■The Best Man In The World/Ann Wilson
from「ゴールデン・チャイルド/The Golden Child」(1986年・アメリカ)
監督=マイケル・リッチー
主演=エディ・マーフィー シャーロット・ルイス チャールズ・ダンス ヴィクター・ウォン
千年に一度この世に善をもたらす救世主”ゴールデン・チャイルド”が邪教集団に連れ去られた。そこで「あなたしかいない」と雇われた私立探偵が、何とエディ・マーフィー!?というヒット作。チベットという異文化の地にマシンガントークのコメディアンというミスマッチに、当時流行のSFXアドベンチャー!という趣向の、いわばエディ版「インディ・ジョーンズ」ってところ。何度も「日曜洋画劇場で観たという方も多いことでしょう。チベットが舞台なんで、淀川センセイの解説がいつ本編から離れてフランク・キャプラ監督往年の名作「失はれた地平線」に行くか、ハラハラして見たものです。
さて主題歌 The Best Man In The World を歌うのは、ハートのヴォーカル、アン・ウィルソンお姉さま。アンとナンシー姉妹のロックグループ、ご存じハートは、カナダのバンクーバーで結成して以来、長いキャリアを持つバンド。70年代にCrazy On YouやBarracudaなどの大ヒット曲があるが、その後低迷期に。84年の「フットルース」のサントラでアン姉さんがラバーボーイ(同じくバンクーバーで結成)のヴォーカル、マイク・レノと Almost Paradise をデュエットし、大ヒットした頃から再び注目される。この The Best Man In The World は、時期的には大成功作「Heart」から次作「Bad Animals」の間。実質的なアン・ウィルソンのソロデビュー作でもある。サントラはこういう普段の活動とは違うものが多々あるから楽しい。でもサウンド自体は、ハードなギターにブ厚いシンセブラスのリフが絡む、当時のハートのアレンジそのもの。そういう意味では目新しさはなかったな。しかし、この曲はアン&ナンシーは作詞のみで、作曲は「007」シリーズのスコアでお馴染みのジョン・バリー、とクレジットされているから驚き!。スコアはミシェル・コロンビエが担当している。蛇足ながら、RATTの Body Talk のPVが流れる場面もあり。HR/HMファンの方はお見逃しなく。
映画の方は、大作のわりに今ひとつ盛り上がりに欠けた気がして、あまり好きな映画とは言えない。でもクライマックスのSFX以上の見どころは、エディをチベットへ連れて行く謎のアジア系美女シャーロット・ルイスの美しさ!。男物のシャツだけのセクシーなお姿のアクションシーン、よかったですよねぇ。「ストーリービル/秘められた街」でのセクシーな場面も忘れられないなぁ。
The Golden Child (1986) Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
※Ann Wilson 関連の歌が流れる主な映画 (Heart名義含む)
1984年・「フットルース」 = Almost Paradise
1986年・「ゴールデン・チャイルド」 = The Best Man In The World
1988年・「テキーラ・サンライズ」 = Surrender To Me
1999年・「ヴァージン・スーサイズ」 = Magic Man Crazy On You
2000年・「チャーリーズ・エンジェル」 = Barracuda