牛乳(mjolk)
作詞作曲 涼平
■ミョルクはスウェーデン語でミルクのことらしい。星空、そしてミルクとなるとミルキーウェイ(milky way)「天の川」を連想させる。■
■SHOXX12月号にメガマソ涼平による各曲の解説が載っているが、そこにあるように「牛乳」は「いつも僕の頭にあるままの(イメージを)幻想的に書いちゃった」ような歌詞らしい。各々の単語や、フレーズのイメージを尊重して聞き手それぞれのストーリーを描かせてもらおう。出だしは、今回のアルバムでも多用されているシンセで。■
黒を蹴っていた。
そら、星は想い人、数瞬いて。
■雲が流れ、闇を蹴散らして、好きな人の星が輝き現れた。■
何か飲まないと。
ほら、牛乳温めて、窓際に居て。
白塗料、口含み。
■窓際で、あなたの星を見上げながら暖かい牛乳を飲む。牛乳が口の周りについてまるで白いペンキを口に含んでいるようだ。■
雨に沿っていた空。
星は口を、まはるかに噤みて。
■「まはるか」は「ま(副詞)+はるか」で、もっと遠くの意味。「噤みて」は「つぐみて」で口をふさいで黙ること。■
■さっきまで降っていた雨も上がって、でもあなたの星は遥か遠くで沈黙を守る。何も語ってくれない。■
何か食べたいと、法螺をつき夜の街外出の許可。
■家族には嘘をついて外に出る。■
白塗装、瞳に流し。
■それは誰にも見られずそっと泣きたかったから。牛乳が目から流れ出す。■
冬の趣向は回転木馬を止める切ない悪戯で。
擬似的口移し。
■冬になってあなたとの恋はうまく回らなくなってしまった。私は星に向かって語りかける。あなたに直接語りかけるかのように。(私の口から牛乳が星に向かって流れる。天の川のように。私の意思が伝わったならそれは擬似的な口移し。)■
願いよ、叶えたい、幾京の珊瑚樹下。
貴女を見つけ、覚えているかな?二人の時空。
■京(けい)は1億の1億倍、珊瑚樹は赤い実のつく木。■
■願いを叶えたい。この無数にある珊瑚樹の森の中で。あなたは覚えているだろうか二人だけの世界。■
願いを、叶えなきゃ、幾千の優曇波羅華。
貴女と見上げ足りないよ。まだ一緒に居たい。
■優曇波羅華(うどんばらげ)、は仏教の経典に出てくる3000年に一度咲く空想上の花の名。咲く年は良い事があるといわれている。非常に稀なことだけにそれだけ貴重なものであることを指す。■
■願いを叶えないと。この無数にある優曇波羅華の森の中で、花の咲く木を見つけよう。そうしたらあなたとまた一緒に星を見上げることが出来る。■