【「南極」は涼平の曲としては珍しく、状況と出演者を設定すると、かなりわかりやすい歌詞である。舞台は南極にある防衛軍の基地とその上空。登場人物は地球を守るバトルスーツである「シゼ」とそのクルーの「ぺこたす」。その彼女「あたし」。それとその敵である「ヘンレケ」。ガンダム物アニメの主題歌と考えたらわかりやすい。
きれいなメロディーと完成された曲の構成から、多くのアヤビエファンが好きな歌にあげるが、本来はもっと広く知られて良い曲と思う。いかんせんマイナーなインディーズバンドが弱小レコードで出すには惜しい曲である。そのうち本当にTVアニメの主題歌としてぜひ取り上げて欲しい曲である。】
南極
作詞 作曲/リョウヘイ
気づけば、あたしの体と心の温度差は小さくなり続けました。
それは、シゼに収束していく。
【「シゼ」に搭乗した「ぺこたす」は徐々に機体と一体になり、精神も「シゼ」に集中させた。】
ひんやり、季節はあなたとあたしの深溝をえぐりえぐり続けました。
それは、シゼに収束していく。
【戦争が始まって以来「ぺこたす」の心は「シゼ」に集中して行き「あたし」から離れていく】
「静かにね」笑顔で君は、いつものように。
あたしが、ねえ ずっと泣いているから、耐えるのでしょう?
【「ぺこたす」は笑顔で「あたし」に「静かにね」と言う。というのも「あたし」がいつまでも泣き止まないから。】
「キミを、ずっと、抱きしめてるよ」服の下には、似顔絵が。
本当はね、知っていた、キミのその笑顔
怖いから、奥歯を、食いしばる。
【「ぺこたす」は戦闘服の下に「あたし」の似顔絵を納めて微笑んでいる。でも「あたし」は知っている本当は怖いのを我慢して微笑んでいるんだ。】
ヘンレケは獰猛なうなりをあげ、座席の貴方はきっと涙をこらえる必要は無い。
なぜなら、もうあたしには高すぎて見えなくなってしまうのだから…
【「ぺこたす」は獰猛な敵ヘンレケと戦うため飛び立っていった。もう上空に飛んでいったから涙を隠す必要は無い。】 「静かにね」笑顔で君は、いつものように。
あたしが、ねえ ずっと泣いているから、耐えるのでしょう?
「キミは、ずっと覚えていてよ」頭 ふれる 小さな手に触れ
本当はね、知っていた、胸が詰まるほどの。
貴方は強い人でした…
【あなたはこれから起きる戦いの怖さを押し殺して微笑んで、「あたし」の頭に赤い花をつけて出発していった。】
貴方は大声を上げて、機体を震わせていますか?
貴方は、押し付けられた目標に達することが出来ましたか?
【あなたは敵を倒すことができたでしょうか。あなたは、本当は戦闘に行きたくなんか無かったのに。】 「あたしはもう なにも いうことが できない」
赤い花は、枯れるまで、
頭から外しません。