ひぐらしPS2版を一周して

2007-10-13 03:02:19 | ひぐらし
昨日ひぐらしPS2版の「第一話」、盥[たらい]回し編を終了。

正直なところ、PS2版は原作の鬼~皆殺し編に分岐がオマケとして加わったもの、という程度の認識しかなかった。まあ「話題先行でとりあえず買わせよう」という魂胆なのだろうと思っていたからだ。しかし実際には、いきなり間宮リナが登場したり、入れ替わりを匂わせるシーンがあったり、「もう興味はない。さよなら」と言われたり(あえてぼかしているが、プレイした人なら即座にわかるだろう)、のっけから伏線の嵐。しかし何より感心したのは、最後を大災害で締めくくることでプレイヤーの興味を惹くとともに、ひぐらしのテーマ(「挑むべき惨劇」とでも言えばいいか)を最初に提示したことだ。しかもこの大災害は、そのまま赤坂や大石の調査シーンへと移り変わり、そらに暇つぶし編へと移行するという秀逸さである。もちろん、パソコン版のように個の閉じた視点から全体へと徐々に行くのもおもしろいし、その全体像自体を想像する醍醐味があったのは確かだ。とはいえ、原作の個々の物語(鬼・綿・目・罪)へと繋がる可能性・必然性を示唆しただけでなく、大災害と暇編を繋げて見せたのは演出的に成功であるように思える。それとともに、どのような見せ方をすればプレイヤーが理解しやすくなるかしっかり考えて物語を再構成した製作者たちには素直に賛辞を送りたい。


シナリオ的な部分はこれからなので置いておくとして、コンシューマー作品であることを念頭に置いて、気になった部分をいくつか挙げておく。

1、効果音が単調
昔から指摘されてはいるが、画像のクオリティが上がったことなどもあってますます貧弱な印象を受ける。

2、曲が単調
まだ全体の7分の1程度しか聞いていないが、現時点では原作に遠く及ばない単調な曲ばかり。OPの「嘆きノ森」はとても素晴らしかったので、残りの曲に期待したい。

3、背景の問題
背景は実写から一新され、普通の画像になっている。確かにキャラは風景に溶け込んでいるのだが、それによって良くなったとは感じられない。そもそもひぐらしはそのギャップの強さに魅力があったのではないか?例えば「お持ち帰り~」とか言っている子がいきなりギラギラした眼をして異常なことを口走るわけだが、その差異があるからこそ恐怖はますます増幅される。実写の背景とそぐわないいかにもな感じの萌え絵(?)のギャップもまた、そういう魅力の一つであったし、あるいは裏と表という二面性を上手く表現していたとも思うのだ。



まあこれだけ大災害を描写する重要性を熟知していたのなら、私のひぐらし解アニメ版に対する危惧は全くの杞憂であったと言える。

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