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意思による楽観のための読書日記

禁断の江戸史~教科書に載らない江戸の事件簿 河合敦 ***

江戸時代の庶民の暮らし、お侍の実態などは比較的多くの情報が手に入るが、歴史の時間に習うことは少ないのではないか。

・富山の殿様は、藩内で薬として有名な「反魂丹」をいつも持ち歩いていた。あるとき、江戸城で福島の殿様が癪を起したときに飲ませたら効いたと評判になり、それ以降は各藩からの求めに応じて反魂丹を増産、日本中に評判が広がって、以降、富山からは薬売りが全国を売り歩くようになった。そもそも、富山は修験道の盛んな土地で、布教のため修験者は立山信仰を広めるために、全国を歩いていたという。その際、持参するようになった一つが反魂丹だったという。一方の各藩では、他の藩から人が出入りしてくることは本来は好ましくない。そこをかいくぐるため、富山の布教者、修験者たちは、求めに応じた商品を持参するようになる。反魂丹に加えて、薩摩では廻船が来ないため、昆布が不足、そこに西廻り航路で富山に立ち寄る昆布商人から買い集めた商品も持参するようになる。富山の薬売りは北海道の昆布の販売も行っていたという話。

・「鎖国」という言葉は江戸時代の人たちは全く意識していなかったと思われる。実際、オランダや中国とは長崎経由で、釜山経由で朝鮮との取引は大々的に行われ、琉球経由では黒糖などの輸出が行われていた。大坂の唐物屋にはワイングラスがおかれ、中国製の壺や孔雀の羽、オランダのエレキテル実験も客寄せとして見せられていた。吉宗は象が見たいとベトナムから像使いごと連れてきて、長崎から江戸まで行列を組んで見せながら旅をしたという。

・ミイラをたくさん輸入していたのは、使われていた防腐剤の主成分がプロポリスだったため。プロポリスは天然の抗生物質、抗菌作用があり滋養強壮にも効いたのかもしれない。

などなど、 面白い話が紹介されている一冊。
 

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

コメント一覧

shigeaki0303
勉強になりました。
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