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御所市・秋津遺跡 4世紀前半最大級の施設群が見つかる

2010年11月24日 | Weblog
 奈良県立橿原考古学研究所が24日、御所市の秋津遺跡(古墳時代前期、4世紀前半)で最大級の施設群跡が見つかったと発表した。
 珍しい構造の塀に囲まれた区画が前回調査を含めて多数見つかり、内部には整然と並ぶ大型建物跡も確認された。
 昨年5月から約1万8500㎡を調査し今年1月、方形区画の一部を確認した。これまでに区画が6つ見つかり、いずれも塀は幅約20cmの溝を挟む一対の柱が約2・5m間隔で続く構造で、溝には細い杭をずらっと打ち込んだ跡が並んでいた。全体で南北82m、東西58mに及び、最大の区画は南北50m、東西48m以上に及ぶことが判明した。内部に南北13.5m、東西7mの同じ大きさの大型建物跡4棟が、方位をそろえて規則的に並んでいた。掘っ立て柱建物跡と竪穴住居跡も計52棟確認された。
 区画内からは生活に使われる土器がほとんど出土せず、北側の川跡に供物を置く高坏など祭祀用具が大量に捨てられていたことから、内部を清浄に保ち、祭祀を行った施設の可能性があるとみている。
 中国の歴史書「魏志倭人伝」は3世紀の卑弥呼(ひみこ)、「宋書倭国伝」は5世紀の「倭の五王」について書かれているが、4世紀は中国の文献から日本関連の記事が消えるため「空白の4世紀」と呼ばれる。
 初期大和王権が造営に直接関与した祭祀空間を備える施設か、後に周辺地域を本拠とした葛城氏につながる大豪族の居館だった可能性があるとしている。
 現地説明会は28日(日)午前10時~午後3時に開かれる。
[参考:共同通信、毎日新聞、日経新聞]

奈良で4世紀最大級の施設群跡 秋津遺跡(共同通信) - goo ニュース

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 2010.1.20 秋津遺跡 4世紀前半の巨大祭祀施設の塀跡が出土

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