水徒然

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エアロゾルに係る記載を調べました。(その15:大陸からのさまざまな物質の影響)

2012-01-17 | 日記

'11-01-17
 「水」と共存して、昨夏頻発していた異常進路台風など異常気象インフルエンザ伝染放射能汚染などの地球環境に悪影響を及ぼしている「エアロゾル」に係る今までの投稿(インターネット検索して、記録)を一覧できるように整理しています。
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 (参考)
(その9-2)
その9-1:放射能など有害エアロゾルの形状)
 

 今回は大陸からのさまざまな物質から生成した「エアロゾル」の影響に係る記載を調べました。

(転載開始)

日本海学講座2008年2月2日
第4回 「日本海を越える大気汚染と黄砂」
(一部割愛しました。)
「 北陸地方・富山県は日本海に面しており、また隣には中国や韓国がある。そうした地理的環境においては、地球規模で循環する西風により、アジア大陸から、様々な物質が立山など富山県に運ばれてくる。大陸からさまざまな物質が運ばれてくる概念を図1に示す。SO(二酸化硫黄)や、通常、ノックスと呼ばれるNO(窒素酸化物)は、工場や車の排気ガスなどから発生する大気汚染物質の代表的なものである。これらの汚染物質は、風に乗って運ばれてくる過程で酸化反応が起き、主として二酸化硫黄は硫酸や硫酸塩へと変化する。また窒素酸化物は硝酸や硝酸塩へ変化する。これらの物質は、雲や酸性雨のもととなる。

 空気中に浮かんでいる小さな微粒子は「エアロゾル粒子」と呼ばれ、酸性雨や雲をつくる過程に大きな影響を及ぼしている。特に硫酸塩は、大気中で粒子化しやすく、エアロゾル粒子を形成することになる。また、窒素酸化物は、運ばれてくる間に複雑な化学反応を経て、オゾンという物質を形成する。

 他に、大陸から輸送されてくる代表的なものとして、春の風物詩ともいえる黄砂粒子があげられる。ほかにも数え切れないほど様々な物質が運ばれてくるが、本日の講義では、酸性雨をつくる物質、エアロゾル粒子、二酸化硫黄や窒素酸化物、さらに硫酸、硝酸、オゾン、黄砂などを中心に話を進めたい。

二酸化硫黄(SO)とエアロゾルの形成
 SO(二酸化硫黄)は、化石燃料の使用や含硫黄鉱石の精錬などの過程で大量に発生する。特に石炭には硫黄分が豊富に含まれているのが、中国がいまだに燃料の多くを石炭に依存しているため、SOの排出量が非常に多くなっている。一方、日本では世界に誇れるほど、SOの排出規制が進んでいる。

 人為起源のSOの他に、自然起源のものもある。例えば火山活動でも大量にSOが放出される。最近の例ででは、三宅島の大噴火があげられる。また日本には多くの火山があるので、SOが逆に中国など大陸方向に向かうこともある。また太平洋の真ん中など極めて清浄な地域でも、植物プランクトン起源のSOもある。

 現在、中国や東アジア諸国は、急速な経済発展に伴い世界有数のSO発生源となっている。放出される二酸化硫黄が大気中で酸化反応を起こし、硫酸(HSO)や、アンモニアなどと反応して、硫酸アンモニウムになる。この硫酸アンモニウムという物質は、ガスから粒子になりやすく、エアロゾル粒子という小さな粒を形成する。

 この粒子は、降水に取り込まれたり、あるいはそれ自身が雲をつくる核・芯(しん)となったりもする。これらが多量に含まれていると、雲水・降水中で硫酸からイオンに分かれ、水素イオン(H+)を多く含む雨(酸性雨)になる。また、微小なエアロゾルに水滴がついて雲粒ができる。こうして、雲をつくる過程にも影響を及ぼすことになる。

 実際、大陸で二酸化硫黄が放出され、酸化反応が起きて硫酸の微粒子(エアロゾル)が形成され、それが日本に輸送されてくることになる。

 酸性雨の降っている状況を示すため、「沈着量」という概念があるが、これは地面に落下した総量である。降水量が多いということは、それだけたくさんの物質が地面に落下するということである。硫酸による酸性雨の沈着は、実は東京、名古屋、大阪よりも富山県・北陸地方がはるかに多い。

エアロゾルが及ぼす影響
 先ほどからお話している「エアロゾル」とは何かというと、辞書には「分散系の一つ、気体中の液体または固体の微粒子が分散しているもの」とある。この大気中に漂っている微粒子の大きさは、雨粒、霧粒と比べるとはるかに小さく、大体1μmを挟んだ程度の大きさと考えていただければいいと思う。このエアロゾルは放射に影響を及ぼす。ここで言う放射というのは、放射能のような意味ではなく、太陽からの放射光という意味であり、エアロゾル粒子は、光を吸収・散乱したり、はね返したりといった、様々な働きをする。また、雲をつくる核にもなるため、雲の形成や寿命にも影響を及ぼす。このため地球の温暖化あるいは寒冷化等をいろいろと支配しているのである。

 最近では、エアロゾルの問題として、自然環境への影響、大気汚染、酸性雨等の問題に加え、健康への影響についても盛んに研究されている。

 先ほど話した光エネルギーについて考えてみると、エアロゾル等の微粒子は太陽からの光をはね返し(後方散乱)、逆にまた光を地表の方にはね返す働きをする(前方散乱)。このようにして、エアロゾルは太陽光の散乱にも影響を及ぼしている。

 現在、地球温暖化問題の中でCOが話題になっているが、COは、地表から出ていこうとする放射をまた戻したりすることで地球温暖化を引き起こしている。この効果とは逆に、「エアロゾルの直接効果」と呼ばれる、マイナスの効果を生じると考えられている。

 「雲粒核」として働くエアロゾル粒子は、雲をつくる過程にも影響を及ぼす。もし大気中にエアロゾル粒子がなく、極めてきれいな状態であれば、いくら湿度を高くしても雲はできない。洋上の非常にきれいな大気中では、エアロゾル粒子の数は少なく、汚染された大気では、非常に多くなる。大気中ではエアロゾル粒子が核となって雲ができていくが、その雲のでき方は汚染大気中ときれいな大気中とで異なる。

 洋上のきれいな大気中には、雲粒核として働くエアロゾル粒子の数が少ないので、1つの粒子に多くの水蒸気が凝結する(図2)。つまり、雲粒の数は少ないけれども、一粒一粒が大きくなる(逆に、汚染された、すなわち粒子が多くある大気中では、雲粒の数は多くなるが、個々の雲粒は小さくなる)。そうして大きくなった雲粒は、互いにくっつき、これを「雲粒の併合」と呼んでいる。そうなると、雨粒まで成長し、一気に降下することになる。

 反対に、いつまでもモヤッとした状態で、空気が淀んでいるときには、雲粒の併合が起こりにくい。硫酸でできたエアロゾル粒子は、雲粒核として効果的に働く。もちろん、硫酸の粒子以外にも働くものがあるが、硫酸のエアロゾルが増えると、雲をつくる過程にも大きく影響するわけである。

このように、大気中にエアロゾル粒子が増えると、生成される雲粒の一粒一粒が小さく、雲の数が多くなる。そのため、雲による日射反射率が増加するので、太陽光を反射して、地表面に達する日射量も当然減ることになる。これは地球を冷却する効果を生むため、今問題となっている地球温暖化とは逆の効果となる。ちなみに、この効果を「エアロゾルの間接効果」と呼んでいる。

 中国は、今やアメリカに追いつくような勢いで二酸化炭素をたくさん出している。しかし、だからといって二酸化硫黄などの汚染物質を大量に放出すれば、差し引きゼロ(地球温暖化の抑制)になるということではない。気候をコントロールするといった器用な能力を、けっして我々人類はもちあわせてはいないのである。・・・」
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(転載終了)

⇒上記の(-)イオンを持つ二酸化硫黄や窒素酸化物、さらに硫酸、硝酸、黄砂などのさまざまな物質と大気圏に存在してい放射性物質の微粒子との反応については不詳です正(+)イオンを持つセシウム、ストンチウムなどとの反応生成物の沈積(フォールアウト)によって自然放射能濃度 など変化するのか?

                  (google画像検索から引用)



関連投稿(メモ):
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