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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「出口のない海」 横山秀夫

2006-09-06 22:17:45 | 讀書録(一般)
「出口のない海」 横山秀夫

お薦め度:☆☆☆☆ /
2006年8月15日読了 


「人間魚雷・囘天」。
なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。
子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。
飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。
しかし、この「囘天」は・・・

主人公の獨白。
「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない - 。」

數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。

讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。
いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。
英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。
そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。



出口のない海

講談社

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