FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊たちへ愛を込めて

鬼が渉る

2020-02-26 15:07:51 | 創作詩
疑心暗鬼が幅を利かす

こいつは菌より強力だ

一目凝視で灰塵にしてしまう

炎は酸素を喰って燃え上がる

煽れ煽れば炎の柱が現れる

その柱をつたって地上に鬼が降りてくる

節分で祓い切れずにいたのかと

茫然自失の者どもよ


お前を疑う


アイツを疑う

コイツも疑う

我を疑う


疑心に隠れる


誰かが煽る

疑心で煽るな


炎は煽られ膨らますから





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青い春

2020-02-22 17:55:28 | 雑感等々
素面でいると昔の思い出ばっかり浮かんできてしょうがない。
人生の棚卸しやってます。

奥手でうぶな男子高校生だった。
映画少年はそのまま思春期をむかえて行き止まりの時代を過ごした。
面白くもない迷路にハマって出口見つからない三年間。
賑やかな街中の年齢層問わずカップルを横目で見ながら憎悪と惨めさが募ってくるのを
押し殺しながら暗闇のシートを目指して出掛けて行った。
16歳の男は二つに分かれる。彼女がいる奴とできない奴。
誰が決めたわけでもないのに自分で自分を線引きして苦しい思いをしていた。
スポーツにも夢中になれない隠れてバイトして金を稼ぐこともしない。
だらだら生きていた。
現実から逃げていたのだろうスクリーンの世界へ。
一体全体どうしていいのか分からなかった。
なんだこの寂しさは惨めさは負けている感覚は…
半世紀生きてきて分かったことは関係なかったことだ。
だれも気にしちゃいない見ていない。
自意識過剰が自分を苦しめていただけだ。
自分で自分を首絞めていただけだ。
何をどうしてやっていけばいいのかサッパリ分からなかった。
そんなことも気にしていなければ良かったのだ。
ただ自分の楽しさや充足感を追求して動けば良かったのだ。
鬱々した日々を送るってことは人生の一時期必要なのかもしれない。
あれがあったから今図々しく生きられるってこともある。
金無しカノジョなし地位なしの青い春のオレが今でも街中に沢山いる。
顔には出さないが微笑ましい、あ~オレが駅前の人混みとカップルに混じって歩いている…。
掴まえていちいち教えてやりたいよ。
惨めで寂しくて心が締め付けられるだろうけど大丈夫だぜ。
今オマエには寒くて肌寒い青い春だろうがやがて暖かい季節が必ずやって来ると。
いや、それじゃだめだ。
答えもヒントも教えない方が良いのだ。
いつ終わるともしれない惨めさを味わってもがいていくことに意味があるのだ。
オレと同じようにせいぜい苦しむがいい。
どうせやまない雨は無いんだ。

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朝一番、田舎の図書館

2020-02-17 11:44:12 | 雑感等々
二十数年前。
担当エリアへ営業車で出掛けて朝一番その町の図書館へ直行していた。
新卒で入社したブラック&グレー会社では先輩と顧客の取り合いで喧嘩するやら上司ににも
目をつけられるやらでいつ辞表を叩きつけてやろうと燻った毎日だった。
取引先の訪問もやる気なくし朝から図書館へ行って時間を潰していた。
田舎の公共施設って本当に立派なものが多くて図書館も例外じゃなかった。
築浅で綺麗な本も沢山揃っていた。
ただ…利用している人たちが数人のお年寄りばかりでとても静かな空間だ。
新聞開きながら寝ているお爺ちゃんをよく見たかけた。時間と空気が止まっていた。
もう既に過疎化が進んでいるのか子供たちの姿もゼロ。
多目的ルームというか自習している人ゼロの自習室で辞表を書いた。
営業所にはでたらめな日報を書いていつも図書館通い。どうでもイイと思った。気持ちはとっくに辞めていた。
辞表を提出した日から引き継ぎも含めて顧客挨拶回りの時にとても残念がってくれた人が幾人かいてくれ申し訳なさと有り難さの入り混じった気持にさせられた。
三十歳手前で無職になるのは気楽だった。
甘ちゃんでも若さゆえ根拠なき自信にも溢れていた。
この会社以外の仕事ならなんだってやってやると開き直っていた。
独立して会社を起こしたいとも思わない。結婚し家庭を作りたいとも思わない。
もう人間関係にウンザリし全てをリセットしたいと熱望していた。
前向きな辞め方じゃなかった。
こういう時人間は落ちるところまで落ちるのと次の展開を掴んでいくのとに分かれるのではないだろうか。
一応無事にこうやって生きてるのも誰かのお陰なのだ。
その誰かを忘れないでいること。
なにかに助けられて生かされていること。

わきまえているつもりだが時々こうやって思い起こしたい。



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ロング・アンド・ワインディングロード

2020-02-12 16:21:45 | 雑感等々
回り道をして生きてきた
寄り道の毎日だった

小学生低学年下校の時刻、他のみんなは習い事やらで真っ直ぐ帰宅だ。
帰宅でぞろぞろの列からはみ出ておれ一人空地へ。
開発途中の国や市の土地が沢山の空き地だった。
誰も居ないがらんとした家に帰るのが怖くて嫌で空き地へ直行。
ランドセルをそこらに放り出して日が落ちるまでひとり探検ごっこだ。
高台へ上って街並みを見下ろしていた。
あの頃は冬には冬の春には春の空気が流れていた。
カレンダーも見ない腕時計もないケータイもスマホもない。
健康な少年の体が流れている空気を感じ取り対話をしていた。
小学生でもシステムと競争社会から乗り遅れたのかもしれない。
損得計算して寄り道をしたんじゃない。
回り道をして何を得たのだろうか。わからない。
誰彼にも教えられずどうしたいのかも考えず体が動くときが少年時代なのか。
精神的支柱はこのころ形成されたのかもしれない。
勉強は出来なかったが誰も行かない知らないとっておきの秘密の場所は
沢山持っていた。
そんな場所も今は開発工事で綺麗な新興住宅街になっていた。
でもまだ在るのだ。
草むらを一歩一歩踏みしめ進むたびに飛び交うバッタや羽虫たちの乱舞が見られる空き地が手つかずで俺の中に残っている。
あの光景を焼き付けるためにこの世に生を授けられたと思うくらいいつまでも色あせない。


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キッチンドランカーラブ

2020-02-08 13:45:01 | 創作詩

声なき声を聴きとりたい。

表面上の姿だけでなくその下に隠れているものを感じ取りたい。

人を傷つけたくない。傷つけられたくもない。

酒を断つと言葉が出てこない。

酒で脳を麻痺させ気分よく言葉を吐き出したい。


もう少し断ってみよう。

素面の言葉は味気なく。


素面の羞恥心を越えて紡ぎ出した言葉は酒のせいにも誰のせいにも出来ない。

大好きなサッポロの大瓶も遠ざけて脳みそデトックス。

自分の言葉に味気無さ。

頭がオカシクなって言葉が立ち上がる。

言葉がオレに語りかける。ささやく。


それが好きなのだ。

デタラメなのに頭で考えて出したものでない。

純粋なのだ。

バカなのだ。

これっぽっちも羞恥心がないから「まんま」の自分だ。

勢いがなくなったら終わりだ。

生まれるも生きるも勢いだ。エネルギーの発露だ。


枯れたら死ぬしかない。

死んだら言葉は土に埋まる。

血の流れも勢いだ。

心臓の動きも勢いだ。

痛みも辛さも楽しさも喜びも勢いだ。

勢いが止まったら終わる時。


まだ終わらんよ。

勢いを圧縮して爆発&三段跳び。

ラストスパートの人生フルマラソン。復路だ。




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