った時のVIVA頼みですわ~” とおっしゃりつつ、すでに非常にユニーク、かつ有用なアイデアを実行されているようです。私もついついノッてしまい、30分ほどお話させていただきましたが、非常に有意義でした。

そんな常にポジティブなキムタツ先生に、少しでもお役に立てればと思い書いたコラムですが、受験生諸君の参考になれば、幸いです。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ごぶさたしております (ふる)
2008-01-18 12:51:40
この記事にコメントしようと思って書いていたら、非常に長くなってしまいました(苦笑)
なので、別の一本の記事にしてしまいました。
トラックバック送らせて下さい。

>“困った時のVIVA頼みですわ~” 
ブログのネタもVIVAさん頼みですね~(笑)
返信する
ふるさん (VIVA)
2008-01-18 21:29:36
少しでもお役に立てたのならうれしい限りございます。貴重なご意見いろいろ聞かせて下さい。
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