THINKING ECO

考えよう!環境問題
環境にやさしい、快適な生活を応援します。

グリーンアーキテクチャー

2008-01-30 | 新しい技術
グリーンアーキテクチャー(環境にやさしい建築)が今注目されています。デザイン、建設、管理方法を変えることによって水・土地・エネルギーを節約する「持続可能な」建築、グリーンアーキテクチャーは、まさに新しい分野となっています。

ひとつ紹介しましょう。
2004年、フォスターとそのパートナーによって設計された、ロンドンにそびえるスイス・レ・タワーです。タワーの姿がガーキンピクルス(小さなキュウリのピクルス)の怪物のように見えることから、親しみをこめて“ガーキン”と呼ばれています。

高さが180メートルあり、先が細くなったガラス張りのタワーは、地上1階にレストラン、ショップ、カフェが並ぶショッピングセンターの上にそびえ立っています。同じ大きさの従来のビルにくらべて、このタワーは半分のエネルギーしか使わないそうです。上に向かってらせん状に広がる外壁は、40階の各フロアに新鮮な空気と自然光を送り、外部にある天候センサーが、気温、風速、日光の強さをチェックして、必要に応じてブラインドを閉めたり、窓パネルを開けたりするということです。

日本では、グリーンアーキテクチャーとして、壁面や屋上の緑化が盛んに取り組まれています。

エコロジカル・フットプリント

2008-01-29 | 環境問題
世界の人口はどんどん増えていっています。20世紀の初めは約15億人だった人口が、1999年10月24日には60億人に達し、現在では66億人です。2100年には90億人から100億人になると考えられています。それだけの数の地球の住人が、食べる、飲む、顔や体を洗う、移動する、となると、そのとき、地球には果たして充分な資源はあるのでしょうか。

私たちは普段何気なく生活していますが、作物を作るための土地、出すゴミが占める場所など広い土地を使っています。また、移動のためにエネルギーを消費し、空気も汚染しています。

エコロジカル・フットプリントとは、このような私たち一人一人の生活を支えるために必要な、耕作地・牧草地・森林などの土地、漁業などの水域を面積で示したものです。gha(グローバルヘクタール)という単位で表します。この面積が大きければ大きいほど私たちの生活が自然に与える影響も大きいということです。

2003年の世界平均は、1人当たり2.2ghaでした。1haサッカー場1個分くらいです。アメリカは9.6gha、日本は4.4gha、中国は1.6gha、インドは0.8ghaでした。

日本のフットプリントが、1人当たり4.4ghaということは、日本人1人が自分のために約4.4haの土地を必要としているということです。もし、地球上にいる人がみな日本人のように暮らしたら、地球が2.4個必要になります。

地球はひとつしかありません。私たちや未来の子どもたちが、この地球でずっと暮らしていけるように、2.2gha以下のフットプリントで生活できるように、知恵を出し合い、実践していく必要があるようです。
(参考資料:WWF「生きている地球レポート2006」)

エコマークと環境ラベル

2008-01-28 | 環境問題

皆さんもご存知のエコマークは、私たちの身の回りにある商品の中で、地球環境への負担が少なくて、環境保護に役立つ商品につけられるマークです。消費者が商品を購入するときの目安になるよう導入されました。

 

もともとはISO(国際標準化機構)で規格化された「環境ラベル」が基本になっています。日本では1989年に始まり、(財)日本環境協会が審査・認定しています。

 

このエコマーク、エコマークのついた環境にいい製品が市場に浸透してしまうと、その役目を終えて、その基準が廃止されるのです。アルミ缶についているプルトップがその例です。 1990年にサントリーがエコマークつきのプルトップ(ステイオンタブ)を採用したところ、タブの散乱防止と環境美化、資源の節約に結びついて普及しはじめました。現在ではほぼ100%の缶がこの形になり、この形のプルトップはエコマークじゃなくなっています。

 

エコマークは日本だけのものではなく、世界各国にも独自の環境ラベルがあります。その中でも、ドイツのブルーエンジェルと呼ばれる環境ラベルは全世界ではじめて作られた環境ラベルです.


カーボンオフセット

2008-01-26 | 環境ビジネス
私たちは、日常生活でどんなに省エネを心がけても、エネルギーを使わないわけにはいきませんね。自分がエネルギーを使うことで排出するCO2を自分で処理できれば一番良いのでしょうが、自分ではどうすることもできません。そこで登場したのが「カーボン・オフセット」の考え方です。

「カーボン・オフセット」は、どうしても排出してしまう温暖化ガスを、自分ではない別の場所・別の人が行なう「温室効果ガス削減事業」の効果と組み合わせることで、差し引きゼロにするという、ヨーロッパで生まれた考え方です。

たとえば、自分が排出したCO2の量を削減するのに必要な費用を、クリーンエネルギー事業や植林・森林保護などの温室効果ガスを削減するための取り組みやプロジェクトに投資することによって、差し引きゼロにしようとすることです。

昨年、郵政省は「カーボンオフセット年賀状」を、二酸化炭素削減費用として年賀状価格に5円上乗せし55円で販売しました。
英国では、政府や企業の職員が出張する際、航空機が排出するCO2を相殺するための費用を負担してそうですが、日本の旅行会社でも、旅行中に飛行機利用などから排出される二酸化炭素(CO2)の削減費用を旅行経費に上乗せする「二酸化炭素(CO2)ゼロ旅行」などの商品をそろえています。

これらの上乗せ料金は環境団体に寄附されます。その団体は、国連が認定した温室効果ガス削減プロジェクトから得た排出権を購入し、その排出権は京都議定書の目標にも算入され、日本の削減目標にも貢献します。

個人のカーボンオフセット費用はCO2、1トン当たり4200~5000円だそうです。2005年の1世帯の二酸化炭素排出量は、約5、5トンCO2でした。

ニュークリーンディーゼル

2008-01-25 | 新しい技術
自動車は、ガソリン車とディーゼル車に大きく分類されます。「オットー」が発明したガソリンエンジンで走るガソリン車はガソリンを燃料とし、「ディーゼル」が発明したディーゼルエンジンで走るディーゼル車は軽油を燃料とし、バスやトラックなどの大型車に多く採用されています。

排ガスの面から見ると、一般的にガソリンエンジンは、二酸化炭素、一酸化炭素と炭化水素を多く排出します。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、熱効率が良く、燃費も良く、二酸化炭素(CO2)の排出もガソリンより少ないのです。しかし、窒素酸化物などの排ガスを多く排出することから、日本やアメリカでは、ヨーロッパのように普及しませんでした。

では、何故、ディーゼル車は、ヨーロッパで普及したのでしょうか?
ひとつは、北海油田のような硫黄分が少ない軽油に恵まれていたからでした。排ガス後処理装置は硫黄分が少ないほど十分に機能するのです。二つ目は、1997年、燃焼効率を高め、排ガスに含まれる粒子状物質を大幅に削減できる「ディーゼルの革命」と呼ばれた新技術が実用化されたからです。

ヨーロッパでの排気ガス規制は段階的に厳しくなってきました。この新しい規制に適合するディーゼル車の排ガスはガソリン車の排ガスと変わらなくなってきています。ニュークリーンディーゼルと言われる所以です。日本でも自動車各メーカーがディーゼル車の製造を始め、早いものは2008年末には販売される予定です。「クリーン」「高性能」といった評価で、ニュークリーンディーゼルに大きな注目が集まっています。

’08 エコ活動ランキング

2008-01-23 | 身の回りのこと
ポータルサイトgoo が行なった環境ランキング「2008年に取り組んでみたいエコ活動ランキング」です。
1位 エコバッグを使う
2位 省エネ家電を使う
3位 マイ箸を使う
4位 マイカーを使わず自転車・公共機関を使う
5位 マイ水筒を使う

1位はエコバッグでした。
エコバッグ(マイバッグ・マイバスケット)持参運動を薦めているイオン(株)では、2007年12月のエコバッグ持参率は約23%でした。これにより、イオン(株)で削減したレジ袋は、石油に換算すると、石油200リットルドラム缶3714本分になるそうです。レジ袋などの容器包装が家庭ゴミに占める割合は、体積で約6割といわれています。是非とも、エコバッグ持参の習慣を定着させたいですね。

3位と5位にマイ箸・マイ水筒が上がっていました。
割り箸やペットボトルなど使い捨てられてしまう資源を大切にしたいという気持ちのあらわれでしょうね。日本における1年間の割り箸の消費量は約250億膳、私たち1人当たり1年で約200膳の割り箸を使っていることになるそうです。

リデュース(=廃棄物を出さない)、リユース(=再使用する)、リサイクル(=再資源化する)と言われて久しいです。エコバッグ、マイ箸、マイ水筒を使うことでリデュースを実践してみてはいかでしょうか。“もったいない”ですものね。

ヒートポンプ

2008-01-22 | 新しい技術
毎日寒いですね。
皆さんは子どものとき、冷たい手をお母さんの温かい手で包んでもった経験はありませんか?ゆっくりと温もりが伝わってきましたね。その暖かくなった手で、兄弟の冷たい手を温めてあげることができますね。熱は伝わるもの、移動するものなのですね。

ヒートポンブは、物を燃やして熱を取り出すのではなく、熱の移動によって熱を取り出すことのできる優れた技術です。

エアコンの暖房を考えてみましょう。外の空気が持っている熱を“冷媒”という液体で汲み上げ、圧縮という操作により“冷媒”の温度を上げます。室外機でそれを行なっています。
次に、室内機の中で“冷媒”は部屋の空気に触れ、蓄えていた熱を空気に伝えます。だから、室内機からは、熱をもらって温かくなった風がでてくるのです。

最近のヒートポンプ技術は、外気温がマイナス10℃でも、圧縮によって冷媒の温度を90℃まで上げることができます。

室内で熱を放出した“冷媒”は減圧という操作で元の状態より低い温度になり、再び室外機で外の空気の持っている熱を汲み上げます。

ヒートポンプの技術は、圧縮のために電気を使いますが、電気カーペットや電気ヒーターのような電気を直接熱に換えるものより3倍以上も効率が良いのです。冷蔵庫や洗濯乾燥機にも利用され、省エネ技術として大いに期待されています。

バーチャルウォーター(1)

2008-01-21 | 環境問題
農産物の栽培には水が必要です。食料を輸入することは、農産物の栽培に必要となる水を、わたしたちが間接的に消費したと考えることができます。農産物の輸入により、日本は水資源を節約できたことになり、その代わり輸出国では栽培のために水を消費したことになります。

ヴァーチャルウォーター(仮想水)は、農産物の栽培や製品の製造に使われた水を、その製品の購入者が間接的に消費したとするという考え方のことです。

日本の食料自給率は約40%といわれ、大半の農作物は海外からの輸入に頼っています。東京大学生産技術研究所の沖大幹助教授らのグループが試算した結果によると、輸入している農作物や畜産のために使われる水の量は、年間にしてなんと約640億m3。日本人は、年間約640億m3の水を輸入していることになります。そしてこれを1人1日あたりに換算すると、実に1460リットル、おフロにして約8杯分になるそうです。

水の大切さをあらためて考え直すきっかけになったのではないでしょうか。

ドイツと日本の環境事情

2008-01-20 | 世界のこと
日本もドイツも、第二次世界大戦後目覚しい復興を遂げ、1960年頃には、同じように環境汚染という問題に直面しました。今、ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しました。この違いはどこから生まれたのでしょうか?

ドイツは、戦後の経済復興の拠点となったルール工業地帯から排出されるばい煙で晴れた日でも青空が見えないほどの状況であったと言われています。野党党首だったブラントが1968年に政権に就き、環境保護政策に着手。さらに国民の環境意識を国政に反映させる「緑の党」が結成されました。「緑の党」はフィィンランド、ベルギーなど欧州各地で次々と結成されて、平和で持続可能なエコロジー社会を目指しました。

日本でも、四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病などの公害が社会問題化し、政府も大気・水質汚染の改善に努力しました。しかし、その後、環境保護全体にかかわる法規制の強化もなく、市民レベルの環境保護運動も育ちませんでした。

日本人もドイツ人も、環境問題への意識は大きく変わらないのです。ただ、日本人は意識先行型でドイツ人は行動先行型という見方があるようです。環境への危機意識が「緑の党」の結成につながり、欧州各地でも結成されていったということは、その行動力の大きさを物語っているのでしょう。日本は、ヨーロッパとは異なり、海に囲まれた国ですが、環境問題に国境はありません。ここはひとつ、行動力を発揮して行こうではありませんか!!


フロン

2008-01-20 | 環境問題
およそ35億年ほど前、海の中で生命が誕生しました。その生命活動によって作られた酸素は地上に拡がっていきます。やがて、成層圏まで届いた酸素(O2)は、太陽からの強い紫外線によって、オゾン(O3)に変化し、地球を覆うオゾン層を作りました。オゾン層が太陽からの紫外線を吸収してくれるおかげで、陸上でも生命活動が始まりました。およそ4億年前のことです。

そのオゾン層がフロンによって破壊されていることが80年代にわかりました。フロンは、冷蔵庫などの冷媒、精密な部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤などとして広く使われている、人工的に作られた安定した物質です。オゾン層破壊に関係するのは、数百種類もあるフロンの中の、塩素原子を含んだフロンです。オゾンと反応し、オゾンを酸素原子(O)に分解することがわかってきました。

現在のオゾンを破壊しているのは15年前に私たちが放出したフロンだそうです。90年代になってオゾン層破壊物質の規制が国際的に行われました。日本でもオゾン層破壊を引き起こさない「代替フロン」が使われるようになっています。このフロン規制によってオゾン層は21世紀初頭から半ばには回復に転じると言われています。

しかし、フロンはオゾン層を破壊するだけではありません。二酸化炭素の1300倍もの「温室効果」を持つのです。「代替フロン」はまだまだ使用されています。二酸化炭素は森林が吸収してくれますが、フロンを吸収してくれる物質はありません。完全な脱フロンがなされなければ、状況は決してよくならないようです