THINKING ECO

考えよう!環境問題
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国境線が変更!?

2009-04-08 | 世界のこと
気候変動で国境も変動・・・

マッターホルン(Matterhorn)は標高4478mのスイスとイタリアの国境に位置する山。
つまり、このマッターホルンの氷河の尾根がイタリアとスイスの国境線の目印というわけです。

ところが、地球温暖化の影響で氷河が融け始めているため、目印がなくなることも予想されています。
そこで、新たな目印として地表の岩の尾根が考えられています。

国境線の変更などと聞くと、国境紛争や天然資源の争奪などの難しい問題が浮上してきそうですが、幸いどちらの国にも問題が大きな影響はないとのこと。

そっと、胸を撫で下ろしました。

マップ
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&q=%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%B3&lr=&um=1&ie=UTF-8&split=0&gl=jp&ei=nDXcSc3DLIbq7AONl62tDA&sa=X&oi=geocode_result&ct=title&resnum=1

バーチャルウォーター(2) 牛丼1杯に水2000リットルが必要!

2008-08-20 | 世界のこと

私たちは、「湯水のごとく・・・」という例えがあるように、「水道の蛇口をひねればいつでも当たり前に『水』を手に入れることができる」と考えていませんか。

 

日本は、年平均降水量は主要先進国の中では4番目、世界平均の2倍です。ところが、1人当たり年降水総量でみると、世界の1人当たり年降水総量の3分の1程度です。再生可能な水資源量で考えると、世界平均の6分の1、世界では82番目だそうです。

 

では、なぜ、こんなにふんだんに水を使うことができるのでしょうか?それは、1つには、日本には自然の湖、農業用のため池、人工ダムなどがあるからです。2つ目には、食糧の約6割を国内で生産せずに、海外から輸入しているからです。

 

海外から食糧を輸入するということは、水を海外に依存していることです。上下水道が整備されていて、一見、日本の水資源は豊かに見えます。ところが、自国の水だけでその豊かさを賄っているわけではなく、見えないところで大量の水を輸入しているのです。

 

 「バーチャルウォーター(VW)」「仮想水」の考え方ですね。最近では、食料の輸出入による世界の水資源への影響を示す指標として使われるようになってきているようです。

 

東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は、牛丼やハンバーガーなどのVWを試算しています。牛丼1杯を生産するのに必要なVWは約2000リットルだそうです。

 

オーストラリアは100年来といわれる旱魃に見舞われ、米国では穀物の栽培に大量の地下水を利用してきたため、水不足や地盤沈下が問題となっています。

 VWという考え方で水をとらえると、水資源の問題は、グローバルな視点での議論や行動が必要であることがわかります。

 

*仮想水計算機:http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html  環境省が提供しているもので、フォームに入力するとバーチャルウォーター量が 表示されます。

*バーチャルウォーターMENU:http://v-water.jp/index.php?com=menu

*バーチャルウォーター(1):http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080121


バチカン市国のカーボンニュートラル化

2008-07-19 | 世界のこと
カトリック信者10億人の総本山バチカン。バチカンは国全体が世界遺産に登録されている世界最小の国家です。国土の面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドのテーマパークエリアは0.51平方キロメートル、皇居は1.15平方キロメートルですから、その広さは容易に想像していただけると思います。

そのバチカン市国はカーボンニュートラル化を進めています。

カーボンニュートラルというのはCO2の増減に影響を与えない性質のことです。
バイオエタノールのような植物由来の生物の燃料は、燃やすとCO2が出ますが、植物は成長過程で光合成によりCO2を吸収していますので、ライフサイクル全体でみるとCO2の収支はゼロ、カーボンニュートラルであると考えられます。

また、事業活動などで排出されるCO2を、植林によって吸収させ、実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのことも、カーボンニュートラルと呼ばれています。

バチカンは、ハンガリーの新興企業クリマファからの寄贈を受けました。
クリマファは、ハンガリー中央部の0.15平方キロメートルの区画に植林し、かつてそこにった森を蘇させ、バチカン市国で一年間に車や暖房などによって排出されるCO2を吸収させるという取り組みを行っています。

そのバチカン市国は昨年2007年の9月に世界で初めてカーボンニュートラルな国になました。

資源ナショナリズム

2008-06-15 | 世界のこと
資源価格の上昇を背景に、石油や鉱物資源などの産出国が自国資源を囲い込み、影響力を高めようとする動きがあります。これを資源ナショナリズムといいます。

穀物価格の高騰により、生産国は穀物を「戦略物資」とみなし、輸出を規制したり、自国の消費を最優先する「食糧ナショナリズム」が問題になっていますが、資源においても同様のようですね。

ベネズエラのチャベス大統領は外資による石油生産を国営石油会社との合弁に移行させるなど、資源の国家管理を強化しつつ、中南米の友好国に対しては自国産の石油を低価格で提供しているそうです。

鉱物資源大国になった中国も、内需に充当するためとしながらも輸出を絞り込み、消費国を支配しようとする本音が見え隠れしているそうです。

ロシアも石油輸出国機構「OPEC」非加盟国に中では、最大の生産量をもつ石油などを中心に対外的な影響力を拡大しつつあります。また、埋蔵量で世界最大の天然ガス分野では、イランと共に「ガス版OPEC」結成の構えも見せているそうです。

では、資源小国日本はどうすれば良いのでしょうか。
日本が中東で自主開発した「日の丸石油」の割合は低下し、サハリン開発もロシア主導で進んでいます。資源小国日本にとっては、将来の資源需給をにらみ、「次のパートナー」「次の素材」を早めに探しておくことが早急の重要な課題のようです。

今、次の素材として期待されているものに、日本近海に眠る天然ガスの成分のメタンがシャーベット状になった「メタンハイドレード」や、アメリカでのオイルシェール(油分を含む岩石)などがあります。

食糧サミット

2008-06-02 | 世界のこと

福田康夫首相が、3日からイタリアで開催される食糧サミットに出席します。フランスのサルコジ大統領、ブラジルのルラ大統領など約190の国・地域の元首や閣僚らが参加するそうです。

 

食糧サミットは、国連の専門機関のひとつである国連食糧農業機関(FAO)が開催しています。1996年には186カ国が参加して、世界の飢餓撲滅のため世界食糧サミット開催されました。2002年には179カ国・EUの代表が参加し、2015年までに飢餓人口の半減目標が再確認されました。しかし、現実には、飢餓人口は増え続け、今では、1日あたり24000人が餓死しています。

 

今回のサミットは、国連緊急援助調整官室(OCHA)などが、食糧価格の高騰によって世界各地で暴動が起きていることに対処するため、各国首脳が参加する食糧サミットの開催などを盛り込んだ「地球規模の食糧課題」と題した提言書を潘基文・国連事務総長に提出、開催の運びとなったようです。

 

世界銀行のゼーリック総裁は、「世界では60億の人々が食事をするのに十分過ぎる食料が生産されている。問題は食料が平等に分配されていないことだ。」と話しています。また、FAOのディウフ氏は、「誰もが食料を得る権利を保障されている」と訴えています。

 

牛肉1kgの生産するために飼料穀物11kgが必要だそうです。メタボ対策が叫ばれる昨今、食生活を改め、食料を途上国などに回せば、少しは飢餓を救えるかもしれません。私たちにもできることがありそうですね。

この食糧サミットでは、バイオ燃料、食糧輸出規制、支援のあり方などいろいろな分野で食糧危機打開策が検討されます。

 

 国連食糧農業機関(FAO):http://www.thinking-eco.net/term_ka-fao.htm


「U2」ボノさん

2008-05-28 | 世界のこと

アイルランド出身でロックバンド「U2」のボーカル、ボノさんの記事が今朝の新聞に載っていました。早速、動画配信に接続、歌を聞いてみました。歌の力強さもさることながら、全身から大きな大きなエネルギーが放たれているのを感じ、引き付けられ、見入ってしまいました。

 

ボノさんは、今日から横浜で開催されています「アフリカ開発会議(TICAD)」に参加するためにロック歌手のボブさんと共に来日。福田首相や「MOTTAINAI」でご存知の方も多いノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんを始め、多くの方とお会いになるそうです。

 

20年以上もアフリカ支援に取り組み、90年代末には、貧困国の債務削減を求める国際的な運動である「ジュビリー2000」に参加しました。彼はローマ法王やクリントン米大統領と個別に会見をし、ジュビリー2000への支援を取り付け、1999年のケルン・サミットでは、ヒューマン・チェーンの輪に加わり、「貧困国の債務削減」という馴染みの薄い、難しい問題に対して積極的なアピールを行っています。

 

2002年にはアフリカにおける貧困やエイズ・貿易の問題に取り組むためにNGO「DATA」の設立に関わり、全世界の市民が貧困削減を呼びかけるONEの活動も推進しています。

 

G8諸国の首脳らと直接対話して貧困国の債務削減を訴えるなど、精力的な活動をアフリカ支援拡大に奔走しているボノさんですが、「開発途上国が直面している最大の問題は、マラリアやエイズといった病気ではなく、政府の汚職問題などの腐敗である。援助額を増やそうとするときは必ず汚職問題に関して条件をつけなければならない。」とも話しておられました。

 

昨日、ボノさんに、慶応大学から名誉博士の称号が授与されました。

 

ONE活動:http://www.one.org/jp/

エコ辞典:http://www.thinking-eco.net/index.htm


コッツウォルズとナショナル・トラスト運動

2008-05-25 | 世界のこと

今夜、TBSの「世界不思議発見」で放送されたコッツウォルズの美しい田園風景、産業革命の頃に造られた石炭運搬ための運河をのんびり往くナローボート、その傍の白鳥の巣。すべてが絵本からとび出してきたような景色でしたが、実はこれが絵本の挿絵の原型になった景色であり、今のこの時代にも保存・公開されていることに驚きました。

 

イギリスでは、アイルランドに27万ヘクタールを超える美しい田園地帯と960キロメートルもの優れて美しい自然海岸線、300ヵ所以上の歴史的建造物、230以上の庭園が保有・公開されており、コッツウォルズもそのひとつです。

 

今もこれらの景観を見ることができるのは、ナショナル・トラスト運動に依るところが大きいようです。1895年に設立された英国の環境保全団体「ザ・ナショナル・トラスト(The National Trust)」は、美しい自然や景観を永久に守るためにその所有者となって管理をしている団体です。自然環境や貴重な歴史的建造物が失われていくのを防ぐため、一般の人々からの寄付金を募って保存地を買い取り、後世に残していこうというものです。

 

「ピーター ラビット」の著者べアトリックス・ポッターもナショナル・トラストの自然保護運動にも参加し、湖水地方の所有地をナショナル・トラストに寄贈しました。イギリスの首相を勤めたチャーチルも自宅を寄贈しています。

 

日本では、1968年に(財)日本ナショナルトラストがイギリスの「ザ・ナショナル・トラスト」に倣い特定公益増進法人として設立されました。(社)日本ナショナル・トラスト協会は、各地域でナショナル・トラスト活動を展開している団体や個人の全国的な連絡・協力組織として、1992年に設立されています。

 

日本のナショナル・トラスト団体が買い取り、保全契約を結んでいるナショナル・トラスト地の面積の総計は、約8800ヘクタール、東京ドーム約19万個分の大きさになるそうです。

 

こちらのHPもご覧ください:http://www.thinking-eco.net/index.htm


ミミズはエコシステムエンジニア

2008-05-14 | 世界のこと
今日のAFPのニュースに、ミミズの話が載っていました。
「アイルランドのミミズが同国に対し、年間約7億ユーロ(約1100億円)以上相当の働きを行っていることが、同国の環境・遺産・地方自治省が委託した研究の報告書で明らかとなった。・・・・・」というものでした。
アイルランドには約700万頭の牛が生息し、牛1頭につき年間9トンの排泄物が出しているということですが、ミミズが排泄物を分解して、栄養素を土に返すこと、また、耕作や植物栽培、特に土壌構造に与える重要な働きも加えれば、ミミズが提供する働きの価値は10億ユーロ(約1600億円)以上に上る可能性もあるとも書いてありました。

ミミズは英語でEarthwormと書きます。「地球の虫」という意味です。自然の中で植物にとって栄養分が多くふくまれている土は、そのほとんどがミミズの消化器官を通ったものだそうです。

ミミズは土に穴を掘ってくらしています。ミミズが掘ったトンネルは、土の中の空気の通り道になるため、微生物の働きも活発になって有機物の分解が速くなるそうです。

ミミズの食べ物は落ち葉のクズと土。1日に自分の体重と同じくらいの土を食べ、出す糞の量は、体重の1/2~2倍もあるそうです。その糞は多くの有機物を含んだ土の小さなボールで、団粒土と言われています。植物にとって有効な栄養が、すぐに吸収できる形でふくまれているそうです。

ミミズは、地表の植物の残渣を土の中に引き込み、下層の土壌粒子を含む糞を地上に押し出すことで、土壌を撹拌し、耕す働きをし、肥料をまく仕事も一度にやってしまうのです。まさに辣腕エコシステムエンジニアですね。

ドイツの再生可能エネルギー

2008-04-17 | 世界のこと

以前、このブログで、『ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しまし・・・』と書いたことがありました。

今、世界で最も再生可能エネルギーの利用が進んでいるのはドイツです。風力発電や太陽光発電、バイオマスなどによる発電能力は、2500万キロワットを超え、原発25基分くらいになるそうです。2007年の再生可能エネルギーが全エネルギー消費に占める割合は、2003年の約2倍の6.7%となり、再生可能エネルギーの存在感は明らかに増しています。

では、化石燃料と比べるとコストのかかる再生可能エネルギーが、どうしてこのように普及したのでしょうか。
その一因は法整備にもあったようです。国などの補助金により太陽電池産業などは急成長しています。また、電力会社は、太陽電池によって家庭などが発電した電力を通常の卸価格より高い値段で買い取ることが義務付けられ、高くなった分は消費者が電気料金で平等に負担する仕組みになっています。一般的な家庭では電力料金は5%高くなったということですが、再生可能エネルギーへの挑戦よって、新たな産業や会社が育ち、雇用を生み出しています。Qセルズという会社は、2007年、日本のシャープを抜いて世界最大の太陽電池メーカーになりました。

再生可能エネルギーの普及により、CO2も一昨年で1億トン削減し、つい最近の速報ではマイナス20%を達成したそうです。石炭への依存度が高かった旧東ドイツ地域で大幅にCO2が削減されたこともありますが、自然エネルギー導入によるところが圧倒的に大きいようです。

こちらのHPもどうぞ : http://www.thinking-eco.net/


ドイツと日本の環境事情

2008-01-20 | 世界のこと
日本もドイツも、第二次世界大戦後目覚しい復興を遂げ、1960年頃には、同じように環境汚染という問題に直面しました。今、ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しました。この違いはどこから生まれたのでしょうか?

ドイツは、戦後の経済復興の拠点となったルール工業地帯から排出されるばい煙で晴れた日でも青空が見えないほどの状況であったと言われています。野党党首だったブラントが1968年に政権に就き、環境保護政策に着手。さらに国民の環境意識を国政に反映させる「緑の党」が結成されました。「緑の党」はフィィンランド、ベルギーなど欧州各地で次々と結成されて、平和で持続可能なエコロジー社会を目指しました。

日本でも、四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病などの公害が社会問題化し、政府も大気・水質汚染の改善に努力しました。しかし、その後、環境保護全体にかかわる法規制の強化もなく、市民レベルの環境保護運動も育ちませんでした。

日本人もドイツ人も、環境問題への意識は大きく変わらないのです。ただ、日本人は意識先行型でドイツ人は行動先行型という見方があるようです。環境への危機意識が「緑の党」の結成につながり、欧州各地でも結成されていったということは、その行動力の大きさを物語っているのでしょう。日本は、ヨーロッパとは異なり、海に囲まれた国ですが、環境問題に国境はありません。ここはひとつ、行動力を発揮して行こうではありませんか!!