ああ、なんだかやっぱり三月はだめだ、いろいろと。
父親が、私に対して、正反対の事を望むという話をしてた。
しっかりとした大人と、従順な娘。
で、母親もそうだった。
自分の意見をはっきり言う大人と、決して逆らわない娘。
私は、家事をてきぱき手伝ったりするような気のきいた子ではなかったけど、
でも、言われればその通りにした。
父親の借金があって、苦しい家計の中、
私も働いてたけど、母だってパートで働いてて。
お互い、イライラしてたけど。
でも、母は、私が家のことを放り出すとは思っていないようだった。
そして、私も。
私たちは共に父の被害者で、つまり仲間のはずだった。
ある時、母が私に言った。
「もっと、親の言うことなんか聞かないで、
どんどん行動できる子だったら良かったのに。」
何も言わない私。
それが、この家を出ろという意味でないのはわかっていた。
母は私に堂々と人生を歩んでほしいのだ。
若いのに、暗く、母親とグチを話したりしているばかりなのではなく。
明るく晴れやかに。
でも、絶対に家族を見捨てたりしないで。
私は、両親の気持ちが全く分からないわけではない。
子供に対して、そりゃいろいろ思うだろう。
ある時、私が珍しく、父親相手にグチを言い始めたことがあった。
父はすぐに「それなら勝手にしろ!」と怒鳴った。
私は黙った。
私が母のいる部屋に行くと、母が、
「もっと言えばいいんだ!」と言う。
私はやっぱり黙ったままだった。
その時、どんな気持ちだったかは覚えていない。
いや、何も思わなかったんじゃないのか。
何も?わからない。
私は、生まれてから一度も、
親に逆らったことも、
ケンカをしたこともないのだ。
怒りを隠していたということではない。
親が怖かったけど、どこが怖かったのかはわからない。
ただ、そんな、正反対のことを求められて、
今思えば、自分が引き裂かれる感じだが、
その時はそんな風に思ってなくて。
ただ、両親は私のことが気に入らないのだなと、
言葉にならない思いを持っていたと思う。
それでは、また明日。