渦の道~Un vorticoso modo~

サッカーJリーグディビジョン2の徳島ヴォルティスについて語るブログ

進化の兆し

2006-06-04 13:58:07 | Weblog
昨日は負けたショックですっかり体調が悪くなってしまい、物凄い投げやりチックな感想に止めてしまいましたが、改めて試合を振り返っておきたいと思います。

今朝の新聞見出しは《徳島 善戦も●》でした。ちなみに1面トピックスでは《仙台に惜敗》でした。

当日の天候は晴れながらも気温16度(試合中には17度台まで上がりましたが)とウチから言うと季節逆戻りしたかの様な寒い中行われた訳ですが。芝の状態は良好、観客数は流石の14160人!!黄色く染まったスタジアムは折りしもロペスのBD祝賀ムードで一杯。詰め掛けた観客達も殆どがBDゴールを期待して行っていたと思うのですが。

ウチのスタメンは予想と変わらずハジと小林の2トップ。しかし驚いたのはサブが4人だった事。別に連れて行ける人材が居なかったという事ではなかろうと思うのだが…(一部その様な指摘もされていましたが;)発表のない部分で細かい故障で出られないとなるとかなり台所事情は厳しいな。FW2枚にDF天羽が久々のベンチ入り、そしてノリヲという事でMFが居なかったんですがね、昨日は。あくまでも監督の戦術構想による人選だったと思いたい。

総評としては試合全般を通して気迫のこもった守備をみせていたという点をまず評価。相手3トップには大場、井手口、岡本がビッタリマンマークで張り付いて仕事をさせない作戦に。前半だけでも6本のシュートを3人に打たれたがDの寄せと島津がゴールを堅守。

監督もこの辺りは狙い通りだった様でハーフタイムに守備面はそのままに攻撃でのチャンスを狙っていく様指示を出し。

後半も守備といった面では十分に機能していたと思います。相手にとってはイヤ~な張り付きやったろうなと。しつこく泥臭く食いついたと。実際何度も相手FW陣が天を仰ぐ様なシーンが見受けられましたし。しかし、後半の中盤28分に中央でチアゴネーヴィスに逆に粘って粘って粘られ。ウチのD陣も囲みに行ったのですが体を反転させてDFをかわすという個人技に振り切られ突破、シュート迄持ち込まれる。このシュートも一旦は島津が防いだものの弾いた所に逆サイドから詰めてきていた完全にフリーの梁に押し込まれ失点。

残り15分余りでの失点に2点取らなくてはいけなくなったウチは3トップへのマンマークを解いて通常の攻守シフトに変更。得点を狙ったが終了間際の同点を警戒した仙台サイドは守りを固め、とうとうフィニッシュを決めることは出来ず。

攻撃面で振り返ると2トップと玉乃の3人+センターボランチの伊藤である程度有効な攻撃の形を作る事は出来た。シュート数も12本と2桁に乗せた。唯、ハジのヘッドのシーン(GK真正面でキャッチされる)に象徴される様に又も精度を欠いてしまった。最後まで攻め切る、詰め切るといった作業をしっかりとまっとう出来なければ得点は生まれない。守りを重視する今のスタイル、更に今回の様なマンマークの徹底という戦術においては、この少ないチャンスを如何に確実に決められるかという攻撃陣に対する役割の重要性は言うまでもない。今季9度目の無得点という結果にやはり決定力というものについて再認識しないといけないなと。

試合後、監督は「選手達は力を出し切ってくれた。」と守備の充実に一定の評価を示した。唯、敗戦という結果には勿論、納得いく訳はなく、ハジは「前の3人で攻撃するという時間帯が多かったのでそこで決め切る力を高めたい。」と自戒を込めて述べた。小林は「久しぶりの出場だったのに負けてしまった。攻撃陣が確実に点を決めなければいけない試合だった。」と反省の弁。島津も「こういった試合で強いチームなら引き分けに持ち込むか、あるいは逆転して勝つ。そういった意味ではウチはまだ発展途上といえるのかもしれない。」と述べたが、同時に「雰囲気は良くなってきた。」と語りチーム自体が上向きになって来ている事を示唆した。

更に尾上の交代で入った石田も練習試合でしか経験してないLSBをしっかりとこなした事、大場の従来のイメージとは正反対の守備的な起用での充実と本来のポジション以外でもきちんと仕事が出来た選手が高く評価されていた。この起用について大場は「勿論本来のWとしての動きは自分の持ち味のひとつではあるが、その時その時で、監督から求められる役割をきっちりと果たしていく事の重要性を認識している。」と語り頼もしさを感じさせた。

試合後、仙台のサンタナ監督にも「これほど勇敢なプレーをシーズン通してやっていれば徳島は今の位置には居ない筈だ。」と言わしめた守備の充実。これにあとは本当に決定機を決めるという作業だけが課題として残されている。この点でやはりハジの出来について避けて通る事は出来ない。自分のイメージと動きが一致していないのか?いい所にいいタイミングで詰めてきた後のボールのコントロールが現在の所、しっくりと来ていない様子なのだ。

前線でのキープ力やカバーエリアの広さ等常に安定した力を発揮していて、しかも故障が少ない。ウチには欠かせない人材だけに今後、どの場面で得点力のきっかけを掴んでくれるのか、非常に気になるし、一刻も早く先ず1点を、という気持ちが起こってしまう。彼の充実なしにウチの決定力のアップは語れない。それだけに。

小林の場合は粘って粘って持ち込んで、というよりも速いパス回しからの素早い前線への飛び出しといった役割を期待したい。タクトはいささか出場時間が短くなかなか結果にはこれまで結びついていないが、今節の場合でいうと、玉乃×タクトという組み合わせはなかなか面白い展開が出来るのではないかと期待する部分もある。

同じFWといってもひとりづつタイプが違うので、その辺りを上手く生かした役割分担や攻撃の組み立てを更に工夫していく事で決定力という緊急課題に対するひとつの道筋も見えてくるのかもしれない。又それぞれの違いというものを発見する事で観る側も楽しみ方が増えていくのではないかという気がする。

勿論勝敗には大いに拘る所ではあるが、個人力が高く攻撃力のある相手に対しての戦略といったゲーム内容そのものの出来にも興味は尽きない。そういった意味では今節の戦い方には一定の評価は出来る。ま、敗戦したという結果についてはしっかりと受け止めなければならないとは思うけれども。

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