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レイダース 失われた聖櫃

2008-06-16 22:14:03 | 過去に観た映画
個人的評価:■■■■■■
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)】

「クリスタル・スカル~」公開記念の旧シリーズおさらいレビュー第一弾

公開は81年だが、私が初めて観たのは85年の暮れか86年の正月。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「グーニーズ」が封切られた時期。当時、札幌に住んでいた私は、「バック・トゥ~」に強い衝撃を受けて急激に映画大好き人間へと変貌していった。
たしか同じくらいの時期にテレビで「スター・ウォーズ」が放送されたはずだ。
そのころ札幌市内のある映画館(たしか狸小路5丁目にあった東映系列の映画館)で「レイダース失われた聖櫃」と「インディ・ジョーンズ魔宮の伝説」の二本立てリバイバル上映が行われたのである。ルーカス、スピルバーグ、ハリソン・フォード、あまりに偉大というか中学生の私が憧れまくった三人(ついでに、すでに映画音楽に異常な興味を持ち始めていた私にはジョン・ウィリアムズの名前もでかかった)である。
友達と見に行った。
「完全入れ替え制」などという悪しき風習のなかった時代。私と友達はインディシリーズの第一作と第二作を二回ずつ見て帰った。大満足だった。
思えば、映画覚醒期にバック・トゥとインディ1&2を劇場で観れたのは幸運だった。しかもほぼ同時期に「2001年宇宙の旅」と「ブレードランナー」のリバイバル上映も観ているのである!!

シリーズ三作中、最も面白い、ややオーバーかもしれんが「映画史的傑作」が、第一作「レイダース」である。
展開は飽きさせず、コミカルだったり残虐だったり手に汗握ったり、観ていて忙しい。
アクションはどこもかしこもかっこ良く、ハリソン・フォードはどこを切ってもかっこいい。
例の岩ゴロのオープニングでのっけから冒険世界に叩き込まれ、ネパールでの銃撃戦ではシルエットの使い方の美しさに酔い、カイロの市でのバスケットのシーンでは笑わせ、蛇だらけの「魂の井戸」でぞわーっとさせられ、飛行場での大男との対決に燃えて笑って、砂漠の追跡シーンの素晴らしさは別観点で後述するとして、ラストのアークの奇跡もまたシリーズ中最高の盛り上がり(と最高の残虐さ)を見せる。
何回みても飽きない本物の冒険活劇。冒険活劇のスタンダードにして決して超えられない最高峰。

ジョン・ウィリアムズの音楽は、彼のフィルモグラフィの中では「E.T.」に匹敵する超傑作だったと思う。
砂漠の追跡のシーン。台詞はほとんど無い10分くらいある長ーいシーンだが、何回観ても飽きる事がない。(そして「レイダース」から映画に入った我ら若い衆は、ずっと後にビデオ等でジョン・フォードの「駅馬車」を観た時に、「レイダース」のルーツを「発見」し、「オマージュ」という言葉の意味を知る事になるのである)
そのシーンにかかる音楽も10分くらいの長ーい曲なのだが、これまたサントラで何回聞いても飽きる事がない。ブラスが高らかに鳴り響き、ストリングスがピンチの気分を盛り上げるかと思えば、レイダースマーチのアレンジへと展開してヒーローの逆転勝利を伝える。本物の名曲であるが、さらに映画を観ながら聞くともっとすごい。スネアのリズムはインディが駆る馬の歩調とぴったりシンクロしている!!
レイダースマーチの素晴らしさはもちろん、マリオンのテーマ、アークのテーマ、ドイツ軍のテーマとテーマのバリエーションも豊富で聞いているだけでウキウキしてくるサントラの名盤である。

*****うんちく*****
●シリーズ唯一のアカデミー作品賞候補。スピルバーグは本作で2度目のアカデミー監督賞候補に。どちらも「炎のランナー」に負けた。美術賞、音響賞、編集賞、視覚効果賞、音響編集賞の5部門受賞。編集は今日までスピルバーグのほぼ全作品を担当しているマイケル・カーン。
●飛行場のシーンでインディを銃で狙い、マリオンにぶん殴られるパイロットはプロデューサのフランク・マーシャルである。
●インディの友人、エジプト人のサラー役のジョン・リス・デイビスは、三作目にも出演。その後、「007リビング・デイライツ」でKGBのボス、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでドワーフを演じている。地味にインディのサブキャラでは一番の出世頭である。
●魂の井戸に落ちたインディの目の前で鎌首をもたげるコブラ。そのシーンでハリソン・フォードとコブラの間に置かれたガラス板に反射するコブラの姿が写っており、ちょっとだけガックリ
●原案としてクレジットされるのは、ルーカスとそれに何故だか「ライト・スタッフ」「存在の耐えられない軽さ」のフィリップ・カウフマン
●脚本のローレンス・キャスダンは、他に「スター・ウォーズ帝国の逆襲」をルーカスと共同で書いたり、ケビン・コスナーの「ボディ・ガード」も書いたりしている。監督・脚本として「偶然の旅行者」「わが街」などでアカデミー賞の脚本賞候補になっていた。

*****誰か教えて*****
インディがUボートに乗り込んでドイツの秘密基地まで行くシーン。Uボートが潜航したら一巻の終わりだと思うのだけど・・・たしかノベライズでは基地まで潜望鏡かなんかに必死でしがみついていたと書いてあったと思うけど・・・1936年の地中海ではUボートは潜航しないのが普通なの?

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レイダース 失われた聖櫃 おさらいレビュー
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 おさらいレビュー
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 おさらいレビュー

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2 コメント

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砂漠の追跡 (http://blog.goo.ne.jp/nyanwan1127)
2008-06-20 23:19:18
しんさん、こんばんは。

砂漠の追跡シーンは、この映画のハイライトでしたね。
トラックの前から車体の下をくぐって後ろに抜けるというシーンを観て、ホントかよ!と感動した記憶が。
なんか、このシーンだけでももう一度観たくなってきました。
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コメントどうもです (しん)
2008-06-22 22:41:13
>wancoさま

そう、あのシーンが駅馬車のオマージュなんです。
もっとも駅馬車で車体の下くぐったインディアンはそのまま放り出されていたと記憶してますが。
ちなみにレイダースのあのシーン。
トラックで引きずられたインディがどうやってトラックの荷台に上がったのか??編集でいい感じにカットして誤摩化していますが、いつかスピルバーグに聞きたいです
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