ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

P分署捜査班 誘拐(マウリツィオ・ジョバンニ)

2021年08月29日 | 海外ミステリー(和書)

読売新聞の書評に、大人気の警察小説、21世紀の「87分署」
シリーズと絶賛されており、早速、読んでみた。

警察小説で、「87分署」という名前は、知っているが、実は、
読んだことはない。しかし、結構、警察小説は、面白い。
間違いはないと思っている。

図書館で、借りだすと、すぐに予約が入っており、もしかしたら、
私以外にも、読売新聞の書評で、選ぶ人がいるのではないかと
思い、ちょっと、親近感を覚えた。

さて、この作品は、何とも、素晴らしい作品なのだ。

イタリア的とも言える人間模様ながら、その複雑な構成、よく
計算された構成には、驚かされる。

あるときは、それぞれの登場人物の挿入話が入っていたり、
警察小説とは思えない美しいとさえ思わせる詩的な文章だったり、
また、あるときは、粗雑な人間のいがみ合いや、執着や嫉妬が描かれる。

ストーリーは、単純とも言える誘拐事件が、大きな幹となって
いるが、周りには、さまざまな事件がからんでくる。

そして、最後の終わり方は、驚きの一言である。


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