ZFS on Linux 0.6.3の評価を始めました-ZFSと負荷試験を考える
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
今日はZFS on Linux 0.6.3を評価するにあたって、負荷試験に取り組んでいることを紹介します。
ZFSに限らず、ファイルサーバーを構築する際にはファイルシステムの負荷試験が必要です。負荷試験には二つの面があります。一つは、ファイルアクセスの速度の傾向を把握すること、もう一つはファイルシステムの負荷耐性を確認することです。
ファイルシステムの負荷試験には、postmarkを使ってきました。今年に入り、TB(テラバイト)のディスクで構成するファイルサーバーを構築・評価しています。現在はSSDと組み合わせたZFSファイルシステムを構築している関係もあり、ファイルシステムの負荷試験を標準化して統計的な比較ができるようにしたいと考えています。
幾つかのファイルシステムの負荷試験ソフトウエアを使い比較しているうちに、実行条件によって負荷が十分にかからない状況があり、負荷が低い故に性能指標の測定値が低くく見えることも経験しています。これは、近年のハードウエア性能向上を、負荷試験ソフトウエアが捉えることができなくなっていることを示しています。
近年のハードウエアはRAMの大容量化によりアプリケーションの持つバッファやファイルシステムのキャッシュが大きくなり、さらにハードディスクのキャッシュメモリーも大きくなっています。このキャッシュが生きる範囲でのアクセスの測定値と、キャッシュを溢れる程のアクセスでの測定値は大きく異なることが予想できます。
例えばdbenchでの5並行では、ディスクアクセスを溢れされることができず、40並行程度までは測定値の向上が明らかです。即ち「5」を倍の「10」にしてもディスクアクセスは余裕で処理できています。
つづく。