ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

お子様の幸せを願って、メール、スカイプでの相談、面談を行っています。是非ご利用ください。

いいですか?

2015-05-13 | 育児
 私たち教師は、子ども同士の関わりを増やすために、子どもが発言時、自分の考えを述べた後に、仲間に問いかける言葉を使うように指導します。

 その時の問いかけの言葉は、どんな言葉を使っているでしょう。

例えば、「~だと思います。いいですか?」です。

 この「いいですか?」という問いかけについて疑問に感じることはないでしょうか。

 「いいですか」という言葉の裏にある、話し手と聞き手の関係を考えてみると、聞き手の方が上位になっているように感じます。

 また、発言の内容が、「いい」か「間違い」という二択になることが予想されます。 

 そして、「いいです。」と聞き手が答えたとすると、次に発言しようとする人にとって、「いい」以外の発言はしづらくなります。
 大きな声で、多くの聞き手が「いいです。」と答えたとすると、それ以外の内容をもっていた子どもにとって、発言しづらいものです。

 余程自信をもっている子どもならば、発言することはできますが、少し自信のない子どもにとって、発言することはかなり大きな壁になります。

 一番問題だと思う事は、常に正答を求められるため、「正しいことを言う。」「正しいことしか言えない。」という意識が根付くことになることです。

 この問いを続けていると、発言しづらくなり、挙手率が下がることが予想されます。

 これらのことを考えると、本当に「いいですか?」という問いかけの言葉は、適切な言葉かどうか、吟味が必要だと思います。

 そこで、

 私は、「~だと思います。どうですか?」を子どもに使うように話します。

 「どうですか?」となれば、話し手と聞き手は対等です。
そして、話した内容についての考えを求めているのですから、選択は、二択にはなりません。

 選択肢を増やすことができます。

 返答として、

 「わからない」「同じ」「つけたし」「違う」等が挙げられます。

(ちなみに私は、ハンドサインとしてこれらを整理します。そして、どう受け止めたのか、無言で挙手するよう子どもに求めます。)
 ※無言ならば、他の子どもの影響を受けにくくなります。

 これならば、聞き手は自由に自分の考えを述べることができます。

正答を求められているわけではないので、自由です。

 教師が、「本当にそうなの?」とか、「誤答を応援する」とかすると、子どもは混乱します。

 このことにより、子ども一人一人が、「正答は何か」を追究することになり、ここから学習が始まることになります。

 話し合いをしながら、思考を深めるためには、この追究する姿勢が必要になります。
 
 「いいですか。」では、この追究する姿勢は身に付きません。すでに正答が出ているということが前提になります。

 さて、あなたの学級の子どもは、どんな言葉を使って、自分の意見を述べた後に、聞き手に問い返しているのでしょう?