徒然なるままに

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天皇の戦没者追悼式での発言について

2015-08-15 15:45:29 | Weblog
ニュースでも異例と報じられている通り、長年定型であった声明に「反省」と「追悼の意」をあえて入れて、発言した。

これは2年連続して、戦没者追悼式典において、今まで使われてきた「反省」と「追悼の意」を安倍首相が使わないことを念頭にした、天皇の発言だったと思う。

おそらく70年談話を念頭にした発言ではないと思われるが、昨日の70年談話の英文と天皇の追悼式典での英文を「反省」と「追悼の意」のところだけで比較してみると、実に面白いことがわかる。

1.70年談話の英文

Japan has repeatedly expressed the feelings of deep remorse and heartfelt apology for its actions during the war.
(先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。)

With deep repentance for the war, Japan made that pledge.
(我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。)

2.天皇の戦没者追悼式での声明英文

Reflecting on our past and bearing in mind the feelings of deep remorse over the last war, I earnestly hope that the ravages of war will never be repeated.
(ここに過去を顧み,さきの大戦に対する深い反省と共に,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願っています。)

I now pay my heartfelt tribute to all those who lost their lives in the war, both on the battlefields and elsewhere, and pray for world peace and for the continuing development of our country.
(戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心からなる追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。)


主語がすべて"Japan"の安倍談話と、"I"の天皇談話の違い。
今上天皇が戦争を始めたのではないにもかかわらず、である。

これが心のこもった表現か、他人事で空虚な表現かの違いである。

70年談話について評価する向きもあったが、天皇の談話と比べてしまうと、如何に低レベルの他人事談話か一目瞭然になってしまう。

安倍首相は談話において、反省も謝罪も、するつもりがなかったことが、これでわかった。

天皇のまさに「異例」の発言は、安倍政権に対する深い憂慮の念から、発せられたものではないだろうか。

平成に入って「初めて」英文に直して、HP上にアップされたのも然り。

安保法制の審議が続いているが、戦争経験者の反対の声が、多数上がっている。

それは、なぜか。

我々戦後世代が、もう一度立ち止まって、耳を傾け、よく考え直してみる必要があることを物語っていると思う。

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