Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

いつか眠りにつく前に

2008-02-26 17:02:49 | 映画
アカデミーの予想を・・・なんて思っていたら、もう終わってしまいましたね(笑)。仕事が忙しくなったり、パソコンの調子が悪くなったりとばたばたしていまたら、すっかり忘れてしまってました。で、どうせ遅れたのであればアカデミーの話題は次回にして(勝手ですね~)、こないだ観てきた映画「いつか眠りにつく前に」について、お話しようと思います。
この作品、予告編から観てみたいと思っていましたが、本編を観ても非常に心に響くいい作品でした。ここで内容を少し・・・
癌(多分)で余命あと少しの母親が、薬のせいでちょと現実と過去の思い出が交錯してきたことで、その世話をしている娘達が知らなかった、母親の過去の恋愛とそれに伴う悲劇を少しずつ垣間見ることになっていきます。これにより、それぞれの娘達が現代に抱える問題と向き合い、悩み、解決にむかう、ちょっとファンタジーの入った映画です。
まず、女優達の共演がすごいです。イギリスの女優ヴァネッサ。レッドクレイブが主人公のお母さんとを演じ、その娘時代をクレア・デーンズが演じています。彼女の歌も聴けますよ(笑)。また、娘時代の親友をメリルストリープが演じ、その娘時代をじつの娘、メイミー・マガーが演じています。この親子共演も面白みです。また、レッドクレイブの娘役には、リトルミスサンシャインのトニ・コレットがでています。またその姉の役にはレッドクレイブの実の娘である、ナターシャリチャードソンが演じています。さらに(まだあるんかい!)メイミー・マガーの母親役をグレン・グロースが演じているんですよ!これだけ観てもすごいですよね。ゲイにもうけると思います(笑)。そうそうゲイの視点とすれば、この場合主人公達が憧れる青年がいるんですが、その青年をパトリック・ウイルソンが演じています。このひとオペラ座の怪人で怪人から主人公を守る男を演じていました。歌もうまいんですよ。でも、ゲイからしてみるとこれより「エンジェルズ・イン・アメリカ」のモルモン教徒で、自分がゲイと気づく役柄が印象的です。なにせ男性とのベッドシーンもあるんですから(笑)。今回も少しそういうところがでてきます。

DVDでもいいかもしれませんが、一人で劇場でゆっくり鑑賞して、「幸せになるためにがんばる」ことをしてみるのもいいかもしれません。派手な映画ではないですが、オススメです。

エリザベス・ゴールデンエイジ

2008-02-22 09:57:12 | 映画
今回は、今公開している映画「エリザベス・ゴールデンエイジ」について。この作品1998年に公開された「エリザベス」の続編になります。もちろん主役のエリザベスを演じるのは、僕の好きな女優さんケイト・ブランシェットです。前作では女王になるまでのお話が中心でしたが、今回は女王になってから、ゴールデンエイジを迎えるまでの、波乱の時代を恋愛感情なども交えながら見事に描いています。プロテスタントの女王を倒そうとするカソリックの信者達とスペインの王。そして暗殺の危機がエリザベスを襲います。その映像はまさに絵画のようです。美術の教科書にこういうの載ってた!って思う場面が目白押し。最後のスペイン無敵艦隊との戦いに望む女王の強さは、すがすがしささえ感じられました。女王が恋愛感情をいだく海賊をクライブ・オーエンが演じているんですが、これがまたすごくカッコイイんですよ(笑)。この人そんなにカッコイイと思ったことなかったんですけど、この作品では、少しやせてシャープになっているところとゆるくパーマのかかったヘアスタイル、海賊の衣装がものすごくセクシーでカッコよかったです。残念ながら裸のシーンはありませんが(ベッドシーンはありますけど、あんまり見えません)、女王とキスをするシーンはとてもいいです。
歴史物としてみても、非常におもしろい作品です。宗教による戦争って今も昔もかわらないんだなって(笑)。神様はそんなこと望んでないだろうに、「聖戦」という言葉で、虐殺したり、拷問したり。ほんと人間って進歩してませんね(笑)。
そういう、シニカルなことも考えさせられる作品でした。
アカデミーとれるかなぁ。

第80回アカデミー賞

2008-02-11 12:47:38 | 映画

今回は今月25日に発表される第80回アカデミー賞について。
今年はどうも予想するのが難しいんです。というのも作品賞なんか全部日本では公開されてないんですよ。だから、どんな作品なのか、調べたりしないとまったくわからないというここ数年では珍しいケースとなっています。
まずはずらっと眺めてみると、主演男優賞には僕の好きなジョージクルーニがノミネートされています。今回は彼に獲ってもらいたいものですが・・・。どうでしょうか。あと、女優賞でも僕の好きなケイトブランシェッドがノミネートされています。エリザベス。ゴールデンエイジは来週公開なので、観にいこうと思ってます。
本格的な予想はまた、次に(笑)。

みなさんの予想は、どうですか?


作品賞
『Atonement/つぐない』
『Juno/ジュノ』
『Michael Clayton/フィクサー』
『No Country for Old Men/ノーカントリー』
『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

主演男優賞[Actor in a leading role]
ジョージ・クルーニー『Michael Clayton/フィクサー』
ダニエル・デイ・ルイス『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
ジョニー・デップ『Sweeney Todd/スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師』
トミー・リー・ジョーンズ『In the Valley of Elah/告発のとき』
ヴィゴ・モーテンセン『Eastern Promises/イースタン・プロミセズ』


 主演女優賞[Actress in a leading role]
ケイト・ブランシェット『Elizabeth: The Golden Age/エリザベス~ゴールデン・エイジ』
ジュリー・クリスティ『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う』
マリオン・コティヤール『La Vie En Rose/エディット・ピアフ~愛の讃歌』
ローラ・リニー『The Savages/ザ・サベージ』
エレン・ペイジ『Juno/ジュノ』


 助演男優賞[Actor in a supporting role]
ケーシー・アフレック『The Assassination of Jesse James/ジェシー・ジェームズの暗殺』
ハビエル・バルデム『No Country for Old Men/ノーカントリー』
フィリップ・シーモア・ホフマン『Charlie Wilson's War/チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
ハル・ホルブルック『Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド』
トム・ウィルキンソン『Michael Clayton/フィクサー』


 助演女優賞[Actress in a supporting role]
ケイト・ブランシェット『I'm Not There/アイム・ノット・ゼア』
ルビー・ディー『American Gangster/アメリカン・ギャングスター』
セルシャ・ローナン『Atonement/つぐない』
エイミー・ライアン『Gone Baby Gone/愛しき者はすべて去りゆく』
ティルダ・スウィントン『Michael Clayton/フィクサー』


 監督賞[Directing]
ジュリアン・シュナーベル『The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る』
ジェイソン・ライトマン『Juno/ジュノ』
トニー・ギルロイ『Michael Clayton/フィクサー』
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン『No Country for Old Men/ノーカントリー』
ポール・トーマス・アンダーソン『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

アメリカン・ギャングスター

2008-02-05 10:37:28 | 映画
今回は今公開している「アメリカン・ギャングスター」について。久しぶりのリドリースコット作品ということ、僕の好きなデンゼルワシントンが出ているということで、楽しみにしていた作品です。実在のギャング「フランク・ルーカス」を彼が、その悪事を暴いて、逮捕しようとする刑事「リッチー・ロバーツ」をラッセルクロウが演じています。
話の内容を少し。1970年代大物ギャングの運転手をしていたフランクはそのギャングの死後、かれの後を次ぎニューヨークハーレムでコカインの販売を従来の方法とは全く違うやり方で始めます。これが大当たりし、瞬く間に他のマフィアなどより大きな力を持っていようになっていきます。それを同僚のコカイン中毒死をきっかけに追っていく刑事との、頭脳戦を描いています。
この映画を観終わって、感じたのは「本当に悪い奴らは誰か」ということ。もちろんコカインを売っていたフランクは悪者なんですが、そのルートの確保に協力していた(ワイロをとって)軍、自分達に金を払えと脅してくる麻薬特別捜査官、ベトナム戦争、人種差別。こういうことが本当に悪い、とこの作品は示しているように感じました。今のアメリカは以前より、少し勢いがなくなってきているように感じますが、それは勢いが落ちたというより、「少し、まともに考えられるようになった」ということなのかもしれません。ちょっとアメリカ批判になってしまいましたが(笑)。
さて、ゲイの視点というところからは、デンゼルワシントンがギャングでありながら、きちっとした服装、振るまい、言葉遣い、家族思い、なんていうスマートな役をとてもカッコよく演じています。いっぽうラッセルクロウは、悪行に対しては厳しいくせ(検事の資格もとるくらいの努力家)に私生活はボロボロ、の小太り中年刑事をうまく(?)演じています。でもね~、ラッセルクロウが全然カッコよくないんですよ。腹は出てるし、筋トレの場面も全くセクシーさがないんです(笑)。グラディエイーターの頃が一番、セクシーだったんじゃないかと思います。
3時間近くある映画です。長いのですが、見ごたえは十分あります。多分DVDとかで家で観ると、集中できないかもしれません。劇場で、トイレをしっかりすませてご覧になってください。