THINKING ECO

考えよう!環境問題
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COP/MOP

2008-02-29 | 環境問題
【COP/MOP】という用語をご覧になったことはありますか。
【COP】は締約国会議「Conference of the Parties」の略です。多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されています。気候変動枠組条約の締約国会議は【COP-FCCC】と言います。

【MOP】は「締約国会合」と言い、「the meeting of the Parties」の略です。
【COP/MOP】は、正式には「締約国会合として機能する締約国会議」と言い、「Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties」の略です。京都議定書に関することを審議するための会合で、COPの一部として開催されています。

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的に作られた「気候変動枠組条約」を締結しているのは、平成19年8月現在、191カ国及び欧州共同体です。また、先進国から排出される温室効果ガスの具体的な削減数値目標や、その達成方法などを定めた「京都議定書」を締結しているのは、アメリカは不参加を表明しており、平成19年12月現在、176カ国及び欧州共同体がです。

このように、「気候変動枠組条約」と「京都議定書」の締約国は必ずしも一致しません。そのために、京都議定書には別の最高決定機関が必要となりました。しかし、条約と議定書のメンバーはほぼ重複していますから、それぞれ別の日に会議を開いていたのでは効率が悪いため、京都議定書の場合には、条約のCOPが議定書のMOPを兼ねることになりました。そこで、COP/MOPと呼ばれているのです。

2005年カナダのモントリオールで、気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)と京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)が開催されました。

気候変動枠組条約

2008-02-27 | 環境問題
環境問題を考える上でのキーワードのひとつに「気候変動枠組条約」があります。英語では「Framework Convention on Climate Change(FCCC)」と言います。

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて署名が開始され、1994年に発行しました。平成19年8月現在、191カ国及び欧州共同体が締結していいます。

「COP」という言葉もよく出てきます。COPは締約国会議(Conference of the Parties)の略で,環境問題に限らず,多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されているものです。たとえば、気候変動枠組条約の締結会議はCOP-FCCC、生物の多様性条約(CBD)の締結会議ではCOP-CBDとなります。

1997年、気候変動枠組条約の第3回締結会議(COP3)で、法的拘束力をもった温室効果ガス削減のための京都議定書が採択されました。アメリカは不参加を表明しましたが、2004年にロシアが参加したことで、2005年に京都議定書が発効しました。これには、平成19年12月現在、176カ国及び欧州共同体が締結しています。


ガソリンの燃焼で発生するCO2

2008-02-26 | 環境問題
ガソリン価格の高騰が続いていますね。
「1リットル??円」って気になりますが、「1リットルで、CO2??リットル」って考えたことがありますか。

皆さんもご存知の通り、
自動車はガソリンを燃やした時に発生するエネルギーを使って動く仕組みになっています。雑誌「ニュートン」の記事にあったのですが、

重さで考えると、ガソリン1リットルが燃焼すると、約2.3kgの二酸化炭素が発生するそうです。
体積で考えると、ガソリン1リットルが燃焼すると、約1170リットルの二酸化炭素が発生するそうです。

【1リットルで、約2.3kgCO2】
【1リットルで、約1170リットルCO2】ということです。

環境省は、「めざせ!1人、1日、1kgCO2削減」と呼びかけています。
お出かけの時、公共交通機関をご利用になってはいかがでしょうか。

温室効果ガスの種類とその強さ

2008-02-25 | 環境問題
ほとんどの気体には大なり小なり温室効果があるそうですが、京都議定書では、下記の6種類のガスを排出削減の対象としています。

温室効果の強さは、ガスの種類によって異なり、赤外線の吸収能力が高いほど、大気中に残っている期間(寿命)が長いほど、強くなります。また、温室効果の強さは、二酸化炭素の温室効果を「1」 とする「地球温暖化指数(GWP)」で表しています。

1) 二酸化炭素(CO2):大気中の寿命 - GWP=1 化石燃料使用することによって増加してきました。

2) メタン(CH4):大気中の寿命=12年 GWP=25 農業、天然ガスの輸送、ごみの埋め立てなど、人間活動の結果として増加してきました。

3) 一酸化二窒素(N2O):大気中の寿命=114年 GWP=298 肥料の使用や化石燃料燃焼のような人間活動により排出されます。

4) ハイドロフルオロカーボン類
例)CFC-11(CCl3F):大気中の寿命=45年 GWP=4750 いわゆるオゾン層を破壊するフロンガス のことです。

5)パーフルオロカーボン類
例)HCFC-22(CHCl2F):大気中の寿命=12年 GWP=1810 いわゆる代替フロンガスのことです。

6)六ふっ化硫黄(SF6):大気中の寿命=3200年 GWP=23900 絶縁装置の絶縁ガスなどに使用されています。 

1kg のメタンは、25kgの二酸化炭素と同じ温室効果を持っています。温室効果の強さだけを比べるメタンや一酸化二窒素の方が、二酸化炭素と比べかなり強いことがわかります。しかし、二酸化炭素の大気濃度は、メタンの213.6倍、一酸化二窒素の1188倍もあります。

大気中の濃度や寿命を考えると、六ふっ化硫黄などの微量ガスも含め、排出削減対策を急いで進める必要性があるようです。
        (参考:国立環境研究所 地球環境研究センター資料)

永久凍土の融解

2008-02-24 | 環境問題
北海道大学の気候変動分野の研究によりますと、永久凍土の存在する地域の多くは、地球上で最も温度上昇が大きい地域だそうです。

また、この地域では、温暖化が原因で起こる火災、森林開発に伴う火の不始末と考えられる火災などが頻発し、1996年のモンゴル北部からシベリア南部にかけての大火災では約3万平方キロを焼失したそうです。

永久凍土の融解は、このような急激な温度上昇や森林火災が原因によって引き起こされています。さらに、この永久凍土の融解は、さまざまな現象を引き起こしているのです。

降水量が非常に少ないシベリアでは、地下に永久凍土という形で水分が存在していますから針葉樹林が育っていました。しかし、その針葉樹林が伐採や火災で消滅したところでは、直射日光が届くようになり、永久凍土が融け出し、閉じ込められていたメタンガスが放出されるようになります。

メタンガスは、二酸化炭素の20倍以上の温暖化効果があると言われています。メタンガスの放出で益々温暖化が進むことになります。

国土の3分の2が永久凍土というモンゴルでも、永久凍土の融解が起っています。過去8年間で最大2メートルも凍土が減少したそうです。国立環境研究所などは、首都ウランバートル市周辺の永久凍土は、20年後には消滅し、草原は砂漠化する可能性が高いと報告しています。

永久凍土

2008-02-23 | 環境問題
地球温暖化問題でクローズアップされている「永久凍土」、学校で習ったことがありましたね。

永久凍土というのは、夏でも地中の温度が0℃以上にならずに、地中の水が凍ったまま残る状態のことを言います。アラスカ、シベリア、カナダなどに広がっていますが、シベリアのヤクーツクでは永久凍土の厚さが500mにも達しているそうです。

その面積は、地球の陸地の14%を占めると言われています。森林の面積は陸地のおよそ30%ですから、世界の永久凍土地帯の面積は、世界の森林面積の半分くらいということになりますね。そう考えるとかなり広い面積ですね。

また、永久凍土の存在する地域の降水量は、砂漠なみに少ないそうです。夏には地表近く氷が融け、湿原ができたり、植物が生育し、草原ができたり、カラマツの疎林ができている地域もあります。そして、永久凍土の中には、死んだ植物が分解される時に作られたメタンが大量に蓄積されているのです。

今、地球温暖化によって、永久凍土が融け始めています。そしてこの永久凍土の融解が、更なる世界的な温暖化を引き起こすと考えられているのです。

ダイポールモード現象

2008-02-22 | 環境問題
インド洋のダイポールモード現象は、1999年に、日本の海洋研究開発機構と東大の海洋観測グループによって発見されました。海がもたらす異常気象、気候変動のかなりの不明部分が解明し、世界的な話題を呼びました。

この現象が発達すると、インド洋東部の海面水温が異常低下し、逆に西部の海面水温が異常上昇、大気変動を経由して、世界各地に異常気象をもたらします。2007年には、インドネシアとオーストラリア西部では旱魃が発生し、ケニアを中心とした東アフリカにおいては大洪水頻発、日本では西日本から沖縄にかけて猛暑となりました。

米ワシントン大学の研究グループの研究によると、世界の海面温度はこの約50年間で約0.5℃上昇したそうです。一般に海水は空気に比べて約1000倍もの熱を蓄えることができるそうです。そこでこの海水温の上昇分を大気で考えた場合、なんと約40℃も上昇することになります。わずかだと思われる0.5℃という温度上昇は、じつは膨大なエネルギーの吸収を意味しているのです。そしてこのエネルギーの一部が強い台風やハリケーンを多発させると考えられています。

地球の表面積のほぼ4分の3を占める海は、気温の変化やCO2濃度の上昇などを緩和する働きを持っています。しかし、今、海の温暖化が大きな気象変動を引き起こしているのです。

エコセメント

2008-02-19 | 環境問題
地域によっても異なりますが、可燃ごみの焼却灰が、処分場で埋め立て処分されるごみの多くを占めています。この可燃ごみや下水汚泥の焼却灰が主原料となって、新しいタイプのセメントが造られています。エコセメントと呼ばれ、道路の側溝、縁石、ブロック、ベンチなど、さまざまな用途に使われ、エコマーク商品としても認定されています。可燃ごみ焼却灰のリサイクルです。

焼却灰には普通セメントに必要な成分が含まれています。製造の際、1300℃以上の高温で焼成するため、廃棄物に含まれるダイオキシン類などの有機化合物は、水、炭酸ガス、塩素ガスなどに分解されて無害化されます。重金属も回収処理され、製品についても、酸性雨を考慮したテストなどが行なわれ安全性が確保されています。

最近では、ダイオキシン類に汚染された土壌をエコセメントの原料として使用する取り組みも行われています。

ゴミ処理場を管理する行政とエコセメントを製造する企業の、新たな循環型社会の構築への取り組みが始まっています。

モーダルシフト

2008-02-18 | 環境問題
モーダルシフトは、本来は交通・輸送手段を変えることですが、CO2排出量を削減するために、貨物輸送をトラックから船や鉄道利用に転換する意味で広く用いられています。

2005年のデータによると、日本の運輸部門のCO2排出量は年間約2億5200万tで、全排出量の約2割を占めています。このうち約9割が自動車によるものです。

1トンの貨物を1㎞運ぶときのCO2の排出量は、鉄道はトラックの1/8、海運は1/4しかありません。貨物輸送の方法を転換することで、鉄道利用では87%、海運利用なら75%もCO2排出量を削減することができるのです。こうしたことから、地球温暖化対策としてのモーダルシフトの重要性が高まっているのです。

大量の幹線貨物輸送をモーダルシフトした場合、二酸化炭素の排出量削減だけでなく、エネルギー節減、窒素酸化物の排出抑制、道路交通騒音の低減、労働力不足の解消などのメリットが期待されます。しかし、デメリットもあり、コンテナ列車、コンテナ船の増強、ターミナル駅、港湾の整備などが必要となってきます。

多くの輸送に関わる企業が、モーダルシフトに熱心に取り組んでいます。その一例として佐川急便の取り組みがあげられます。佐川急便は、R貨物と共同で世界初の特急コンテナ列車[スーパーレールカーゴ」を開発しました。これは、最新の駆動・制御システムにより、最高時速130kmで東京-大阪間を約6時間で走り、貨物列車としては最速を誇っています。この「スーパーレールカーゴ」は、平成16年度エコプロダクツ大賞のエコサービス部門で国土交通大臣賞を受賞しました。

ふゆみずたんぼ米

2008-02-17 | 身の回りのこと
「ふゆみずたんぼ米」って、可愛い名まえですね。
宮城県北部の蕪栗沼(かぶくりぬま)周辺の水田で作られるお米の名まえです。「冬期湛水水田」と言って、秋の収穫後、田んぼに水を張り、冬の間も水を張った状態にしておく耕作方法で作られることから、このような名前が付けられたそうです。

もともと、蕪栗沼(かぶくりぬま)は、国の天然記念物マガンを中心とする渡り鳥の宝庫でした。そこに、冬の間、落穂を残し、田んぼを耕さないまま水を張った「ふゆみずたんぼ」が加わり、渡り鳥のねぐら、餌場、休憩所が広がり、マガンの飛来数では日本最大の越冬地になりました。

また、「ふゆみずたんぼ」には、「土づくり」「抑草効果」というふたつの大きな効果があるそうです。水が張られた田んぼの中に棲む菌類やイトミミズによって、「トロトロ層」と呼ばれる栄養豊かな土壌が作られ、その「トロトロ層」下にある雑草の種は発芽できないで死滅してしまうそうです。

田植えをした後もイトミミズは増え続けるそうで、結果として肥料なしで稲は育ち、雑草が生えないので、農薬も不要になります。また、農薬を使わない田んぼには『くもの巣』が一面に広がります。この『くもの巣』は、田んぼにやってくる虫を駆除してくれるのです。

こうして栽培された「ふゆみずたんぼ米」は、無農薬で環境にやさしい安全なお米として市場でも高い値段で販売されます。

「蕪栗沼(かぶくりぬま)・周辺水田」は、2005年ラムサール条約による登録されました。生き物を呼び寄せ、その力を活かし、持続可能な農業を目指しており、環境・農業の両面から全国的に注目を浴びています。