上半身は人間、腰から下は四足の馬の姿になっている。
騎乗文化を知らない民族が、騎馬民族を見たときに見間違えた姿だとも言われる。
異民族の隠喩である。
人間は文化を共有しない異民族は蔑視したり妬視したりしがちだが、少し関係が深まってくると、相手にもよいところがあることが見えるようになってくる。
ケンタウロスの種族にも、医術や武術に優れたものがいた。異民族だからと言って馬鹿にできるものではない。自分たちの常識を知らないからと言って、彼らが全く悪いものというわけではない。
人間も世界が広がってくると、そういうことがわかってくる。
自己存在の多様性を教えるものである。