徒然なるままに

ニュースや話題を気になった時に、思うが侭に書きますので。。

天皇の気持ちを受け止められる国民でありたい

2015-08-16 00:27:57 | Weblog
全国戦没者追悼式において、天皇はなぜ「反省」を談話に加えたのだろうか?

今上天皇は今まで「政治的な発言」という揚げ足を取られないために、
配慮してきた結果が、定型文という形になっていた。
また、歴代内閣総理大臣は、天皇の気持ちと同じ表現を使ってきたからこそ、
変える必要がなかったとも言える。

翻って、安倍首相は今年で3年連続、追悼式において、「反省」を表明しなかった。
天皇の気持ちと異なる表現を使い続けた結果が、あえて「反省」の言葉を加えた談話を
表明したことにつながったのだと考えられる。

天皇にとってみれば「政治的な発言」だといわれる危険を冒してまでも、
安倍首相の考えと異なる気持ちを表明したのだと考える。

それだけ「平和」を軽視しているように思える現状に憂慮しているのだろう。

広島、長崎の被爆者しかり、瀬戸内寂聴しかり、村山元首相しかり、天皇しかり、

戦争を経験してきた世代が、総じて憂慮を表明している。

戦争を知らぬ我々が、耳を傾けずにいてよいものだろうか。

もっともっと真剣に考えて、止めるために行動していかなければならないと改めて思った。

天皇の戦没者追悼式での発言について

2015-08-15 15:45:29 | Weblog
ニュースでも異例と報じられている通り、長年定型であった声明に「反省」と「追悼の意」をあえて入れて、発言した。

これは2年連続して、戦没者追悼式典において、今まで使われてきた「反省」と「追悼の意」を安倍首相が使わないことを念頭にした、天皇の発言だったと思う。

おそらく70年談話を念頭にした発言ではないと思われるが、昨日の70年談話の英文と天皇の追悼式典での英文を「反省」と「追悼の意」のところだけで比較してみると、実に面白いことがわかる。

1.70年談話の英文

Japan has repeatedly expressed the feelings of deep remorse and heartfelt apology for its actions during the war.
(先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。)

With deep repentance for the war, Japan made that pledge.
(我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。)

2.天皇の戦没者追悼式での声明英文

Reflecting on our past and bearing in mind the feelings of deep remorse over the last war, I earnestly hope that the ravages of war will never be repeated.
(ここに過去を顧み,さきの大戦に対する深い反省と共に,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願っています。)

I now pay my heartfelt tribute to all those who lost their lives in the war, both on the battlefields and elsewhere, and pray for world peace and for the continuing development of our country.
(戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心からなる追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。)


主語がすべて"Japan"の安倍談話と、"I"の天皇談話の違い。
今上天皇が戦争を始めたのではないにもかかわらず、である。

これが心のこもった表現か、他人事で空虚な表現かの違いである。

70年談話について評価する向きもあったが、天皇の談話と比べてしまうと、如何に低レベルの他人事談話か一目瞭然になってしまう。

安倍首相は談話において、反省も謝罪も、するつもりがなかったことが、これでわかった。

天皇のまさに「異例」の発言は、安倍政権に対する深い憂慮の念から、発せられたものではないだろうか。

平成に入って「初めて」英文に直して、HP上にアップされたのも然り。

安保法制の審議が続いているが、戦争経験者の反対の声が、多数上がっている。

それは、なぜか。

我々戦後世代が、もう一度立ち止まって、耳を傾け、よく考え直してみる必要があることを物語っていると思う。

70年談話とその後

2015-08-14 19:14:36 | Weblog
戦後70年談話が発表されました。

いろいろと付け加えたのでしょう、まとまりがなく、何を伝えたいのかがよくわからない内容でした。
また他人事のような表現が多く、過去の反省をしているのかどうか、不明瞭といえる内容でもありました。

まさに玉虫色という安倍カラーがでた談話だったのではないでしょうか。

周辺諸国がどのように反応するか、見守りたいと思います。

さて、いずれにしても今後の安倍政権の行方を考える上で、中国がかぎを握ると思います。

70年談話への反応と15日の閣僚の靖国参拝をきっかけにして、どのような反応をするか次第でしょう。

安倍政権を追い詰める手段としては、いまや国内消費の一翼を担っている「爆買い」への対応です。

現在の中国政府ができるかどうかはわかりませんが、上記の2つの出来事をきっかけとして、

中国人の訪日を制限させる方向で動けば、国内経済はかなり打撃を受けます。

安倍政権において、現状では経済が唯一の支えであることを考えれば、中国の対応次第では、

政権の基盤が揺らぎ、安保法制の採決を前にして、政治的に大混乱に陥る可能性もあります。

今後の行方を注視していきたいものです。

川内原発再稼動の愚

2015-08-10 10:40:28 | Weblog
11日の原発再稼動についての様々な記事がでている。

原発再稼働 立ち入らない規制委、政府も事業者に“責任押し付け”で困惑する自治体
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/150809/evt15080922120024-n1.html

川内原発あす再稼働へわだかまり消えず「経済麻薬」
http://www.nikkansports.com/general/news/1520730.html


国策である原子力発電の再稼動において、責任を取らない姿勢の政府や
地元民の原発麻薬についてのジレンマが報じられている。

あらゆるものにおいて経済最優先で、安心・安全を軽視する姿勢がみてとれる。

これは国民が「想定外」のリスクを背負う覚悟があるかどうかの問題である。

この4年間、我々は、エネルギーについて相応の努力をし、またその課題も認識してきた。
(不必要な電力使用への疑問からエネルギー資源輸入制度の滑稽さまで、様々な課題があることがわかってきた)

原発再稼動は、その4年間を無にする行動である。
2つ目の記事で、地元民が原発再稼動で再び「思考停止」に陥ることを危惧していたが、
まさに原発は日本の将来を考えない、”今”だけを考えた愚行である、といわざるを得ない。

政治は本来、将来のグランドビジョンを示すことが最も重要な任務だと考えている。

この政権は、過去も捨て、未来に対するビジョンも示さず、”今”の現象のみからすべてのことを行おうとしている。

戦後70年の節目に、これ程ひどい政治が行われていることは、将来の国民が歴史で自虐的に学ぶことになるだろう。

”今”を生きる我々が本当に考えなければならないことは、将来に禍根を残さない潔さである。

戦後70年談話にむけて

2015-08-07 09:09:51 | Weblog
首相の私的懇談会が報告書をまとめたそうです。
過去の大戦に対して痛切な反省を明確にし、侵略戦争を行ったことを認めた上で、将来に向けての日本の姿勢を示すことがよいとの趣旨のようです。

おわびがないことに対する批判もあるようですが、おおむね従来の基本的な立場を継承したものといえるでしょう。

さて、よく「いつまで過去のことについて謝罪や反省を述べ続けなければならないのか」といった発言が聞かれます。

なぜいつまでも謝罪や反省を求められるのか、を考えてみると、

行き着く先は日本人自身が、大日本帝国が引き起こした大東亜戦争について、しっかりと責任を明確にしてきていないからだと思われます。

過去の大戦を引き起こし、アジアを中心に多大な被害を与えたことは事実であり、この責任は間違いなく、国家元首である天皇にあるのです。

戦後アメリカの戦略もあり、我々日本人は、大戦の責任、反省を明確にして歩を進めることなく、「復興」をのみ求めてきた歴史があります。

戦後社会の克服をしたいなら、先の大戦についてしっかりと総括する必要があります。具体的には天皇の戦争責任を明確にし、なぜあの大戦が起きたのか、どうして防げなかったのか(大日本帝国憲法の欠点や日本人固有の国民性、軍事組織の稚拙さ、戦時教育の弊害など)を、日本国内の体制や情勢から内省する必要があります。
(よく対外的な状況から原因を述べる人たちがいますが、これを言い続けている限り、総括ができないのは言うまでもありません。内省できていないのです。)

今上天皇は明らかに、現状に危機感を持っています(先の戦争に関する発言や行動が増えたことがそれを示しています)。

父上である昭和天皇の戦争責任についても、理解しているはずです。(いずれこのことにも触れるのではないかと感じています。)

周辺国と未来志向の関係を築きたいなら、しっかりと「過去の克服」をする時にきているのではないかと思います。