埼玉県の県北に、埼玉県立熊谷女子高等学校という前身(高等女学校時代)からほぼ100年の歴史を誇る名門校がある。朝そこの生徒が電車に乗っていた。
部活動の試合なのか、ジャージのままで。一生懸命本を読んでいた。
ジャージの背中に英語でロゴがついていた。
Kumagaya Girls' Upper Secondary School
ああ、熊女(通称である、「くまじょ」であって「くまおんな」ではない)は、High Schoolを名のっていないんだなって思った。
Upperは上級の、Secodaryは第2段階のという単語。両方併せて、通常「後期中等教育」を表す語として使われている。
Lower Secondaryならば、「前期中等教育」を表す語だが、中学校の名称でこれを名乗っている学校は、少なくとも公立では見たことがない。
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県立学校の名称は、埼玉県の「埼玉県学校設置条例」に定められている。
名称:埼玉県立〇〇〇高等学校
位置:埼玉県〇〇〇市〇〇
基本的にはこれだけ。開設学科、定員等はまた別の規則(埼玉県立高等学校通則)による。
条例では住所のことを位置という。これなんかも業界用語かもしれない。いずれにしても学校の英語名称は条例には規定されていない。
でも、通常県立高校はそれぞれ、Saitama Prefectural ++++++ High School / Senior High Schoolと名のっている。これは、慣例、学校が職員会議などで議決している場合、学校の学則(学校の基本規則)で、「英語により本校の名称を記載する際は〇〇〇〇とする。」等と決めている場合がある。慣例の場合は、時々書類でHigh Schoolと混在している場合もある。職員会議の議決は校長が最終決裁責任者なので、校長が認めたことになり、学則の場合は教育委員会に届出て承認を受けなければならないので、認められれば教育委員会の認めたものとなり、かなり公的な性格を帯びることになる。
県内の県立高校で旧制女学校の流れをくむ学校のウェブサイトを見ても、Upper Secondaryを名のっているとことは見あたらなかった。
オリジナルでなかなかかっこいいぞ、さすが県北の伝統校、熊女。
なお、伝統校というほどの歴史ではないが、県南(戸田市)に南稜という高校がある。ここはSELHi(Super English Language High School)になるような学校だけど、この学校が開校以来Nanryo Upper Secondary Schoolと名のっている。