仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

麻生首相に「漢字テスト」といふ、民主黨の愚擧

2009-01-21 14:12:06 | 日々雜感
昨日の參議院豫算委員會で、民主黨の石井一副代表が、麻生首相に漢字の讀み方の質問を行なつた。
昨年11月、『文藝春秋』に掲載された麻生首相の手記から7つの漢字・熟語を拔萃し、ボードで提示した上で、首相に讀めるかどうかを尋ねた。

「未曾有」を「みぞゆう」と云ひ、「蹈襲」を「ふしゅう」と云ふ麻生首相。
確かに國語のちからには疑問を感じざるを得ない。
しかし、この質問にいつたい何の意味があるのか。

『文藝春秋』に寄せられた手記が誰かの代筆ではないかといふが、それがこの質問でわかるのだらうか。
假に口述筆記だつたからと云つて、それがどうしたといふのか。
質問の内容は事前に首相の元に屆けられるのだから、質問の場で首相が讀めないわけがない。
とすれば、これは首相を「揶揄」するためのパフォーマンスに過ぎないのではないか。

それこそ「未曾有」の危機に直面してゐる經濟状態を前にして、斯樣なくだらぬ質問をする議員の氣がしれない。
ましてや、石井一氏は民主黨の副代表だ。
民主黨といふ最大野黨がこれをしたといふことだ。
こんなことをしてゐるやうでは、民主黨はかつての社會黨と何ら變らない。

人のすることに批判を加へてゐるだけなら、そこらにゐる評論家でも出來る。
況はんや(いはんや)首相の揚げ足とりとは、藝能レポーター竝みではないか。
苟も(いやしくも)國會議員たるもの、現状に即してどのやうな政治をするべきか、どうやうな法律を作ればよいか、具體的な政策を示して欲しい。
豫算委員會の席でくだらぬ質問をして時間を空費してゐる場合ではない。


石井一氏が提示した漢字は以下の通り。

<漢字テスト>
1.就中
2.唯々諾々
3.揶揄
4.畢竟
5.叱咤激勵
6.中興の祖
7.窶し
8.朝令暮改
9.愚弄
10.合從連衡
11.乾坤一擲
12.面目躍如

ちなみに、私は7「窶し」に時間がかかつた。
「蓋し、勞働とは苦しきものだ」といふ文の「蓋し」のやうに「副詞」を頭に思ひ描いてしまつたのだ。
ところが「窶し」は動詞の連用形もしくは、それを名詞として使用してゐる。
終止形だと讀み易いのに、どうして連用形で提示するのだらう。
「~に身を窶す」とすれば讀み易い。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【大相撲初場所】 10日目 ... | トップ | 三十にして立つ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿