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私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

著作権を考える・その2★漫画で読む「ドラえもん最終回」

2007-02-08 | NEWS/TREND
著作権の現状に斬り込んだ興味深いシリーズ記事です。
知はうごく 第1部 著作権攻防:50年か70年か、見えない妥協点

【知はうごく】「模倣が生む才能」著作権攻防(6)-3
その感動的な結末は、ネットなどを通じたちまち評判になり、数百部でヒットとされる愛好者向け市場では異例の1万5500部が出荷された。
マンガ・コラムニストの夏目房之介氏は、最終話を読んで「僕も泣いた。ドラえもんへの愛情にあふれる作品」と高く評価している。
ただ、この作品はドラえもんの版権を持つ小学館の許諾を得ていなかった。既存の漫画のキャラクターを利用して別のストーリーを作った場合、ドラえもんという絵柄を使っているために著作物の利用となり、許諾が必要だ。同社は「悪質な著作権侵害」と判断して昨年、漫画家側に販売中止と回収、ネット公表の中止を要請。損害賠償についても交渉中で、関係者によると刑事告訴も検討されているという。
小学館は「ネットで評判になり、部数がケタ違いに増えた。厳しく対応せざるをえない」(知的財産管理課)と明かす。


著作権の規定にある、個人の自宅使用においての適応除外。
リアルでは、たとえば家で録画した映画を友達に見せても
本人が申告しない限り、違法性を問われることはない。
ただ、そんな「個人」が別の「個人」とつながって・・・
その繋ぎ目が爆発的に増えるのがネット社会。
同時にコンテンツを簡単にコピーできる環境においては
オリジナルのコピペ、模倣、パロディはデフォともいえる。
ビジネスに発展する機会も多々あるかと思います。

その線引きってどこがどう決めるのか?

漫画で読む「ドラえもん最終回」
前にも取り上げたような気がしますが、
非常によくできています。
なんというか、ドラエもんとのび太関係が素敵すぎて泣いてしまいます。
藤子A先生には案外描けないような気がしますが・・・

これは本当に名作だと思いますが
難しいなぁ・・・と思うのは、見るに耐えないパロディ作品もあることで
作品世界等を守るための管理は必要だとも思います。
ただ、JASRACに代表される現状での著作権問題をみてると、
どちらかといえば質的な部分より、ビジネスになるかどうかで決めてるような部分が
大きく、そこに強い違和感を感じます。


以前からチェイスしていたYou Tubeにも、いよいよ
日本の著作権の網が・・・
米ユーチューブ、JASRACと会談へ 違法投稿が焦点(朝日新聞) - goo ニュース
来日中のユーチューブ創設者2人が、JASRAC、テレビ局など番組や音楽などを保有・管理する23団体と話し合う。ユーチューブが米国以外で著作権管理団体と著作権侵害について話し合うのは初めてという。
ユーチューブのサイトには、過去のテレビ番組映像などを個人が録画・複製して無断で投稿したものが多数ある。このため23団体が昨年12月、著作権侵害の映像投稿を未然に防ぐ手段を講じるようユーチューブに文書で要請した。実際に著作権を侵害しているのは投稿者だが、運営するユーチューブにも一定の管理責任があるとの立場だ。
ユーチューブは米国著作権法に従い、サイト上の利用規約で「違法映像の投稿は認めず、著作権侵害が分かった場合は削除する」と規定。日本側の要請に対し、昨年10月には約3万件の映像を削除するなど規定に沿った対応をした。


著作権のグローバル化。JASRACのふるうナタが
webの世界で、なにを切り取るのか、興味があります。

著作権(wiki)

関連:
著作権を考える・その1★「すごいぜ!JASRAC伝説」
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6 コメント

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5~6年前に (ジイ)
2007-02-08 22:01:13
iモードサイトでドラえもんの最終回で色々設定のストーリーがアップされていたような記憶があります。あの時もかなりのヒット数がありました。今回のストーリーもその中にあったストーリーによく似ていますね。同一人物かどうかは定かでありませんが、言われているように、ビジネスの視点でのみ著作権問題を指摘しているように感じますね。新しく話題になるという事に対して共同していくという関係は築けないのかな?既存メディアVSネットという対立的な構図を感じてしまいますね。特にテレビ局は目の敵にしているように思います。著作権問題を共存協栄できないとテレビとネット、既存メディアとネットの融合は程遠い?模倣から新しい物が生まれた歴史には目を向けないのかな?多くの漫画家が手塚治虫さんのマンガを真似たところからスタートした様にビートルズのコピーから多くのバンドがはじめたように必要な事ですよね。何でもかんでも著作権というのは、新しい芽を摘みたいのかと思ってしまいますね。
返信する
ジイ様 (なるもにあ)
2007-02-09 03:33:45
コメント感謝です!
ジイ様の考え方、大賛成です!

>共同していくという関係
まさに!ですねー。
同じビジネスでも、敵対するのではなく
共同の方が、効率も効果も高いと思います。

>既存メディアとネットの融合は程遠い?
ワンセグもなかなか普及しない気がしますねー。
目先・足元だけでなく、世界の広さを視野に入れた対応をしてほしいですよね。

手塚治虫さん、ビートルズ
・・・守りにはいると、生まれるはずの可能性も
ひっこんでしまうような・・・;;
権利管理者は、新しい芽を育てる方に回ってほしいものです。
返信する
同人誌 (uoco)
2007-02-09 12:06:46
ドラえもん最終話は、売れなかったら問題にならなかったでしょうね。
オークションで1万5000円値がついちゃったら、
やっぱり放置しておけなかったのだろうし。

同人誌でプロの漫画を設定変えて、絵も変えて出してるケースは山のようにあるけど、
このドラえもんは上手すぎたと思うんだな。
もっと早い時期に情報得て、出版社と契約できたら良かったのにね。

ルパン三世をモンキーパンチさん以外の漫画家が描いたりしてるけど、
それなりに売れてるし。
返信する
JASRAC (einnonti-H)
2007-02-10 09:46:58
トウの昔にJASRACとは縁切りました。

あそこも悪の巣窟・・・
国税局もアフォだし・・・

著作は知的財産(意匠権含)ですが欧米と日本はその捉え方が
大きく違います。中国などは更に法自体の整備が遅れています。
YTの件を行うであれば、JASRACは他検閲も同等処理をするのが
筋でしょう。影響力のある媒体を潰してもネットではそれに
変わるモノはいくらでも世の中に出現してきます。そこを
どう規制するかはJASRACの出る出番ではなく法務局が出るのが
筋な一件です。(但し通報はJASRACがしないと動きませんが)
YTへの動きに当初世界三大レーベルは寛容且つ利用をしていま
したが近時、逆の動きになりつつあります。
なる様の分野であるマーケティングですが
「そんなにYTへ協力してもコマーシャル度と売り上げが比例しない」
との事。自明の理でそんな事で経済効果があるのはごく一部の
事例だけ。そして手のひらを裏返すと。

著作は個人・法人が所有、その際「登録」が必要。侵害されていれ
ば権利者が声高にして然るべき機関に直訴。
その侵害度が芸術分野であれば白黒つける場合にイビツな形で
決着する事が間々ある。そこに初期の志が消えた形骸化された
著作物だけが残りその作品の芸術性は朽ちていく。
この繰り返しがここ数十年の芸術関係の連鎖。
原本(オリジナル)を超えた作品をどう扱うかは購買する側の
「意思」である。ならば原作者はその作品の「神」である。
「神」は寛容な存在且つ厳しく鋭い存在で居て欲しい。

これが自分流の意見です。
返信する
uoco様 (なるもにあ)
2007-02-10 13:19:17
>ドラえもん最終話は、売れなかったら問題にならなかったでしょうね。
なんだか、結局、作品勝ちうんぬんより金額の問題になっちゃうみたいで、
それがすっきりしないんですよね。
資本主義社会での権利ってそういうものなのかもしれないけど。

>オークションで1万5000円値がついちゃったら、
うわ、そうだったんだー。
知りませんでした。
オークションには魔物がいますからねー。
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c132445358?u=the_charity_auction_1
(↑これ、800万円越えてるところを見ましたー)

>もっと早い時期に情報得て、出版社と契約できたら良かったのにね。
うんうん。
またアンソロジーみたいにして
読者の作品も買い取って(それを一番しなさそうだけど;)
ドラエもん作品に血を通わせていければいのに、って思いますた。
特にF・藤子先生はもう亡くなられてるので
そういう意味でも・・・

せっかくすごくいい作品だから、なくされちゃうのは残念です。
返信する
einnonti-H様 (なるもにあ)
2007-02-10 15:05:35
コメントありがとうございます。(with お辞儀

オールドビーンズの深煎り珈琲と濃厚なチーズケイク
もしくは本格的なザッハトルテなどを
ご用意して、拝聴したい深く濃い内容。
ちょっとした講義のようで、ノートをとりながら
窓の外は新緑(なせか夏のイメージ;

すみません、ちょっと幸福な妄想に走りました<オイ

勉強になりました。
マーケティングでも少し心と頭のある方々は
精神的資本の活かし方も考えておられるのですが
経済活動を数字で測るのが基本の業界体質では
見えない数字に金を払えないんですねー;
You Tubeへの理解が手に入れられるある種の「好意」って
お金では得難いものだと思うのですが・・・
つまらない大人が世の中をつまらなくする、ということですね。

>そこに初期の志が消えた形骸化された
>著作物だけが残りその作品の芸術性は朽ちていく。
人間よりも長く残る作品だからこその悲喜劇ですね。
たとえば美術館にしても、管理する・継承する人為的行為は
とても大切だし、その恩恵も被ってると思うのです。
ただ、同時に、見る人があっての作品、美術館、という部分もある。
見せてやってる、という美術館には魅力はないというか。

>原本(オリジナル)を超えた作品をどう扱うかは購買する側
>の「意思」である。ならば原作者はその作品の「神」である。
>「神」は寛容な存在且つ厳しく鋭い存在で居て欲しい。

なんというか、最後の1行に創造世界への愛を感じました。
私もそうであってほしいと願います。
返信する

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