Dishes Are Burning ~燃ゆる皿~

宇宙、そこは最後のフロンティア。UFO時代のときめき飛行、動くなよ、弾が外れるから。

ロング・グッドバイ

2023-10-27 11:14:11 | 日記
YouTubeで『狄仁傑之奪命天眼(邦題:王朝の陰謀 判事ディーと天空の塔)』を視聴する。
ひかりTVでも日本語字幕版が提供されていたはずだが、いつの間にか見当たらなくなっているので、
おそらく提供終了したのだろう。

中文字幕版の視聴でも大雑把には話が理解できるのが、こういうエンタメ映画の良い所。
近年様々な制作元と出演者で狄仁傑物の映画が作られているようだが、狄仁傑のキャラクターは概ね似通っているようだ。
武術の達人的な描かれ方はアンディ・ラウ辺りから始まったのかと思ってたけど、実際のところはどうなんだろうか。
日本でも大岡越前がチャンバラしてるのと同様に、昔からそういうものなのかも知れない。

ラストシーン、かつて想いを寄せ合った雲珠が残した書き置きを見つける狄仁傑。
そこに書かれた詩から、彼女がもう戻らない事を悟る。

朱弦断 明鏡缺

朝露晞 芳時歇

錦水湯湯 與君長訣


特に最後の一句が目を引いた。「君と長く訣(わか)れる」か…。

引用元がありそうだと思って調べると、漢代の卓文君による『訣別書』の一節であるらしい。
かつては蜜月を過ごした二人の関係も最早修復できず、永遠に別れることを決意する…といった内容である。
エンタメ映画といえど、さらりと古典を引用してくるセンスに文化の厚みを感じるといったら褒め過ぎか。

新しく何かを得るよりも、失ったり、諦めたりすることの方が多い年齢に自分が達したせいなのか、
こういう「結ばれている(いた)にも関わらず修復不能の関係性」というものに切なさを感じる。
そして、そうした局面で打てる手立てといえば、せいぜいがドラマと同じく物理的な距離だけであったりする。




ずっと弾かずに放置していた(のに)KORG M50が故障してしまった。

一応電源は入るが、次のような症状が出る。
・モード切り替え等、一切のボタン操作を受け付けない。タッチパネルも無反応。
・自照式の各種ボタンが一切点灯しない。
・鍵盤を弾くと音は出るが、1、2分ほどすると音が出なくなる。

ネットで調べると、必ず発生する同機特有の「持病」があるらしいが、具体的にはどんな内容なのかは分からない。
しかしそれよりも問題なのは、有料修理に出す程の思い入れが私にない、という事だったりする。
自分でも引いてしまう己れの薄情さよ…。
(弾いてないのに引いてしまうとはこれ如何に…)

考えようによっては、これが使わない機材を処分すべき、処分できるタイミングとも言える。
たとえチープなPCMシンセでも他では代え難い音色があったりするからこそ手放せずにいる訳だが、
そこに諦めをつけなければ機材は増える一方になってしまう。
若い時はそれでも良かったかも知れないが、私はもうそんな年齢ではなくなってしまった。
今こそ長いお別れをする時か。


オチはない。いつもないが。