水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

オホーツク海の毛ガニ漁がスタート  枝幸など宗谷管内が初水揚げ、網走管内も続く

2017-03-21 13:35:29 | ニュース

 

 オホーツクの海明けを告げる毛ガニ漁が17日スタートし、枝幸、頓別、猿払村の各漁協で初水揚げされた。16日が解禁だったがシケで休漁した。

 日本一の水揚げを誇る枝幸には14.6㌧の毛ガニが水揚げされ、大中が13.7㌧を占めた。入札の結果、大中が㌔3,600円、小でも3,500円をつけた。今シーズンのオホーツク海毛ガニ漁は、資源状況から前年より140㌧少ない1,160㌧のノルマが決められており、宗谷管内、網走管内にそれぞれ580㌧を配分、枝幸は232㌧となっている。

 18日には、札幌市中央卸売市場に稚内など宗谷産の毛ガニが初入荷し、場内は大型の毛ガニで賑わった。今週には網走管内の雄武、沙留、紋別も初水揚げされた毛ガニが入荷する。


日ロさけ・ます漁業交渉が31日までモスクワで

2017-03-21 13:34:02 | ニュース

 日本200海里水域内のサケ・マス漁業の操業条件を決める「日ロ漁業合同委員会」が20日〜31日までモスクワで開かれる。

 水産庁によると、第33回日ロ漁業合同委員会のあと、ロシア200海里内におけるロシア系サケ・マスの漁獲に関する日ロ政府間協議を行って、ロシア国内法で禁止されたサケ・マス流し網の代替漁法の操業条件を決める。

 日本側は保科正樹水産庁増殖推進部長を政府代表に外務省、水産庁、道庁、関係団体の関係者が出席。ロシア側はサフチュク連邦漁業庁副長官を政府代表に外務省、連邦漁業庁及び関係団体の関係者が出席する。本道から太平洋小型さけ・ます漁業協会の東野勝好会長、武田正則道水産林務部漁業管理課国際漁業グループ主幹らがモスクワ入りした。

 前年の漁獲量は、カラフトマス、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ計1,550トン(前年同)※ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ3種合わせて1隻当たり1トン以内、シロザケ500トン(前年同)の合計2,050トン(前年同)

 漁業協力費は2億6,405万円~3億6万円の範囲で漁獲実績に応じて決定(前年同)、協力費単価 146.4円/kg(前年同)。

 なお、流し網の代替漁法は、水産庁の委託事業により、調査船1隻を用いた曳き網(ひきあみ)による試験的な操業を行うことで合意し、漁獲割当量68.88トン、入漁料約2,118万円だった。


札幌で『新地町の漁師たち』上映会&トーク 福島漁業の復活に向けた漁業者の苦悩と明るさを描く

2017-03-21 13:16:14 | ニュース

 東日本大震災・原発事故で苦境に追い込まれた福島漁業を記録した『新地町の漁師たち』上映会&トークイベントが19日、札幌プラザ2・5で午前と午後の2回開かれ、山田徹監督を迎えて大勢の道民、水産関係者が操業再開に取り組む福島の漁業者への認識を新たにした。

 このドキュメント映画は、山田監督が大震災直後から福島県新地町に入り、3年半の現地ロケを通して漁業者の置かれた厳しい現実と、操業再開への強い思いを胸に奮闘する漁師たちの素顔を記録し90分の映像にまとめた。自主制作のため、監督自ら自転車に乗って現地を回り、漁業者との交流を深めた。映像には強い訛りを通訳する「字幕」を付し、よりわかりやすくなった。

 上映後のトークイベントでは、『福島に農林漁業を取り戻す』(みすず書房)を書き、福島漁業を研究している濱田武士北海学園大学教授を交え、映画の背景や福島の現状などを紹介した。福島漁業は当初、ガレキ撤去と放射性物質のモニタリングを続けていたが、2012年6月から試験操業が始まり、水揚げは昨年、2,000㌧を超えたが、震災前の8%にとどまっている。モニタリング検査では、2015年以降、国の基準値超えはゼロで、昨年は95%が不検出対象種も97魚種に拡大し、本格操業に向けた体制が整いつつある。

 山田監督は「自主上映の機会を増やし多くの皆さん、特に若い人に見てほしい」と語り、次回の道内上映は4月22日(土)岩見沢市民文化センターで開かれる予定。

パンフレットを買い求める来場者 山田監督 濱田教授