月に住むと言われる兎。
昔、帝釈天が腹をすかせた旅の僧侶の姿になり、猿と狐と兎の3匹に、施しをしておくれと頼んだ。
猿は木の実を持って来、狐は魚を持って来た。だが兎は何も見つけることができず、自らの身を火の中に投じ、自分を食べてくれと言った。その心に感じた帝釈天は、兎を月へ登らせたという。
これは自己存在にとってもっとも大事な自分自身を、愛のために捨てるということの意味を教える説話である。
弱いものは自分を引き、その存在を神にささげることによって、神を生かすことができる。それによって神そのものにさえなることもあるのである。
弱者、あるいは女性存在の徳の隠喩である。
本館:フィッシャーマンズ・ワイフ
別館:ヴィンデミアトリックス・18
第3館:幻の少女たち
写真館:しろかねの
ご自由にお書き下さい。
*ピエロ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチの忌日、煤払い、堀辰雄の誕生日。誕生花はプリムラ・シネンシス。
スカンジナビア半島からシベリア、ユーラシア大陸北部で古くから家畜化されてきたシカ科の動物。雌雄ともに角がある。
乳、肉、毛皮をとるために利用され、そりを引く力にも利用されてきた。
サンタクロースのそりを引く獣としても有名。またアンデルセンの童話「雪の女王」では、ゲルダを背に乗せて物語に一役かっている。
精神性を感じる獣である。普通のシカよりも自己活動が発達している。ゆえに人間の生活にも深くかかわることができたと思われる。
野生動物というものは、自己活動の幼さゆえに、神の管理下に置かれているものが多い。だがその自己活動がある程度発達してくると、それは人間の魂に通うものをにおわせるようになる。それが馴化につながるのである。
寒冷地帯での生命活動は厳しい。ゆえに南方の生き物よりは、霊魂の発達が早い。