TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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新潟市“水と土の芸術祭”バスツアー

2009年07月18日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 新潟砂丘館での私のコレクション展とちょうど同じ時期、新潟では水と土の芸術祭が開催されていた。特に、コレクション展の準備のため新潟に出かけた翌日は、開会式とアート作品巡回バスツアーのイベントがあり、有り難いことに砂丘館館長大倉宏氏の計らいにより、私とアシスタントの二名も招待客として参加させていただいた。新潟市美術館での開会式では、新潟市市長やこの展覧会を企画した北川フラム氏などによるテープカットが行われ、いよいよスタートとなった。
 パンフレットには“信濃川と阿賀野川の二つの大河は、この地に多くの水と土を運び、人は長い格闘の末に、現在の新潟という都市を築き上げました”と記されているが、国内外のアーティストが、水と土にまつわる市内のさまざまな地点に作品を制作・設置しようとするアートイベントである。この日のアート作品巡回ツアーバスの案内役は展覧会を企画した北川フラム氏、乗客は作品制作のアーティストや報道関係者、そして我々招待客などであった。

 このイベント、予想した以上に面白かった。インドネシアの田園で見られるカラクリ風車を住民と一緒に造り、畑一面に立てた作品や、湖面に地域の伝統的な木造船を浮かべた作品など、どこかに忘れて来たものを思い出させるかのような、水と土にまつわる数々の情景であった。特に、遠藤利克の『Trieb-流出』は廃止された浄水場に大量の水が流れ落ちるというもので、廃止措置への抵抗を滲ませた感動的作品であった。この日、招待客の一員となった私とアシスタントのA子さんは美味しい和食弁当を食べたり、美術評論家の大倉氏と語りあったりの充実した一日を過ごしたのである。


水と土の芸術祭オープニング 新潟市長、北川フラム氏など


北川フラム氏及び大倉宏氏と三人で


『カラクリ風車』 タダンクリスタント


『FUNAUTA』 ラムカツィール


『陶の花の館』 杉浦康益


遠藤利克『流失』・・写真中央は水の中に立つ作家