歴歩

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東大寺・国宝「金堂鎮壇具」のうち、大刀2本が幻の宝剣「陽宝剣」と「陰宝剣」と判明

2010年10月25日 | Weblog
 東大寺(奈良市)と調査した元興寺文化財研究所(同市)が25日、東大寺の大仏足元から明治時代に出土した国宝の「金銀荘大刀」2本にX線を当てて調べたところ、刀身の把(つか)近くの内側部分から「陽劔」「陰劔」と象嵌された銘が浮かび上がり、約1250年間にわたり行方不明だった宝剣「陽宝剣」「陰宝剣」と分かったと発表した。
 光明皇后(701-760)が聖武天皇(701-756)の遺品として東大寺に献納後、正倉院から取り出し、埋納したとみられるが、理由は不明。皇后からの献納品目録「国家珍宝帳」の武器リスト筆頭に記した貴重な宝剣で、正倉院研究の上でも画期的史料。
 「陽宝剣」と「陰宝剣」は鉄製で、長さはいずれも1m弱。鞘は木製の漆塗りで金銀の金具で装飾されており、把にサメ皮を使っている。明治40年(1907)と翌年、屋根改修工事の際に足場の支柱を立てるために大仏の須弥壇周囲に穴を掘ったところ、右膝近くから出土。同時期に見つかった別の大刀、銀製鍍金狩猟文小壺、瑞花六花鏡、水晶玉などとともに「東大寺金堂鎮壇具」として1930年に国宝指定された。
 今回の調査で、別のもう一口の金鈿荘大刀には北斗七星を象嵌した七星文が確認された。
 大仏殿への大刀などの「鎮壇具」の埋納が、従来考えられていた地鎮とは異なるとの見方も出ている。
[参考:時事通信、共同通信、MBS毎日放送、読売新聞、東大寺展図録(1980朝日新聞社)]

消えた正倉院宝物と確認=東大寺大仏殿の大刀2振り―1251年ぶり・奈良(時事通信) - goo ニュース
1250年ぶり幻の宝剣判明 東大寺大仏の足元埋納大刀(共同通信) - goo ニュース
大仏殿で発見の刀、1250年不明の正倉院宝物(読売新聞) - goo ニュース

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