Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽の日

2010-09-01 21:01:39 | フィンランド

お昼から老人ホームで音楽療法コンサート。ここでは毎年日本の曲でコンサートをしているが、昨秋はカンテレで、そして今年は歌で。



どれも私の仕事場で人気の歌、「赤とんぼ」に始まり最後の「さくらさくら」まで、日本の美しいメロディに耳をすませてくださった。ホールに来られない人のためにすべてのドアを開放し、居室やベッド上で聴けるよう配慮する。スタッフと一緒に各部屋を訪ね、ひとりひとりと握手。「今年も会えて嬉しい」と2年前に「うちは誰も住んでないから東京から引っ越しておいで」と言っていたAさん。「一度聴きたいと思っていた。さくらさくら歌ってね」と入所まもないBさんからはリクエストもいただいた。



ゆったりした時間を醸し出す日本のメロディのひとときだった。


その足でカンテレビルダーのユッシ・ラーサネンを訪ねる。ラーサネン家は代々カンテレビルダー、3代目のユッシとは留学時代に高校の語学研修で机を並べてから33年のお付き合いになる。


ちょうど100年以上前のカンテレを修理中で、その珍しいカンテレを弾かせてもらう。弾きこまれたカンテレは素晴らしく深くいい音色がする。もう1台同時代のものを分解中だったので、メンテナンス講義も受けた。


工房ではニューモデルのカンテレを製作中。この地域は高音が手前のハーパベシスタイル、久しぶりにこの向きでカンテレを演奏したら、「指はこの方がいい」と直されてしまった。


そして民族楽器のひとつヨウヒッコの演奏の手ほどきを受けたが、なかなかいい音がでない。ユッシの模範演奏に聴き惚れる。新しいカンテレを注文し、お土産にカンテレの端材をもらい、この流れに沿ってカンテレが広まったと知られているペルホヨキ(ペルホ川)をわたって帰る。





のんびりした田舎での3日間、古きよきフィンランドを満喫。
来年の再会を約束して、空路ヘルシンキに戻る。