書き逃げアンドロイド。

副交感神経が優位になるような写真が好き。

○バカの応酬。

2017年05月23日 23時45分47秒 | 意識論関連
テロ等準備罪の何がおかしいかというと、準備段階の被害者がいない時点でも罪として扱う部分にある。

とはいえ、テロの準備をしている個人団体が見つかった場合には、これらを拘束するなど実行出来ないようにする必要性は確かにある。

しかしテロ等準備罪では実行出来ないようにするだけではなく、被害者もいない段階で罰まで与えてしまう点が支離滅裂なのである。

そもそも刑罰というものは、「なぜ犯罪者が発生するのか?」という原因究明には一切ならず。その上犯罪者の更正にとってもほとんど効果がない不毛な制度に過ぎない。

テロを計画していた者に罰を与えたらテロをやらなくなるであろうか?

強盗殺人で25年服役していた男が出所後数週間もしないうちに殺人を行うのが懲役刑というものの実態である。実質的に再犯しなくなるための「治療」措置や原因究明の制度や構造を持たない懲役刑では、テロリストを何年刑務所に入れておいてもテロをやらなくなるようにはならないのである。

ましてやテロリストや通り魔の多くは自暴自棄な考えに陥っている場合がほとんどであり、国家権力を用いた罰による恐怖的抑圧はほとんど意味を為さない。

テロや通り魔といった無差別殺人はなぜ発生するのかと言えば、暴力的報復こそが最終解決であるという大衆観念が源にあり。これこそが「刑法懲罰こそが唯一絶対的抑止力」とみなして実質的効果の希薄な刑法制度しか存在しないという原因にもなっているのである。

いうなれば、「バカの応酬」にしかなっていないのだ。

気に入らない相手を、暴力的懲罰で抑圧すれば、気分的には安心満足感が得られるであろう。

しかし、これは子供向けの安い特撮ヒーロー番組のフォーマットでしかなく。ドナルド・トランプが良く言う「テロリストは追放だ。」などという安易で実質的には実現不能なお伽話と同様、愚民をその場限りに喜ばすだけの「嘘」や「子供騙し」でしかない。

テロや通り魔など、何の役にも立たない身勝手な満足感を得るためだけの行動を行うようなヒトが出てきてしまうという「失敗」を、どのようにして再発防止のための原因究明に活かせるように出来るのか。まずは「刑法懲罰こそが唯一絶対的犯罪抑止力である。」とみなした刑法懲罰制度依存からの脱却が必要不可欠である。

刑法懲罰というものが、失敗学/危険学術的には何の意味も持たない単なる感情論に基づいた不毛な社会制度に過ぎないことは常識であり。実際に懲役刑というものが犯罪者更正にとってほとんど効果がないことも既に実証されていることである。

百歩譲って特定のテロリストや通り魔が刑罰などで更正したとしても、そもそもテロリズムや通り魔といった無差別殺人行為を行うヒトがなぜ発生してしまったのかについての原因究明には全くなっておらず。当然具体性のある効果的な再発防止策に一切到達出来ないのは必然的結果である。

テロや通り魔といった無差別殺人暴力には、合理性が一切ない。

それは刑法懲罰と何ら違いはない。

重大事故や犯罪が起きる度に、何の考えも持たない愚民の多くは条件反射的(無意識)に厳罰化ばかりを主張するのだが。これは原因究明にも再発防止にも全くつながらない「バカの主張」に過ぎない。

とはいえ、仕事を終えて家に戻ったら女房子供が惨殺されていたらバカに陥るのも致し方ないことであろう。しかし、それはあくまで被害者遺族の個人的感情論であることに変わりはなく、社会制度としての意味が存在しないことに違いはなく。刑法懲罰を解決とみなす現在の司法制度上の厳罰化では、具体的効果を持った再発防止には構造原理的に至らないのであり。社会的に不毛な制度しか存在しない現状の司法制度依存からの脱却が必要不可欠なのである。

何が何でも刑法懲罰依存から抜け出すことが出来ないというのであれば、刑法懲罰とは別に犯罪者分析委員会のような研究機関を作り、犯罪者が陥る非合理な観念を学校教育にまで社会的に共有すべきなのである。

ヒトという種の生物は、気に入らない相手を暴力などの懲罰を与えることで気分的に安心満足するという、社会的に非合理な先天的行動習性がある。

ヒトという種の生物の先天的本能習性には、人間性に反する行動バイアスが存在するという事実を、より多数の人が認識すべきであるのだが。京都大学霊長類研究所の松沢哲郎は「チンパンジーの先天的行動習性から、人間としての社会性を立証出来るかも知れない。」などという構造原理的に立証不可能な予測で大衆やマスコミを騙し、文化功労賞まで受賞しているのである。

これは犯罪と言っても過言ではない。

騙される大衆やマスコミの頭の悪さにも問題があるが、ヒトという種の生物でありさえすれば何も考えなくても自動的(先天的)に人間性が組み込まれているという、ヒト特有の先天的な妄想錯覚を利用したペテンである。

ヒトという種の生物は、別に進化生物学の神が作った先天的に人間性が組み込まれた生物などではなく、あくまで結果的に生存していただけの存在に過ぎず。自らの先天的欠陥を認識し、合理的で実効性のある対策を選択することが重要である。

既存の社会制度や法律といった「手続き」に囚われ、現時点での選択可能性という本質的自己(人間性)が失われているからこそ、バカげた失敗を何度も繰り返すことに陥るのである。

テロなどを行うオカルト集団などというものは、規模や形式は違えど歴史上無数に現れてきたものであり、ISILであろうと別に新しいものでも珍しいものでも何でもない。彼らは先天的なヒトの行動習性(無意識)のままに流された「結果」以上の何ももたらすことはない。

本質的意識がなければ具体的「目的」が存在しないのは当然のことである。

「再発防止」という「目的」を忘れ、目先の気分的安心満足を追求の為に報復懲罰に邁進するというのは、社会的無責任であり、犯罪にも匹敵する「悪事」であるという認識が必要である。





Ende;
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