道端鈴成

エッセイと書評など

Pigeon Watching:鳩山語外交の無惨

2009年12月23日 | Pigeon Watching
クリントン長官からは『よし、分かった』という思いをいただいた」

鳩山由紀夫首相は18日夜(日本時間19日未明)、17日夜のデンマーク女王主催の夕食会でクリントン米国務長官と約1時間半、会談したと語った。米軍普天間基地移設問題について「選挙で民主党が勝ち、沖縄県民の期待が高まっているので、日米同盟が重要なのは確かだが、強行すると大変危険だ」と述べた。
 そのうえで「新たな選択肢の努力をしている。しばらく待ってほしいとお願いし、十分理解してもらった。クリントン長官からは『よし、分かった』という思いをいただいた」と説明した。

日経ネット 12月19日


クリントン長官、駐米大使を異例の呼び出し 普天間問題で米国の立場は不変
クリントン米国務長官は21日昼(日本時間22日未明)、藤崎一郎駐米大使を国務省に呼び、日米関係の現状についての米政府の見解を伝えた。焦点の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設という日米合意の早期履行を求める米政府の立場を伝えたとみられる。日本の駐米大使が国務長官から急遽(きゆうきよ)会談を求められるのは異例だ。

産経新聞 12月22日


普天間問題で首相「米国の基本的姿勢は理解

首相は、コペンハーゲンでクリントン長官に移設問題の経緯を説明した翌日の18日夜(日本時間19日未明)、記者団に「基本的に理解してもらった」と語った。だが、首相は22日、同長官の「理解」に関し、「お互いに日米同盟が大事だから頑張ろうという意味での『理解』だ」と説明した。

産経新聞 12月22日



単純明快な言語スタイルではないという点では同じだとしても、鳩山首相の二枚舌鳩山語は外交につきものの社交辞令や多義的発言とは次元を異にしている。雪齋氏はこう評している。「紛れもなく政治家の資質は、「獅子の威厳に狐の狡知」である。だが、現宰相の対応には、間違っても、「狡猾の感性」を観ることはできまい。あるのは、「無定見」、「不見識」、「夜郎自大」の風景である。」(鳩山首相は国益に関しては狡猾さはかけらもないというか国益を投げ出して平然としているが、脱税疑惑への対処にみられるように自己の保身にかけては狡猾といえるかもしれない。)鳩山語がアピールするのは日本のある層の人々(残念ながら団塊の世代から上では多数を占めているようだが)に対してだけだろう。国や権力についてつきつめて考えることもなく、国というのもがなんだかわからない、権力はなんとなくわるいというような、外の現実に向き合い合理的な戦略をたてそれにもとづく明確なコミットを示すのではなく、自閉的な願望のおためごかしを垂れ流すのをよしとするような戦後日本の阿Q達に対してなら鳩山語は琴線にふれるのかもしれない。

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