今日は夜までギッシリ、あちこち回るのだ。映画を観たら直ぐに新宿へ、例によって写真ギャラリー巡り。
「蓬萊(ほうらい)とは、古代中国で東の海上(海中)にある仙人が住むといわれていた仙境の一つ。道教の流れを汲む神仙思想のなかで説かれるものである。」(wikipediaより
中国から見れば東だが、日本海側では来たもしくは西となるだろう。大事なのは方位でなく「海の彼方」と言う点にあると考えた作者による、主に日本海側海岸線のあちこちで撮った写真展。
カラーあり、モノクロあり。パネルの体裁も一種類ではない。風景写真に区分されそうな作品は少なく、漂着物でいっぱいの浜、漂着物そのもの、海辺の寺社の祭礼、各種彫物、木乃伊と被写体も千差万別。ところどころにある作者のストーリー文がなければ、雑多な展覧会にしか見えないかもしれない。一通り作品を観た後に全体を見回すと、民俗学的な色付けがとても濃い写真展だと解る。
在廊されていた作者と、撮影場所に始まり題材を選んだ理由、蓬莱と言う物語の受け止め方など、けっこう色々な話をさせて頂きとても充実したひとときだった。ところでこの会場、8月にリニューアルしたとのことだがどこが変わったのか判らなかった。
2024年9月5日 新宿・OM SYSTEM GALLERYにて