Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

アメリカン・ギャングスター

2008-02-05 10:37:28 | 映画
今回は今公開している「アメリカン・ギャングスター」について。久しぶりのリドリースコット作品ということ、僕の好きなデンゼルワシントンが出ているということで、楽しみにしていた作品です。実在のギャング「フランク・ルーカス」を彼が、その悪事を暴いて、逮捕しようとする刑事「リッチー・ロバーツ」をラッセルクロウが演じています。
話の内容を少し。1970年代大物ギャングの運転手をしていたフランクはそのギャングの死後、かれの後を次ぎニューヨークハーレムでコカインの販売を従来の方法とは全く違うやり方で始めます。これが大当たりし、瞬く間に他のマフィアなどより大きな力を持っていようになっていきます。それを同僚のコカイン中毒死をきっかけに追っていく刑事との、頭脳戦を描いています。
この映画を観終わって、感じたのは「本当に悪い奴らは誰か」ということ。もちろんコカインを売っていたフランクは悪者なんですが、そのルートの確保に協力していた(ワイロをとって)軍、自分達に金を払えと脅してくる麻薬特別捜査官、ベトナム戦争、人種差別。こういうことが本当に悪い、とこの作品は示しているように感じました。今のアメリカは以前より、少し勢いがなくなってきているように感じますが、それは勢いが落ちたというより、「少し、まともに考えられるようになった」ということなのかもしれません。ちょっとアメリカ批判になってしまいましたが(笑)。
さて、ゲイの視点というところからは、デンゼルワシントンがギャングでありながら、きちっとした服装、振るまい、言葉遣い、家族思い、なんていうスマートな役をとてもカッコよく演じています。いっぽうラッセルクロウは、悪行に対しては厳しいくせ(検事の資格もとるくらいの努力家)に私生活はボロボロ、の小太り中年刑事をうまく(?)演じています。でもね~、ラッセルクロウが全然カッコよくないんですよ。腹は出てるし、筋トレの場面も全くセクシーさがないんです(笑)。グラディエイーターの頃が一番、セクシーだったんじゃないかと思います。
3時間近くある映画です。長いのですが、見ごたえは十分あります。多分DVDとかで家で観ると、集中できないかもしれません。劇場で、トイレをしっかりすませてご覧になってください。