Kou Farm

畑の話と日々の雑談

話してみた

2017-01-19 21:29:26 | 日々の事
以前からそうなのですが 直売所など小売店に野菜を出す場合
野菜の入った袋に ちっちゃなラベルを貼ります
伝えたい情報を最低限入れられて かつ 野菜を見る邪魔にはならない大きさ
具体的には縦33.9mm 横66mmです

試行錯誤の結果 次の文言を入れてます
無農薬
無化学肥料
堆肥で育った野菜

最初はもっと形容詞が入った装飾性の高い文面でしたが
誰が見ても分かり易く 誤解を招くような表現を排除した結果こうなりました

しかし

先日 ある方面からクレームがきました
無農薬 無化学肥料 という表現は使ってはいけないはずだ との事

そんな法律ができたのか?と 農林水産省と消費者庁の担当者に電話で確認してみました
おそらく農林水産省(以下 農水省)のガイドラインにある表示禁止事項に 無農薬栽培 無化学肥料栽培が
掲載されている事を言ってるのでしょう

まず勘違いしてはいけないのは ガイドラインは法律ではなく 強制的な効力は無い事
その事は農水省のホームページに明文化され掲載されています
しかるに罰則は有るはずもない
思い出したのですが この辺の勘違いは農協職員でもたまにあります

ちゃんと調べもせずに ちゃちゃを入れてくる事に少々不愉快ではあったのですが
そもそも 何故こんな勘違いされやす仕組みを作ったのかと思い 翌日 再び農水省の担当と話をしてみました(我ながら暇な人だ 笑)
残念ながら担当は成立時には関わっていなかったので正確には分からないようでしたが
このガイドラインは消費者保護の視点からできていて 誤解を招くような表現は控えて下さいという事
なので 無農薬無化学肥料なら 『栽培期間中農薬化学肥料不使用』となる
何が違うのか と思う方もいらっしゃるかと思います そもそも農水省では無農薬の定義が無い 或いはできていない
ので正確性を求めるとこうなる
これが霞が関文学でしょうか?(笑)

無農薬の無とは?・・存在そのものが否定される事?
期間中 不使用とは?・・期間外なら使ってもいいの?じゃあ期間て何時から何時まで?
つっこもうと思えば いくらでも突っ込めます

しかしですねぇ~ そんな事考えながら買い物してたらお店が閉まってしまいます
買い物しているお客さんは そんなに暇ではありません(笑)
短い人なら数秒で選ぶでしょう それでも商品(野菜)の情報を伝えようとすれば 分かり易くシンプルな表現になります
上の3つの記載事項は 思い付きではなく ポンコツな頭とはいえ それなりの試行錯誤を経ているのです 

また 『栽培期間中・・』を『おらの畑では農薬も化学肥料もつかあねェべよ』に変えたらどうなるの?と聞いてみました
販売戦略として 地方色を打ち出すのもいけないのか

また 消費者に誤解を生むというのなら ヒット曲の歌詞はどうなるの どのようにも解釈できるはず 拡大解釈すれば同じ事
とも聞いてみました

農水省の担当者:「う~ん・・そうですねぇ・・」


まぁ 舌足らずではありますが 色々話してみました
最後に 現場の事情から離れて ただ統制を目的にすれば 表現の自由にも抵触し
場合によっては危険な事になる と伝えました

弱小百姓の世迷言は大海に小石どころか米粒を投げるようなものかもしれませんが
国のルールとはいえ絶対ではありません
また特定の誰かを利する事でもありません
時には 言うべき事を言うのも必要なのかもしれませんねぇ~
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