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『フーガはユーガ』 伊坂幸太郎 著

2019年01月21日 | 読書

伊坂幸太郎さんの最新作
フーガはユーガ』(2018年 実業之日本社 刊)を読みました。


常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。 内容(「BOOK」データベースより)


伊坂幸太郎さんらしい、なんともヒトを喰ったような作品でした。

「言っておきますけど、僕が喋ることには嘘や省略がたくさんあります。」
とのっけから小説としてはまさかの反則宣言。

※ネタバレが含まれるんで、未読の方はご注意ください。

主人公は、1年に1日(誕生日)だけ2時間おきに
瞬間移動し、お互いの位置が入れ替わる優我と風我の双子の兄弟。

ファミリーレストランで高杉というフリーのディレクター相手に、
幼少期から、小学校、中学校、高校、大学時代のエピソードを延々と語る常盤優我。
淡々とした語りからは想像もつかない、酷い出来事ばかりです。

エピソードを語る前半と、ファミレスのあとの話になる後半戦。
後半でエピソードの伏線を次々に回収していくのは伊坂さんの真骨頂。

非人道的な小玉の叔父、虐待を続けた双子の父、そして連続殺人犯を、
能力を駆使して征伐するという流れなのですが、受けた仕打ちが酷すぎて、
すっきりしたような、しないような読後感でした。


読み終わったあとも、あれやこれやと頭の中をよぎってたのですが、
ボクがこの設定で書くのなら、
入れ替わり自体が「嘘」でしたって内容にします。
テレビに出たいがためについた「嘘」と告白し、
不思議な出来事の種明かしを。

で、相手が信じて安心したタイミングで「入れ替わり」発動!
しかしなんやかんやで退治できずに2時間経過。
勉強得意の優我くんに戻り、相手は形勢逆転と大張り切り。

そこで「実はボクは運動得意の風我の方でした」
最初からずっと「嘘」をついてましたって展開は如何でしょうか?
でも横で見ていたワタボコリは最初から気づいてるんですけど。

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