市民講座

市民講座の内容やお知らせ

市民講座だより 2013年8月

2013年08月21日 | 市民講座

 8月12日(月)

 「健康保険についてのお話」の

 市民講座を開催しました  


 日 時  平成25年8月12日 16:00~17:00

 テーマ 「健康保険についてのお話」

 講 師  中島 正治 医師   

 会 場  佐野市民病院5階研修室


 日本では全ての国民が、性別、年令の区別なく、公的な健康保険の加入が義務づけられています。
 医療が必要な時、「健康保険証」があれば、希望する病院や診療所を選んで、必要な医療サービスそのものを直接受けることができます。
 これをフリーアクセスといい、国民皆保険により、医療サービスが行き届いている事は国際的にも高く評価されています。 

 <主な医療保険制度>

 国民健康保険
 全国健康保険協会管掌健康保険
 組合管掌健康保険
 共済組合
 後期高齢者医療制度 など

 医療保険制度の仕組みは、国、都道府県、市町村などの行政機関による公費負担(公助)と加入者(被保険者)による保険料負担(共助)および受給者の一部負担によって成り立っています。
 負担と給付が明確な保険制度ですが、被保険者が負担する保険料はその所得によって異なり、所得再配分の要素ももっています。
   

 私たちが医療機関を受診した際に支払う医療費(初診料・再診料・処置料・検査料・処方箋料・手術料・入院料など)は、診療報酬点数で計算されます。 
 診療報酬とは、医療機関がその提供した保険医療サービスに対する対価として医療保険より受領する報酬で、保険診療の範囲・内容を定める「品目表」としての性格と、個々の診療行為の価格を定める「価格表」としての性格をもっています。
 診療報酬点数表(1点=10円)については、中央社会保険医療協議会の諮問・答申を経て厚生大臣が告示します。
 かかった医療費の一部を医療機関の窓口で患者が支払い(患者一部負担金)、残りを医療保険の保険者が支払いますが、請求された点数は審査支払機関による審査が行われ、認められたものについて支払われます。 
 医療機関に支払われた診療報酬は、医療行為にかかわる物的経費や医療従事者の人件費(医師、看護師、薬剤師等)に充当されます。
 日本における医療機関のCT・MRI設置数は、人口あたりでは世界第1位で、2位のアメリカの約2倍の数が設置されており、国際的に見ても高度な医療を受けられる環境であるといえます。 
 
 医療保険では、家計に対する医療費の自己負担が重くならないよう、各世帯で医療・介護にかかった費用を合算し、一定額を超えたときに還付が受けられる高額療養制度があります。  
 また、同一医療機関で高額な医療を受ける際「自己負担限度額認定証」を提示することにより窓口負担を一定額にとどめることができます。 「自己負担限度額認定証」は、加入している健康保険組合、協会けんぽ、または市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)などに申請すると交付されます。 
 
 医療保険制度はいくつかの制約によって守られています。
 例えば、混合診療の禁止についてですが、健康保険法では、治療行為はすべて医療保険で給付しなければならないと定められています。
混合診療とはこの制約をなくし、治療行為の一部を医療保険で給付し、一部を自費診療(全額患者負担)で診るという、保険給付と保険外の自費診療費を混合した診療をいいます。
 これが全面的に認められると、保険のきかない医療が拡大し、患者負担が増えてしまいます。
 自由化により私たちの生活の中で様々な規制緩和が行われていますが、必要な制度は今後も守っていかなくてはなりません。 

 日本の人口の推移や高齢化、国や地方の社会保障財源などの面から考えると、保険料の引き上げや患者一部負担金の負担割合の増加が見込まれますが、将来も安心して医療サービスを受けられるよう、適切な受診をこころがけ、私たちの財産である健康保険制度を守っていきましょう。
 

  

 



8月の市民講座のお知らせ

2013年08月02日 | 市民講座告知

 8月は、2つの講座を開催いたします 
    

 
 テーマ 
  健康保険についてのお話 

 我が国は、平均寿命が世界のトップクラスで、国民皆保険により、医療サービスが行き届いている事は国際的にも高く評価されています。
 現在の医療保険制度の仕組みと問題点、今後の課題などを分かりやすく解説します。

 日 時  8月12日(月)16:00~17:00

 会 場  佐野市民病院 A棟5階研修室  

 講 師  中島 正治(なかじま まさはる)医師
      (当院 非常勤医師)

 受講料  無料  

 定 員  40名 

 申込期間 8月12日(月)午前中まで 

 申込方法 地域医療連携室にメールまたはお電話でお申し込みください。

       地域医療連携室 電話番号 0283-62-9024(直通)
 
       MAIL sanoshiminrenkei@sanoshimin-hp.net
 


 テーマ 
 糖尿病をよくするための、痩せるための糖質制限食のすすめ 

 糖質制限食は体重を減らすために有効な食事療法であり、糖尿病治療の一環として取り入れられています。
 糖質制限食に対してわが国では、必ずしも足並みが揃っているとは言えませんが、本講座では糖質を控える食事こそが糖尿病を改善し、体重を減らしてゆく重要な戦略(方法)であることを申し上げて、それを実践していくためのヒントをお伝えできればと思っています。

 日 時  8月27日(火)16:00~17:00

 会 場  佐野市民病院 A棟5階研修室   

 講 師  服部 良之(はっとり よしゆき)医師
      (日本糖尿病学会専門医、医学博士、当院非常勤内科医)
      荒川 幸子(あらかわ さちこ)管理栄養士
      (糖尿病療養指導士、当院栄養部主任)

 受講料  無料   

 定 員  40名 (先着で定員になりしだい〆切りになります)

 申込期間 8月26日(月)まで  

 申込方法 地域医療連携室にメールまたはお電話でお申し込みください。

      地域医療連携室 電話番号 0283-62-9024(直通)
 
      MAIL sanoshiminrenkei@sanoshimin-hp.net
 

 みなさまのご参加をお待ちしております。 

   
  

市民講座だより 2013年7月

2013年08月02日 | 市民講座

 7月25日(木)

 「熱中症~かかったらどうする?」についての

 市民講座を開催いたしました 


 日 時  平成25年7月25日 16:00~17:00

 テーマ 「熱中症~かかったらどうする?」

 講 師  村田 宣夫 医師

 会 場  佐野市民病院5階研修室

 熱中症は、的確な治療・診断がなされないと死に至ることもある深刻な病気です。
 熱中症について知り、熱中症を予防しましょう。

  熱中症になりやすい環境 ~こんなときは要注意~ 
 1.気温・湿度が高いとき
 2.風がないとき
 3.日差しが強い・照り返しが強いとき
   (特にアスファルトやコンクリート)
 4.急に暑くなったとき
 5.身体的問題があるとき
   (不規則な生活による睡眠不足・朝食抜きや発熱状態などの体調不良)
 6.スポーツ活動のとき

 
 戸外で、熱中症になってしまった時の対応 

 直射日光を避けて、風通しのよい場所へ移動させる
 衣服を緩めて、木陰で休ませる
 水分を少しずつ飲ませる
 
 熱が高い、水分が摂れない、意識障害があるといった場合はすぐに救急車を呼びましょう。
 応急処置として意識確認、呼吸確認、脈拍の確認等に問題がなければ、頸部、腋窩部、ソケイ部を冷やしたり、体表に水を霧状に散布してうちわで扇ぎ、体温が下がるようにします。


 予防がすべて ~熱中症予防のポイント~ 

水分補給について 

 電解質と塩分を含む飲み物が効果的(スポーツドリンクなど)
 少量をこまめに摂取する

 熱中症の原因のひとつが塩分の不足です。
 発汗によって体内の水分・塩分が失われた状態のときに、塩分を含まない水やお茶などの飲料水を多量に摂取すると、体液が薄まり尿量が増加し更に電解質を失うおそれや、脱水が進行し熱痙攣に進展する場合があります。
 緑茶などカフェインを含むものや市販の天然果汁・野菜ジュース類、炭酸飲料なども熱中症予防には適していません。

適した服装について 

 ゆったりしたもの(熱がこもりにくい)
 通気性のよい素材のもの
 吸水・速乾性機能をもつもの(ポリエステル)

 気流・湿度・日射などによって好ましい着方は異なりますが、熱放散が大きく、熱の獲得を最小限に出来る着衣を考えましょう。
 熱吸収率が最も低い色は白です。

体調が悪いときは要注意 

 下痢のとき(脱水状態になっているため熱中症にかかりやすい)
 熱があるとき(運動することで体温はさらに上昇するため危険)

 その他、夏風邪・夏バテなどで体力が低下している時や、症状が回復したばかりのときも油断できません。
 アルコール中毒、心疾患、皮膚や汗腺の疾患、糖尿病、甲状腺疾患の方、抗精神病薬などを服用している方も暑熱環境によって症状が悪化する場合があるので注意が必要です。

室内でも要注意 

 室内温度に気をつける
 猛暑日や熱帯夜ではエアコンを使用する
 少なくとも扇風機を使用する
 十分な水分・塩分を摂取する

 熱中症は適切な処置を怠ると、健康な人でも短時間のうちに軽度から重度に進行する場合もあります。
 異常を感じたら早めに医師の診察を受けましょう。