歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

安芸高田市・甲立古墳 広島県内で3番目に大きい前方後円墳が見つかる

2009年11月22日 | Weblog
 安芸高田市教委は19日、広島大考古学研究室の踏査により同市甲田町上甲立(かみこうたち)江田地区の山林で、4世紀後半のものと見られる前方後円墳がほぼ完全な姿で見つかったと発表した。同日、現地でマスコミ向けの説明会が行われた。
 古墳のある菊山周辺には、中世の武将・宍戸氏の史跡が集中している。古墳は、菊山の山裾で江の川を望む南東側斜面(標高249m)にあり、100m南西、国道54号北側の南北朝時代・14世紀前半の宍戸氏の本拠・「柳ケ城(やながじょう」跡」の城郭の一部と見られていた。
 このほど調査の結果、全長75mの前方後円墳と確認、市教委は地名から「甲立古墳」と命名予定という。
 後円部が斜面上手の真北を向いていて高さは13mある。後円部は最大幅約42m、頂上の平らな部分の直径は約15m。古墳の斜面全体に川石を使った葺石が敷き詰められていた模様。
 埴輪を置くテラス状の段築(だんちく)が2段に築かれ、周辺からは円筒や舟形埴輪片約20点が出土し、その形状から前方後円墳としては、県内で最も古い神石高原町にある「辰の口古墳」と同じ4世紀後半のものとみられる。当時には、備後だけでなく安芸地方の江の川・太田川流域で最大の権力がこの地に存在したと考えられる。
 未盗掘でほぼ原型のまま残っており、後円部中央に竪穴式石室があると見られる。
 前方後円墳の規模は、東広島市の三ツ城古墳(全長92m、5世紀後半)、神石高原町の辰の口古墳(同77m)に次ぎ3番目。
 安芸高田市では、来年度から2年間かけて現地を試験的に掘って詳しい調査を行い、市史跡への指定を目指す。
 21日午後1時に地元の人を対象にした説明会があり、28日午前10時と午後2時の2回、一般向けの現地説明会が開かれる。
[参考:2009.11.19~20 RCC中国放送、HIV広島テレビ、中国新聞、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞]



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 富山市・百塚遺跡 弥生時代... | トップ | 鹿児島県伊佐市・下鶴遺跡 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事