日常って

８月２９日（火）

昨日ここに何気なく「日常」などとタイトルをつけたのだけど、
にちじょうって何。という、今日はそういう日であった。だって
朝、ミサイル飛んできましたっていうニュースで目を覚まして。

「頑丈な建物に入ったり地下に降りたりしましょう」って、
ええええーーミサイルなのにその程度でいいんですか、と
とりあえず起きて布団たたんで、じっとしていた。

アパートの前の公園では毎朝ラジオ体操をやっていて、ご近所と
周辺の皆様がいつも大勢集まるのだけど、今日はミサイル速報で
ラジオ体操の放送中止・・・にもかかわらず、皆様はいつも通り
歌うところから始まり、皆様ご自身で号令をかけながら遂行し、
なんか、こう、「日常」という文字が厚みを持ちつつも歪んで
（クローネンバーグの映像みたいな感じ）迫ってくるような、
恐ろしいのか心強いのかわからない、変な気持ちになりました。

幸いミサイルは落ちなかったので、予定どおり病院へ行く。
マリーさんを手術室へ見送って、家族室に連れていってもらって、
しばらくしたら母が到着し、作ってきてくれたイチジク煮を食べたり
ミサイルどないやねんとか何やかや喋ったり、母は売店の大きな
おにぎりを二つも食べたので、ああやっぱり生きるには食べねば
ニンゲン食べてなんぼや　としみじみしたり、してるうちに
手術終わりましたと連絡があったので、面会に、ゆく。

細いのとか太いのとか、何本かのチューブを生やしたマリーさんを
見たら、なんか、また「日常」がクローネンバーグ的にうねうね
迫ってきて、くらっとした。数時間前まで、ふつうの、自在に動ける
ヒトだったのに。
まだ酸素マスクして喉の麻酔も取れてないのに、ゴボボゴって、
マリーさんは母を見て、「にんとくてんのうりょう　ちかいから
みてかえってください」って言った。ゴボゴボって。

「仁徳天皇陵は涼しくなってから見にくるわ」という母を
バス停まで送って、その後しばらくベッドの脇で本を読み、
まあしかし順調だそうだし、もう看護師さんたちにお任せ
するしかないので、夕方、帰ってきた。

昨日と同じタイカレーと、ラムレーズンのアイス。
あとミルクを温め、母の土産のチーズビスケット。

で、「日常」は日常と思ってても簡単に
ぽろんと日常じゃなくなるのだなあ。というのか、
なんか、うまく言えないのだけど、日常と非日常の間に、
今日みたいな、クローネンバーク的歪んだ日常という文字、
があるような、いや、あると思う、わたくし。
明日につづく

日常

８月２８日（月）

荒れた天気が怖いわたくしは、空が穏やかなだけで、
それだけでもう赦されたような、救われたような、
これでいいのだ、
という気持ちになれます。

だから病院を行き来する電車の窓から見える
空がきれいだと、なんか安心。
今日はしかし、どんより、降り出しそうだったので
ぞわぞわと、胃の辺りが、いやだ。

今日の本は、
網野善彦『職人歌合』（平凡社ライブラリー）

夕方、帰宅して、頂き物のタイ・イエローカレーを
温め、鯖缶を開けて一切れのせて、プランターの
バジルの葉をちぎって（育ってますよ）散らす。
なんか妙な汁物だけど栄養は摂れそうである。
はぐはぐ食べる。体力をつけるのだ。

待ち時間

８月２６日（土）

ひたすら来週の手術を待つだけの、なんというか、
もやもやとした脱力感だけ、のような、ここ数日。
今思えば、前回の肺カメラ入院などは、まったくもって
マイペンラ〜イだったのであり、なんか、もう緊張感が
ぜんぜん違います。

しかしまあわたくしは（本人も）何もできず、せいぜい
着替えを洗濯交換し、爪切りやら眼鏡ケースやら、
持ってきてと言われたものを届けるだけ。
昼食時は持参のアミノ酸とメイバランスに、何かちょっと、
ギリシャヨーグルトとかカゴメの豆乳バナナとか摂取して、
あとは、ベッド脇のパイプ椅子で本読むぐらい。
で、さっそく
辛酸なめ子『消費セラピー』
川上未映子『きみは赤ちゃん』
を、読み終える。
マリーさん寝てばっかりやったら筋力衰えるから運動せなあかんで。
と促し、外来へ降りて紙コップコーヒー（自販機）を飲んだりもする。

夕方、駅前行きバスの時間に合わせて帰るのだけど、
土日は運休なので困る。
今日は涼しいから歩けたけれど、晴れてたら日陰のない道、
タクシーを使わねばならん・・・

帰宅して、ひきわり納豆と塩海苔、アボカドと
MOWコーヒーアイスを食べ、温かいお茶を淹れる。
自分の体力も心配しつつ
明日につづく。

ホスピタる

８月２４日（木）

というわけでふたたび検査入院のマリーさんなのであった。
今回は検査と言うても生検であり結局手術なのであり、
担当のN先生に説明聞いたけど、なんかもうめっちゃ不安に
なるやないですか。

そしてまた病室で寝床着を着てるとめちゃくちゃ病人に
見えるのだなあ不思議なもので。
昨日まで、いやここに来るまで、ふつうううううに
ぴょこぴょこしてたやん。
なのに寝床着になった途端に患者。

まあしかししょうがないから
無事に終わりますようにと祈りつつ
病棟のあれこれを面白がりつつ
来週の、手術の日を待つのです。

夕方、帰って、スープを温める。
冷凍スープシリーズ（これ美味しい）の、いちばん好きな
蕪のポタージュ。
他に調理する気力がなかったので、あとはアイスとメイバランス。

明日へつづく。

快方へ

８月２１日（月）

いつまでも夏、というか、なんか、今から夏、みたいな空の色。

今年はあんまり使わなんかったなあ　と
先日、大変気に入ってるサングラス（度付き）を眺めていたのだけど、
今頃になって、要るやん。

そんな本日はエジリ先生の日。
食べられなくなってちょうど半年になるのだけど、
今日初めてはっきり、治ってきたと言われる。うるうる。よかった。
アミノ酸かな。効いてるんかな。あの顆粒がカラダのすみずみに
行き渡っているのかな。

実家でニンジンとカボチャのポタージュ、スイカを食したのち
あまりに暑いので、ごろんと転がってうたた寝して、ふっと目が
覚めたとき、
「え。ここどこ」ってわからなくてめっちゃ怖かった。

帰りに前職場の饅頭屋に寄ったらY子さんが、病弱夫婦にお見舞い
って、フルーツあんみつと白玉あんみつを一つずつつ持たせてくれて
いやもうほんまにすいません💦ありがたく遠慮なくいただきました。

ふく寿司でいつもの太巻きと松前を買って帰宅。
で、
晩ご飯はそのお寿司と、
昨日の残りのハマチをどんと鍋に放り、ごぼうと赤玉ねぎと
生姜も入れて麦味噌で、味噌汁漁師風。

だいぶ食べられるようになったし、アミノ酸も摂っているので
この頃メイバランスは日に１本にしており、ああ、なんか、
ちゃんと食べられるって良いなあ　って毎日思う。食べるたびに思う。

海獣か

８月２０日（日）

街に出る。
夏休みの日曜なんて日にわざわざ出かける理由は、
はっきりした目的がふたつあるからであり、
その１、マリーさんの入院グッズを揃える。
その２、父の誕生日プレゼントを選ぶ。
というわけで、順に遂行。

入院グッズはダイソー、イオン、ドラッグストアで購入し、
プレゼントはいろんな店であれこれ見たのだけど、結局
ユニクロコーディネートに落ち着いた。

開店と同時に、という勢いで行動を開始したので、
カンテで休憩して帰宅してもまだ昼過ぎ。
昼寝ののち、
近所のスーパーへ晩の食材を探しに出たら、
ハマチの塊・生食用が、どどんと安かったので思わず買う。
で、
晩ご飯は、ハマチのお造り・ぶつ切り。
残り半分は冷凍にしておいて、明日どうにかする。
ハマチの付け合わせに、
カイワレと大根千切りとオニオンスライスの
梅酢和えを作り、あと、キャベツとお揚げの味噌汁、
フジッコの煮豆。

不器用なわたくしがキレの悪い包丁で調理するものですから
ぶつ切りにもほどがあるってぐらいのハマチであり、
なんか、オットセイか何かになった心地で食うた。

しみじみ滋養

８月１９日（土）

午前中、マリーさん歯医者。
結構長く通ってるので、もう終わるやろ。入院もせなあかんし。
と思ってたら、まだ終わらず、退院後につづく。
退院日を勝手に決めて、ほんじゃ次は◯日で、って予約取って
きたから可笑しい。

わたくしは、入院までの献立と食材をあれこれ算段して
買い物に出、帰ってきて昼寝し、ゆるゆる。そして、
晩ご飯に豚汁をたく。
久しぶりの、具沢山の汁物。
朝から干し椎茸と昆布を戻しておいた出汁に、煮干しも加えて、
具は、昨日のハレのお揚げの残り、大根にんじんこんにゃく牛蒡に
さつまいも、豚肉、葱と生姜。

お腹が温まって、栄養がひたひた染みてくるような。
お椀に一杯食べられて、うれしい。
食べられるって本当に大切でうれしいことであるよ。

ふたたびの心配事

８月１８日（金）その２

というわけで本日、マリーさんの再検査再入院の手続に行き、
何というか、こう、はあ　しょんぼり　なのであった。
今回のは、もうほとんど手術状態、の検査なので、
大変に心配。

原因がわからないから細胞を取ってきて調べる、というのだけど、
取ってきてもわからずじまいのこともあるらしいし
取ってくるのは大変なので何やかやリスクも生じるし。

わたくし自身のことならば、
いやもう切らんといてください今べつにどうもないからそっとしといてください
って言うのだけれど、マリーさんカラダだからそのままにしとくのも心配、
でも必要以上に切ったり取ったりするのも心配、
で、どんみりするばかりのわたくし。

まあしかし。
さっさと調べて原因わかれば治療方法も決まるし。
ということで、来週、入院です。はあ　がっくり。

がっくりしつつ、
帰りに井川とうふ店（件の商店街のおいしいお豆腐屋）に寄って、
絹ごし豆腐と田舎揚げを買う。そのために、保冷剤と保冷バッグを
ずっと提げてたのですからね病院でも。
その甲斐あって、
冷奴も、田舎揚げ（厚めのお揚げ）の炙ったのも、
しんしんとシアワセな美味しさで、
こんな美味しいのはうちでしか食べられへんねんから、マリーさん、
ちゃちゃっと早く退院しなさい。

おさびし十首選 塔８月号

８月１８日（金）

【おさびし十首選　塔８月号】


　平べたくなりて女の眠りいるかたえの闇に身を沈めたり（永田淳）
　
　「うこつけい」と言へば転げて笑ふ子に言ふ烏骨鶏烏骨鶏うこ（澤村斉美）
　
　駄菓子屋の硝子戸にすけるおばちゃんのやさしさというか嘘（荻原伸）

　ずけずけと質問責めの昼下がりくちびる色に山椿咲く（しん子）

　壊れたる箱のやうなる朝の月　ゆふべの夢は忘れてしまつた（河原篤子）

　文旦を送ってくれる人と会う文旦くれる人は良きひと（相原かろ）

　ボート漕ぐ太き上腕それぞれに彼らは川が好きであるのか（柴野春）

　残り物の寿司でも寿司は寿司だから余すことなく食べるべし寿司（阿波野巧也）

　蝶々を封ずるパラフィンそれは語彙、感情はやがてふるびゆくから（中田明子）

　お友だちキャンペーンとふ　おともだちさがして胡麻のドレッシングもらふ（松原あけみ）

　

バジル途中経過

８月１３日（日）

お盆、なのだけど、普段と何ら変わりない我が家である。

そういえば去年は精進料理など作ったな。
根菜やこんにゃくの煮物、食べたいな。
今年はしかし作っても自分があんまり食べられないし、
材料を揃えるのも大変なので、やめとく。

その変わり、では全然ないけど、
バジルの芽を摘んだ。
ONちゃんにもらったバジルの種をプランターに蒔いたら、
うわはははうわはははという感じで芽が出て双葉がめいっぱい
ひらいたので、これはいよいよ　間引き　というのを
せなあかんのんちゃうんって。
で、
とりあえず、ぴこぴこと抜いてみた。そうしたら一応、
プランターは風通し良さそうになっから、引き続き育ちなさい。
それで、
抜いた芽たちも、もうちゃんとバジルの香りを発しているので、
洗って、食材になってもらった。
大蒜生姜玉ねぎと、鶏肉をナンプラーで焼いたところへ
バジルを散らして蓋してちょっと蒸し焼きにして。

蓋を開けたら、むあんとあのバジルの香りがして、
小さいのにちゃんと仕事するバジルの芽たちなので
あった。

プランターに残した皆さんがわっしわっし繁って
くれるとよいのだが。

アミノ酸

８月１１日（金）

E先生に勧められてアミノ酸のサプリメントを飲んでいる。
飲み始めて２週間ほど経つのだけれど、効いてる、と
いうのかなんというのか、なにか、こう、
胃にチカラが出てきたような、
すんすん消化できるようになってきたような。

サプリメントなどにまったく興味なく摂ったこともなく、
アミノ酸が何か、何に効くんかも知らんけど、チカラが
出るならなんでもよい。溺れてるからサプリも掴む。

そんなわけなので、
昨日は、ちちははマリーさんと四人で、ニューミュンヘンにて
晩ご飯だったのだけど、この半年でいちばんよく食べたのでは
ないか、と思う。お刺身とか鉄火巻きとか。
ちちははマリーさんは肉類をわしわしと。皆、逞しくて
よろしいよろしい。
そのあと、西村珈琲に移動して食後のコーヒー。
すごくお腹いっぱいになって、
ちょっと心配だったのだけど、
一夜明け、今朝の胃、異常なし。よかった。

今日はいちにち、うちで何やかや。
マリーさんの晩ご飯には、
ひじきの白和え、じゃがいもと玉ねぎの味噌汁を作り、
鯵の開きを焼く。
わたくしもそれぞれちょっとずつ摂取する。
夕食後、ぶらぶら駅前の書店まで歩き、古本コーナーで
鶴見俊輔『アメノウズメ伝』（平凡社）
を見つけて買ってしまった。３５０円プラス税。

日暮れが早くなって、なんか、ちょっと、さびしい。

ラタトゥイユ

８月７日（月）

みなさま、大丈夫ですか台風。
この辺は今頃になってびゅうびゅうごおごお言うてますが、
昼間はわりと静かでそよそよしとしと程度、つつがなく
出勤、帰宅できました。
仕事はまだ慣れないのであたふたじたばたで
なんかもう半日でぐったりなんだけど
まあしょうがない。そして、何やかや今週は予定があるので
次の出社は土曜日で、なめとんかって思われるでしょうけれど
土曜からは連続勤務ですのでご容赦ください。

そんなわけで、
はぁやれやれ。って帰ってきたら、
すごくいい匂いがして、なんと晩のおかずが出来ていた。
ラタトゥイユ。昨日の新聞に載ってたやつ。
マリーさんが歯医者（に通ってる）の帰りに野菜を買って、
作ってくれていたのであった。
ラタトゥイユ〜

聞いたことはあるが初めて見た。
いただきます。
おいしいものであるなあ
わたくしは洋食はあまり作らないので、
ズッキーニなんてものも初めて食べた。甘くないカボチャ
という感じであった。

それにしても、
作ってもらったものはたくさん食べられる。
自分で作ってると調理中にもう疲れるし腹膨れるし。
また作ってください。

鈴木先生〜

８月６日（日）

ラジオが、最高気温38度になるとか言うてるので、
朝のうちに買い物に出る。
ダイコク、スーパーなど巡り、かゆみ止めとか、
アイロン用霧吹きとか、食料品とか。
帰宅後は、
エアコンの部屋でクロスワードパズル（土曜日の
毎日新聞のやつ）とか、読書とか。

鈴木孝夫・平田オリザ「下山の時代を生きる」（平凡社新書）。
鈴木先生大好きー　まだお元気でがんがんやってらっしゃる（何を）の
が嬉しい。
日本語学校で『閉ざされた言語・日本語の世界』で先生を知ってから
とにかく鈴木孝夫を探して片っ端から読んでいたのだけど、
どれもすごくおもしろい。
そして、『人にはどれだけのものが必要か』（新潮文庫）では、
ええっ　せ、せんせいはそういう人だったのかーーと驚かされ。
というわけで、お久しぶりです、うれしい。

昼寝のち晩ご飯の支度。
きゅうりと大根をたっぷり千切りにして、朝買ってきた鯖の
きずしをのせる。
それから、キャベツとシシトウとお揚げの煮浸し。
それから、エノキと玉ねぎのお味噌汁。
あと、ひじきと青ネギ入れて玉子焼き。

わたくしは本日あまり具合がよくなく、
おかずちょっとつついて、あと、アイス。一進一退。

具合がよくないのは、明日台風だからかも。
台風なのに仕事行かなあかんから、かも。
あ〜　胃きりきりの荒天恐怖症。

米が旨い。

８月５日（土）

大阪歌会へ行く。
今日も人数が多く怒涛の4時間。
でも今日は、なんか、「お♪」って思う歌が多くて
おもしろかった。失言も（たぶん）しなかった。

終わったのち、ガンガマハルまで足を伸ばして
持ち帰り用を作ってもらい、あつあつを抱えて
帰る。
マリーさんキーマナス、わたくしパラクパニール。
ベジタブルビリヤーニも、二匙ほど、ああしみじみ
米は旨いのぉ・・・・

よくなる

８月３日（木）

もう真夏は終わった、ような空の色、風の感じ。

半日のパート勤め、とはいえ久しぶりの仕事場で、初日は
へろへろになって、ああもうわたくし社会復帰は無理。と
黒い黒い沼の底。
だったのだけれど、ひと晩寝たら、
まあ週に数回なのだし、座り仕事だから倒れる心配もないし。
とキモチが落ち着き、
よし。務めを果たそう、ゆるゆると。
と思う。
そして、さっそく明日から３連休だからうれしいな。

冷蔵庫からっぽなので、夕方、マリーさんと買い物に出て肉や野菜など
少し買い、晩ご飯の支度。
茹で豚と茹でキャベツ、冷えるのを待ちながら、ごまマヨネーズを作る。
それから、エノキと小松菜とお揚げのお味噌汁。
冷やしきゅうり。
フジッコの煮豆（よく登場する）。
あと、美味しい海苔の佃煮とか、梅干しとか。

わたくしは最近生野菜も食べられるようになり、
ああみずみずしいきゅうり、おいしい。
お味噌汁も、具と、出汁の煮干しもばしばし消化
しているようで、うれしい。
ゆっくりゆっくり。