温度は上がらないが快晴でクリスマスローズのいい時期に入ってきた。
(写真) クリスマスローズ・リヴィダスの花
地中海西側のスペインのマジョルカ島など狭い地域に生息するリヴィダス。
20ある原種のうちの一つで、大理石の模様をした緑色の葉が美しい。
クリスマスローズは、ノコギリのような葉の切れ込みがあるがリヴィダスにはこれがない。また、3枚の葉はめずらしい。
花は、日焼けして色が飛んだ赤茶色なのか赤紫のような淡いキンツバのような渋めの色をしており、長い雌しべが際立って目立つ。咲き進むに従って赤味が増していくので、この頃が見ごろとなる。
クリスマスローズの中では耐寒性が弱い種であり、関東以北では戸外での栽培が難しいようであり、夕方からは室内に取り込んで育てている。夏場をまだ経験していないが、マジョルカ島育ちだけありこの種だけは夏場にも強いが、梅雨には弱く乾燥気味なほうがよいという。
花後は、花が咲いた茎を刈り取り、咲かない茎は来年咲くので残しておく。これは忘れがちなので特記しておくことにする。
リヴィダスには、花の色が緑色をしたものがある。これはリヴィダス・コルシカ(Helleborus lividus subsp. Corsicus)という亜種になる。これもなかなか良さそうだ。
(写真)クリスマスローズ・リヴィダスの葉と花
クリスマスローズ・リヴィダス(原種)
・キンポウゲ科クリスマスローズ属の耐寒性が弱い常緑の多年草。
・学名はヘレボルス・リヴィダス(Helleborus lividus Aiton)。英名はLivid Hellebore(鉛色のヘレボルス)。
・属名Helleborusの語源は、ギリシャ語で「殺す」を意味するHeleinと「食べ物」を意味するboraからなる。食べると危ない毒草であることを意味しており、根には強心剤・利尿剤の効果がある成分が含まれている。種小名のlividusは、「鉛色、青味がかった灰色」を意味し、特徴のある花の色を示す。
・ヘレボルスの原種の原産地は、ヨーロッパ、地中海沿岸、カスピ海沿岸、中国四川省までの北緯40~50度の地域に生育。原種は20種あり石灰質の土壌に生息する。
・H.リヴィダスは、20種ある原種の一つで、その原産地は西地中海に浮かぶスペインのマジョルカ島の山麓・谷などの斜面に自生する。
・草丈20-40cmで、濃緑色に葉脈の筋が入り大理石のような模様をつくった丸みがある葉はクリスマスローズの中でも特色があり最も美しいと思う。
・花茎の先端に1~3輪の赤紫を帯びたくすんだピンク色の花をつける。
・花のように見える5枚の花弁は、花を保護する萼(がく)で、本来の花弁は退化して蜜を出す蜜腺となっている。
・開花期は、他のクリスマスローズよりも早めで2月頃が最盛期。
・関東地方以西では戸外で越冬できるようだが、耐寒性は弱いので防寒する方が良い。
・他のクリスマスローズよりは暑さには強いが、過湿には弱いので水はけが良いアルカリ性の土壌が適する。
・繁殖は株分けが難しい種類なのでタネを取る。種からの場合は発芽後1~2年後に開花。
・タネを取った或いは咲き終わった花茎は取り除くようにする。花が咲かない茎は翌年の花茎となるので切り取らない。
Aiton, William (1731-1793)
命名者エイトンは、スコットランドの園芸家・植物学者。キュー王立植物園が設立されたのが1759年だが、この時からキューの庭師として責任ある立場に着き、バンクス卿の信頼も厚くキュー植物園の今日の基礎を築く。彼は、1789年に『Hortus Kewensis』というカタログを出版した。この中にはキュー植物園が育てている5600もの外国産の植物が収録されていて、マッソンが南アフリカケープ植民地で採取した植物も含まれている。
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