読売新聞の書評に、大人気の警察小説、21世紀の「87分署」
シリーズと絶賛されており、早速、読んでみた。
警察小説で、「87分署」という名前は、知っているが、実は、
読んだことはない。しかし、結構、警察小説は、面白い。
間違いはないと思っている。
図書館で、借りだすと、すぐに予約が入っており、もしかしたら、
私以外にも、読売新聞の書評で、選ぶ人がいるのではないかと
思い、ちょっと、親近感を覚えた。
さて、この作品は、何とも、素晴らしい作品なのだ。
イタリア的とも言える人間模様ながら、その複雑な構成、よく
計算された構成には、驚かされる。
あるときは、それぞれの登場人物の挿入話が入っていたり、
警察小説とは思えない美しいとさえ思わせる詩的な文章だったり、
また、あるときは、粗雑な人間のいがみ合いや、執着や嫉妬が描かれる。
ストーリーは、単純とも言える誘拐事件が、大きな幹となって
いるが、周りには、さまざまな事件がからんでくる。
そして、最後の終わり方は、驚きの一言である。