武志の【作業日報】

こだわり天然素材の革製品、シルバーやグラスアートをしている職人の作業日報とその日常です。

オーダー品! Short Wallet 2

2010年09月30日 | THE 作業日報 革
皆様、いかがお過ごしですか?
私は庭仕事をしてからひどい腰痛です
じじいです。

え~、ってな訳で
高校からの古い友人の紹介で頂いた2つ折の財布、先日納品致しましたのでご紹介します。




•長く使う事を考えて外観はなるべくシンプルに
•カードは何かと増えるよね
•小銭入れを大きく、また取り出しやすく(ご注文本人の1番気にしていた所
という以上の3点を考え2つ折の財布を制作して欲しいとのご要望。
それで内装はこんな感じに↓



カード入れも2つ折にして計8枚収納可能に、カード入れ及び小銭入れと本体の間にも収納スペースを確保しましたのでそれ以上にカードは収納可能になっています。(写真では確認できませんが
ご注文頂いた方が1番気にしていた小銭入れの部分。
フラップを開けると手が十分入り小銭が取り出せる構造になっています。




実はこの小銭入れ部分はお客さん自身が持ち込んだアイデア。
制作に手惑い、実はこの部分1度制作するも気に食わなかったのでお時間を頂き再度制作し直した物です。

お店の刻印とロット番号の他、その方の名前を焼き入れました。

いつもそうなのですが、手渡す時が1番緊張します。
気に入ってくれるだろうか?喜んでくれるだろうか?
もちろん制作時には気に入ってもらえるよう、いっさいの妥協はせず丁寧に制作しています。
でも、やはりすごく緊張するんですね

でも、製品を見てもらった瞬間笑みがこぼれすごく喜んでもらえました。
僕が1番救われる瞬間! 制作してきた時間や労力全てが救われます。
それだけではありません。お客さんの喜びが僕に100%ピュアなエネルギーとして帰ってきます。
代金ではなく、実はそれが1番の報酬なんです。
僕は頂いたそのエネルギーでより良い物を作り出そうとする勇気を頂けるからです。
本当に本当にありがたい事。

とても幸せな日でした

え~、話は変わりますが
またまた10月から1ヶ月半程の出稼ぎに出ます。
それまでは製品の紹介は無くなるかもしれませんが、先々で出会った風景や人や物をご紹介できればと思ってます。
ちょくちょく覗いて下さいね。
ブログペットのまねきもいじってやって下さい

ではでは~

秋を感じます。

2010年09月23日 | 風景
めっきり涼しくなりました。
この時期1雨ごとに秋に近づくと言いますが、まさにそうです。
今日はこの辺り朝から雨が降りどんよりとしていましたが、夕方窓から奇麗な夕日が見えたので思わず外に出て写真を撮ってみました。



雨上がりの澄んだ空気のせいか夕日がすごく奇麗で、見上げた空は高く夏が終わった事を実感しました。
来年の夏はどんなんだろう?
楽しみだ


こんなスタイルは?

2010年09月16日 | THE 作業日報 革
いや~、めっきり涼しくなり秋を感じますね。
空が高い。今日は雨ですけどね

ってな感じで、前回最後の行程で大失敗したシェリダンスタイルのカービングとは別にこんな感じの物も同時に彫っていました。
友人知人から”伝統的な絵柄とは別に違った絵柄も彫ってみては?”と言うアドバイスを多数頂き、どんな物が良いかなって考えていました。
やはり唐草模様のグラデーションは好きなので唐草で何か違ったスタイルをと思っていた所、表札を作るアイデアと一緒にこういうのが降ってきました。
どうだろう?

まずは下絵↓、結構苦戦
左右対称の絵柄なので片方だけ書き、トレースペーパーで繋げました。
イラスト系のソフト勉強しようかな



それを前回と同じ様に湿らせた革にトレースしていきスーベルカッターでカットし筋彫り開始↓
思いっきり余り革使用



今度はバックグラウンドを潰してきます↓
感じが出てきました
試作なので自分のイニシャルを入れてみましたよ。



彫りが完成したので乾燥させ、バックグラウンドに色を注します。
今回は引き締まった感じの黒で。↓



これを奇麗な形に切り出しヘリを整え後に色止めワックスを塗り完成!
こんな感じ↓



イニシャルの所にショップ名等を入れ、その下の開いてる部分に営業時間等を焼き入れたら良いかも?って考えてます。
色々な絵柄を書いてみようと思います。

ではでは、今回はこの辺で

うげ~!大失敗!!!

2010年09月12日 | THE 作業日報 革
いや~、残暑厳しいですね。
皆さん、夏バテしてませんか?
十分体調管理をしながら、もう少しこの長めの夏を楽しみましょう

ってな感じで、
私、現在レザーカービングで表札を作ろうと考えています。
お店のエントランスやレジ周りにそのショップの名前を刻んだ物を置いてもらえたらって思って。
もちろん個人宅の玄関やリビングにも。

そこで試作を色々と作ろうと思ってここ1週間程頑張っていました。
下絵を幾度も幾度も書き直し、実際彫ってみてまた下絵を修正して。
それはそれはストレスが溜まる作業でした

それでようやく、納得のできる下絵が完成。
まずは革の切れ端でサンプルを作る事にしたんです!

下絵をトレースペーパーに移し、湿らせた革にその絵を写して行きます。
そのラインをスーベルカッターというカッターで絵柄をカットし、そのラインを今度は筋彫りして行きます。
それがこちら↓



今度はバックグラウンドを潰していきます。
それから必要な刻印をそれぞれの箇所に入れていき、デコレーションカットを施し彫りは完成↑

これからは染色。
まず、潰したバックグラウンドに色を注します。↓
それっぽくなってきましたね 
今回はサンプルという事で家の屋号を入れました。



その後、アクリル系のワックスを幾度かに分けて重ね塗りをしてアンティックダイという染料で絵柄を染色します。↑
アクリル系のワックスを塗るのは絵柄にグラデーションを出す為に防色させてるんです。
彫り込んだ所や刻印が入れてある場所はは染色がしっかり入り、彫っていない部分はワックスで防色されているので色があまり入らない訳ですね。
これにより絵柄がより立体的になり、花や唐草が浮き出てきます。

ここまでくればほぼ完成
後は指定の形に切り抜き、コパ(革のヘリの部分)を布海苔で磨き上げ全体に色止めワックスを塗り込めば良いのです。
、今回私はこれを四角に切り出し絵柄の入っていない場所に何かメッセージを焼き入れようと考えていました。
ところが、既にアクリル系ワックスを塗ってあるので上手く焼きが入るか分からない
本来ならワックスを塗る前にやっておかないと行けない作業

すごく悩みました。焼きでメッセージを入れるか否か
だいぶ悩んだあげく、やってみようと決断
が、しかし!やっちゃいました
上手く焼きが入らない上、焼きゴテを押し付ける度合いを謝るとアクリルが焦げ真っ黒に
なんとか修正をと努力するも虚しく大失敗
何やら文字らしき物はあるのだけれど、ただ汚れているだけにも見える

散々時間を掛け、後一歩の所で全てを台無しに

もう何にもしたくない!今日は何にもしたくない!
酒だ酒だ!日曜だから昼間から飲んでやる
神様、意地悪だ。なんで止めてくれなかったの

一応そのメッセージの部分をよけてカットしておきました。
サンプルにもなり得なかった今回の仕事。
ただ、こうやってミスを犯しながら成長するんでしょうね。
やけ酒食らって再度頑張ります。今日は何にもしないけどね。絶対に

↓こんなにみすぼらしく。トホホ
一応、戒めのために革の作業をする作業台に飾っておく事にしました